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バスティーユの朝美オスカル様について語りたい



朝美さんの「シトワイヤン行こう」に心が昂りすぎてどうにかなってしまいそうなので、今の気持ちを吐き出したいという投稿です。(新幹線の中で殴り書きをしている)

オスカルの魅力とは「バスティーユ襲撃によりフランス革命の発端となる一方で、自分自身を解放する革命を巻き起こすこと」だと、初めて原作を読んだ時から思っていた。貴族でありながら平民と恋をし、パリ市民のために命をかけて戦う。自らの出自に関わらず、自分らしく生き、ありのままの自分として死んでいく。

朝美オスカル様は死に至るまでのお芝居が繊細で、バスティーユでのオスカルの神がかった死に様は全部全部初めから繋がっていたのだと思わせられる。夢の音楽会での「毎日生まれたてになる」を体現した、なんとも朝美さんのお芝居心溢れるオスカルでほんとすごい…オスカルが登場する場面が全てあるわけではないのにシームレスで本当にね、すごいよね。 
※「すごい」って何も伝わらないからあんまり使いたくないけど、「すごい」しか言いようがないので今回は自分に「すごい」を使う許可を出します。

朝美オスカル様はアンドレの前では高い声で可愛らしい手の動きと繊細な心、お仕事中は低い声で軍人らしい仕草と芯の強い心で、人から見える自分を使い分けているなーと思っていた。とはいえ様々な面を見せても、どれもオスカルなんだよね。無理して作った女声じゃないし、使い分けようとして使い分けてるというより、オスカルとしてそこに存在したらそうなったという自然さなんですよ。いつもの男役とは異なる「男装の麗人」だということを大前提におきながら、見せる顔の違いが明確に伝わってくる緻密な表現力がほんとすごいよね(すごい)

朝美さんの葛藤するお芝居が大好きなのですが、朝美オスカル様もいつもいつも葛藤して悩んでてかっこいいんですよ。ブイエ将軍に「反逆者」と言われた時にオスカル様の表情がほんの少し揺らぐけど、一瞬で決意の表情に戻るという朝美さんのお芝居が本当好きだ…観客に見せるために(無い台詞を補って?)表情に変化をつけているというより、そこにオスカルとして存在する限りその反応しかないんだと感じさせられる。自分の信念の赴くまま生きたいと思いながらも、貴族という立場故の苦しみが伝わってくる。
それから、フェルゼンからの手紙を読んで「アンドレとは近く近く魂を寄せて生きてきた(揺れる瞳)」からの、アンドレを呼び寄せ一目見て急に意識してしまって、お手紙をギュッと握りしめて手紙を隠したことで、フェルゼンはもう過去の憧れになっている。あの数秒間に、瞳の揺れ動きと息遣いだけで今宵一夜に至るまでの心の葛藤を全て表現している。お芝居歌としての「愛の巡礼」はそれらのすべての葛藤や苦悩が見えるようで、本当この人何者すごすぎ…って毎回思っています。

最終的に、バスティーユではアンドレを愛する一人の女であり信念を持った軍人でもあるという側面が融合され、すべてを曝け出したありのままのオスカルとして死んでいく朝美さんの気迫のこもった芝居に感服です。バスティーユでのオスカル自身の革命に至るには、繊細な心と強い心を持つオスカルでないと自分自身を解放することにはならないし、幾多の葛藤を乗り越えなければ「シトワイヤン行こう」にこんなに重みや感動はない。『海辺のストルーエンセ』や『仮面のロマネスク』で、対象とする人によって見せる側面を変える芝居をされてきたけど、それらが今一本の道となってオスカルに繋がっていたのかなと思う。

たくさんの方が演じられてきたオスカルだけど、朝美さんのオスカルは朝美さんのものだと感じた次第でございます。オスカルというお役は朝美さんのお芝居力が爆発してて、たくさんの方が演じてこられたお役だけど、今の朝美さんにしかできないオスカルに出会えてよかったです。これからもどんな役を演じられるのか、どんな道が続いているのか、本当に楽しみですね。

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