ストローで飲料の“味わい”は変わるのか?
こんにちは!味香り戦略研究所です。
今回のテーマは「ストロー」です。
近年、環境負荷軽減のためプラスチック使用量削減を目的に、プラスチック以外のストローも増えました。使い捨てなら紙製だったり、再利用を考えたステンレス製だったり、専用のブラシもセットになったマイストローも見かけます。
ストローを使うには必ず口に含むし、舌も当たることがあります。さらに、飲み物はストローの中を通って口の中にやってきます。
では、ストローが変わると飲み物の“味わい”も変わるのでしょうか?
実験してみました!
今回は「官能評価」といって、人間の感覚のよる比較試験を行いました。
プラスチックストローを基準に、紙製ストローとステンレス製ストローで飲料の味・においの感じ方が変化するのかを検証。
結果は「変化あり」!
試験に挑んでくれた方のコメントも一緒にご紹介します。
材質違いのストローで「強炭酸水」を飲んだら
強炭酸水では「酸味・キレ」の項目に差が出ました。
紙製ストローは「紙の味やにおいがした」というコメントがあり、炭酸水が無臭であることから紙のにおいなどが違和感として捉えられ、炭酸に期待する爽快感が損なわれたのではと考えられました。
逆にステンレス製のストローでは「酸味・キレ」が強く感じられるという結果でした!金属製のストローは冷たい飲料が口に近づくにつれてストローの温度も下がり、ひんやりとした温度感により「味が引き締まって感じた」ということです。
材質違いのストローで「緑茶」を飲んだら
緑茶では「香り」への言及が多く見られました。
紙製ストローは香りが弱く感じられるという結果ですが、緑茶を飲もうと息を吸い込むことで先にストローの紙のにおいを強く感じたため、その後の緑茶そのもののにおいは相対的に弱く感じられたのではと推測されます。
一方で変化はあるものの、紙も植物から作られているためか「馴染みがよい感じがする」というコメントがありました。緑茶とは相性がよい素材かもしれません!
ステンレス製ストローは「香りの強さ」に大きな差はありませんでしたが、「香りの質」については「質が異なる」「混ざりあった独特のにおい」とのコメントがあり、緑茶らしい香りとは異なったにおいに変化するようです。
ストローと飲料の“おいしい”関係?
今回は、異なる材質のストローと「強炭酸水」「緑茶」の組み合わせを試験しました。
ストローの材質により飲料の味わいが変化するのではないか、という結果が見えましたね!
個人的にもこの結果は納得ですが、さらに紙製とステンレス製のそれぞれ異なる変化があった点もおもしろい実験でした。
プラスチック製品の代替として選んだストローでしたが、“飲み物とストローをコーディネートする”と考えると、ストロー選びも楽しめそうです。
もっと積極的に、香りで印象を変えるストローなんて素敵かもしれませんね!
今回のような官能評価のほかに、感性工学機器を使った分析なども実施しています。「食分析レポート」マガジンからご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました!