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実は秋も旬!ハモの選び方

初夏の魚、ハモ。6月、7月あたりに割烹や懐石のお店に行くとよく出てくる食材です。骨切りをした身を湯引きにしたり、天ぷらにしたり。ふわふわで淡白な白身を食べると季節を感じる方も多いと思います。
ですが、実は秋もハモの旬なのです。夏のハモよりも脂がのっていて、弾力性のある食感が楽しめるため、秋のハモのほうが好きだという方もいます。
今回はそんなハモについてご紹介します。

出雲の主人、大谷によるとハモは魚体、調理、調味料の組み合わせで皆さんが思っている以上の可能性があるとのこと。
例えば魚体。大谷は1キロ前後のハモを使うことが多いそう。脂ののりや身の食感などが本当に美味しいのはこれくらいのサイズだといいます。小さいものだと400-500グラムのものも市場に出回っていますが、これは骨切りなどの調理が簡単な代わりに、味の面では一歩及ばないのです。
ちなみに500グラムくらいまでは柳包丁でも骨切りできるそうですが、1キロ前後になると専用の包丁と技術が必要になるため、和食のお店でもあえて大きな魚体は扱わないところがあります。

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また、産地によってもサイズや味わいが大きく異なります。
ハモは食べているものと棲んでいるエリアの海流の速さで味わいが決まります。具体的には甲殻類を食べていて、海流が早くないところのハモは美味とされています。逆に沖合にいるハモは餌となる甲殻類が少ない上に、海流に揉まれているため、骨が太くて身が固くなりがちです。

美味なハモの代表的な産地しては韓国・済州島が挙げられます。とにかく甲殻類をよく食べており、魚体が金色でサイズも大きく高級品です。しかしハモは元来どう猛な魚であり、ケース単位で購入すると輸送中にそのうちの何匹かは傷だらけになってしまうため、なかなか使えないそうです(使えるが、その分割高になってしまう)。
京都の料亭などで出てくるものは淡路島・小豆島近海など瀬戸内海で上がったハモが中心です。瀬戸内海は甲殻類が多く、海流も比較的穏やかなので、美味しいハモが獲れることと、京都までの輸送も比較的短時間(=ハモが傷つきにくい)からです。

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そして実は三河湾・伊勢湾でも良質なハモが獲れるのです。湾なので海流は比較的穏やかで、伊勢海老に代表されるように餌となる甲殻類も豊富なので、瀬戸内海産に比べると知名度は劣るものの味は十分美味しいのです。大谷の店、出雲は名古屋にあるので、なるべく地元の食材を使いたいという意向もあり、三河湾・伊勢湾のハモを仕入れています。

出雲ではこのハモを使ってハモ鍋やハモすき焼きを提供しており、次回はこの紹介をします。(本当はもう一品、ハモを使った素晴らしい料理があるのですが、こちらはお店に行ける方のみのお楽しみと言うことで)

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