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銀行員は見た!オバケよりこわいのはお金が絡んだ人間の本性

銀行員をしていた時は、
様々なご家庭の裏事情も垣間見てしまいます。

「お金」という資産を扱うので、
パーソナルな部分まで踏み込むことも少なくありません。

一番、印象的だったケースをお話しましょう。

まるで火曜サスペンスの世界


投資信託を運用されている70代の女性。

1人暮らしだが、近所の娘様が週に数回、
通いで介護をされていました。

娘「このまえ、塗装業者の詐欺にあって、
  50万円損するところでした。
  もう、おばあちゃんに任せてられないわ」

甘い言葉を信用して、詐欺グループに現金を渡そうとしていたそうです。

ですが、おばあちゃんは通帳も印鑑も、キャッシュカードも、どこに置いたか忘れてしまう。

娘様は困っていました。

そして、今後のことも考えて、
遺言書作成にふみきりました。


戸籍謄本でわかった ほんとうの関係

遺言書作成には「戸籍謄本」が必要となります。

戸籍抄本は、戸籍上の
「一部の」続柄しかわかりません。

すべての続柄が記載されているものが
「戸籍謄本」となります。

私は

・娘は一人
・兄は一人
・おばあちゃんの遺産は全部娘にやる

と聞いていました。


ご自宅、運用商品、預金。
ざっと数千万円くらいでしょうか?

娘様は、遺産ががっぽり入る、
と思ったのかもしれません。


訪問するたびにニコニコ笑顔。
お茶やケーキまででてくるほど、ご機嫌です。

いざ、戸籍謄本を取り寄せてみると……

ん?

んん?

ーーーーーーーーーーーー
娘がもうひとりいるやんけ
ーーーーーーーーーーーー

こうなると、
娘様の遺産の取り分も変わってきます。


相続人は最低限の取り分はもらえる


ご存じない方が多いのですが、
相続には「法定相続分」というものがあります。

簡単に言うと、
法律で決められた最低限の相続分のこと。

例えば、
100万円を娘一人にあげたいと思っても、
法律で誰に何割は必ず配分しますよ~
と決められています。

それを変えるには「遺言書」しかありません。

誰に、
何を、
どれくらい遺(のこ)すか?

遺言書なら、
本人の意思を優先した効力があります。


リアルで見た 鬼の形相


戸籍上、もう一人いた娘は、

な、な、なんと

ーーーーー
兄嫁でした
ーーーーー

推測ですが、遺産相続を考えて、

亡くなったお父様は、長男の嫁を

戸籍上の「養子」扱いにしたのかな。。。

それとも、実は隠し子で、長男と暮らしていて

表向きは「兄嫁」??

長男と婚姻関係?

一度、戸籍書き換えた?

不思議……

でも、聞けない。

だって、わたし、

ただの銀行員だもの。

聞けねーわ(笑)


と、なると相続できる子どもは2人ではなく、
3人になります。

・兄
・実娘
・義理の姉(妹?)

戸籍謄本をご覧になった娘さまは

「あ、あ、兄嫁じゃなかったの?!
 あんなひとに1円もやらないわっ。
 おばあちゃんの面倒も見ない、
 顔も見せに来ない。
 冗談じゃないわよ!」


激怒です。

鬼の形相。

はじめてみたよ、リアル鬼の形相(笑)

火曜サスペンスも真っ青だ。

ニコニコと、
ケーキを出してくれたご婦人はどこへやら。

目は吊り上がり、つばも飛ばす。

マジ激怒。

人間は、お金が絡むと豹変しますね。

オバケより、

ゴキ〇リよりも、

人間が一番怖いです。

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