身体中がぴりぴりする。
こんな夜は昔のことばかり思い出す。
昔ハマっていたゲーム。昔よく聞いてきた音楽。昔の自分の事。

当時不登校だった自分は、ひたすらに意味の無い時間を過ごしていた。
夜遅くまでゲームをし、ニコニコ動画を見る。
当然、生活リズムは乱れ、夜が中心の生活になる。
夜。なぜ夜になると気が沈むのだろうか。

過去の自分の記憶を呼び起こしていると、不思議と身体中がぴりぴりとする。未来を無視している罪悪感なのか、思い出したくないものを掘り返している自分への防衛本能なのか。いずれにしても、このぴりぴりとした感覚は、痛くも心地よい。

不登校だった頃も、罪悪感で心が蝕まれていた。
中学の頃は「充電中」と言い訳をし続け、高校は…覚えていないがとにかく通うことが出来なかった。
とにかく罪悪感はあるが、それで学校に行けるようになる訳でもない。当時のこの自分が甘えていたのか、本当にどうしても学校に行けなかったのかは今でも分からない。

このぴりぴりはその時の罪悪感やどうしようもなさのような感情が呼び起こされた痛みなのだろうか。
泣きそうでも涙が涙腺の奥で詰まるような感覚。

正直6年ほどあったはずの不登校期間の記憶はほとんどない。高校受験の合否がわかった時と、出席日数が足りなくてその高校を辞めた日の事。それ以外のことは曖昧にしか覚えていない。それほどまでに中身のない毎日だったのだろう。

この込み上げてくる涙は、どの感情によるものなのだろうか。いつまでたっても目の表面には到達しない。
いっそ大声を出して涙が枯れるまで泣けばすっきりするのだろうが、何に対して泣けばいいのかが分からない。

たった今、ぴりぴりとした心地良さが消えた。蓋をした記憶から神秘性が去り、今の自分だけが残った。
部屋には現在の自分がいる。

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