“デカフェ”緑茶の味わいを味覚センサで検証!
眠いけど、もうひと頑張り!
そんなときに頼れる相棒であるコーヒーやエナジードリンク。これらにカフェインが含まれているのは有名な話ですよね。ほっと一息…というイメージもある緑茶にもカフェインが含まれています。
カフェインには、摂取しすぎたり、摂取する時間帯によっては頭痛を引き起こしたり、睡眠の妨げになるなどのデメリットも。そのため、近年では本来カフェインを含んでいる飲食物からカフェインを取り除くなどした「デカフェ(decaf)」が注目されています。
ここで、記事を読んでくださっている皆さんに質問です。
緑茶とデカフェの緑茶、果たして味は違うのでしょうか?
というわけで今回は、伊藤園「お~いお茶カフェインゼロ」とキリン「生茶デカフェ」の2商品をデカフェの代表として分析、カフェインを含む通常の緑茶と味データを比較します!
データを比べてみたところ、デカフェの緑茶もいつもの緑茶として違和感なく楽しめそうな味になっていました。カフェインを減らしたいと考えている方は、一度デカフェを選んでみてはいかがでしょうか?
緑茶と”デカフェ”緑茶の味データをマップ化
分析した8品の平均値を基準(ゼロ)として、苦味と渋味をグラフに示しました。
「お~いお茶カフェインゼロ」が右上に飛び出ているのが目立ちます! ほかの商品に比べて苦味も渋味も強くなっていることがわかりました。味わいがしっかりしていると考えられます。
もうひとつのデカフェ緑茶の「生茶デカフェ」は平均にも近い位置になっています。カフェインを含む通常の緑茶と同じような味わいと予想されるので、いつもの緑茶として違和感なく飲める味でしょう。
「伊右衛門 濃いめ」は、名前に反して苦味、渋味のどちらも控えめという結果でした。もうひとつのグラフでも注目してみてください。
味の余韻のデータをマップ化
先のグラフと同様に分析品の平均値を基準(ゼロ)としたマップですが、こちらは苦味の余韻と渋味の余韻として、一度ゴクリと飲み込んだ後の味わいのデータを示しています。
苦味と渋味の強さが特徴的な「お~いお茶カフェインゼロ」ですが、余韻のグラフでは一転して苦味の余韻、渋味の余韻とも控えめな味わいでした。
合わせて考えると、「お~いお茶カフェインゼロ」は飲んだときは苦味・渋味がありインパクトが強いながら、後味はすっきりとした味わいに感じられるでしょう。
「生茶デカフェ」は渋味の余韻がやや控えめなものの、苦味の余韻はほぼ平均値となりました。余韻もやはり、平均に近い味わいという結果です。
「生茶デカフェ」は、カフェインを含む通常の緑茶と近い味わいで、飲み慣れた緑茶として楽しめる味わいになっていると考えられます。
さて、「伊右衛門 濃いめ」はというと…余韻のグラフでは、渋味の余韻が強い! ということがわかりますね。
飲んだときの苦味と渋味は控えめながら、特に渋味の余韻がしっかりある、飲み込んだ後も味の余韻が楽しめるバランスになっているのではないでしょうか。
まとめ
今回分析した”デカフェ”緑茶はそれぞれ異なる味わいになっていましたが、通常の緑茶と比べて極端な味の違いやカフェイン量によると考えられる味の変化はありませんでした。”デカフェ”緑茶は緑茶の味わいはそのままに、健康志向が高まっている社会のニーズに応えるための商品なのではないでしょうか。
メーカーサイトによるとカフェイン量を減らすための工程もそれぞれに違いがあり、キリン「生茶デカフェ」は独自技術が使われているなど工夫が重ねられています。各社の取組みや市場の動向など、今後気になるカテゴリです!