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ピンクの毛糸/紫のお古/なんとか目を開けて

1997年11月3日(月)
ピンクの毛糸の袋をつくり直して巾着にしようとしていたら、母がそれに飾りを付けた。
わたしにはとても編めそうになかった。
母に頼もうと思った。

母が勝手にわたしのものに飾りなど付けるのはよくない。
わたしは自分でやるんだ。


自分の家を変な三人家族に盗られていた。
盗った家族の中の支配者、わたしの家を盗った張本人の女に「住まわせてもらって」いる状態。
支配者の女は息子を完全に支配していて、舅のことは慇懃無礼に扱っていた。
わたしは、舅とは、少し話ができた。
支配者の女が自分が着ていたお古の紫を、わたしに着ろ、と命令した。
着る気はない。


昼──眠たくて大変なのに起きて下へ降りていった。わたし宛の郵便が何通も届いていた。
上の一通は開封されていた。母さんだと思った。それだけ。少し恥ずかしかった。見られたことが恥ずかしかったので、母のふるまいは問題になっていなかった。
寝床に戻った。なんとか目を開けて読もう、と思った。

届いていたのはメグミからの手紙だと思った。
Aという子に誘われてメグミはスケッチへ行ったという。
Aはひしゃげた、焦げ茶の女の子だ。
なんであんな子と、と遠くで思った。
Aとメグミが緑の川辺をゆくのが目に浮かんだ。

メグミはAに連れられて「青」を見つけたという。
わたしも「青」を見つけたよ。あなたも見つけていたんだね。
わたしは独りで踏み迷っていたけど、あなたはともだちと一緒だったんだね。羨ましいよ。
でも、よかった。
わたしとはもう会いたくないだろうね、Aがいるんだから。
でも、本当によかった。

いつ起きて一致するの?
お母さんと離れようよ。


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