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世界最速!?ボジョレーヌーボー味分析!2021年は2014年と類似 天候不良下での当たり年

味香り戦略研究所では、創業(2004年)以来15年余りにわたり、毎年、ボジョレーヌーボー(以下BN)の代表製品の味覚分析を実施してまいりました。そして、本年も解禁日に合わせ、味覚分析を実施いたしました。

昨年度に続き、長期化するコロナ禍の中での新酒。今年は、天候不良により病気なども増えたことで収穫量が大幅に減少し、環境問題の懸念を身近に感じる一本になったのではないでしょうか。BNの代表銘柄「ジョルジュ・デュブッフ(以下GD)」の2006年から2021年の味わいの軌跡と歴代の味わいの比較から傾向を読み取りました。

【図1】2021年味バランス(標準化)と類似年度

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【図2】GDBN2020の酸味・渋みの変化

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【図1】は、今年のGD(ジョルジュ・デュブッフ)BN(ボジョレーヌーボー)の味わいのバランスを、歴代の製品と比較したものです。今年は昨年に比べると、熟成に耐えうる指標の酸味・渋み(【図2】参照)の大きな変化はありませんが、複雑さや渋味の余韻が加わったことで、飲んだ瞬間の苦味・複雑さのインパクトと、飲んだ後の長い余韻が特徴的です。昨年度は16年間の測定の中で最も平均的な味わいであったことからも、今年はキャラクターを感じさせる出来であり、熟成すれば素晴らしいワインへ変化する可能性が高いと考えられます。類似年度は2014年であることから、程よく熟成し始めた14年度のものが参考になるのではないでしょうか。

【図3】2021年市販品の味わい分布

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【図3】には市販品の測定データを示しました。A(アルベール)ビショーBNとラブレロワBNはしっかりとした酸味があり、BVN(ボジョレーヴィラージュヌーボー)系は酸味が控えめであることから、より限定された村(産地)の特徴が現れているのではないでしょうか。

ボジョレーイベントの最盛期に比べ、今では一部揶揄される面もありますが、このような機会は農産物の出来(天候・土地の状態)を評価・顧みることができ、環境問題やSDGsへの課題提起にもつながる取り組みになっているのかもしません。

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