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決め手はスパイス!? クラフトコーラの味わいとは!

“クラフトビール”や“クラフトコーヒー”など、最近よく耳にする「クラフト」という言葉。その中でも今回は「クラフトコーラ」について深掘りしていきます!

スパイスやハーブ、柑橘類などを組み合わせて作られるクラフトコーラですが、最近では専門店の登場や、家庭で簡単に作れるようなキットが販売されるなど、市場として大きな広がりを見せています。
また2021年に「ペプシコーラ」ブランドからスパイスにこだわった“ペプシ<生>”が発売され、今後の動向が注目されています。

そんな「クラフトコーラ」の味わいを解剖してみます!

クラフトコーラとは

「クラフト」とはどういう意味なのでしょうか?

クラフトは本来、技能や手芸といった意味を持ちます。そこから、こだわって少量生産で作られた商品をクラフト〇〇と呼ぶようになりました。つまり「クラフトコーラ」とは大手飲料メーカーが大量に製造・販売するコーラではなく、小規模に生産されるコーラを指し、スパイスやハーブ、柑橘類などこだわりが表れる飲み物になっています。

そもそも「コーラ」とはどんな飲み物なのでしょうか?

本来のレシピはコーラの実から抽出したエキスにスパイスや柑橘を加えたシロップを作り、炭酸水で割ったものになります。現在はコーラの実のエキスが含まれていないのが一般的で、代わりに様々な香料や調味料が含まれています。

「クラフトコーラ」はスパイスの味わいを強調したものが多く、好みによって使うスパイスや柑橘類を変えることでさまざまな味わいを楽しむことができます。

クラフトコーラ流行の背景は?

日本でのクラフトコーラの先駆けは「伊良いよしコーラ」と言われています。

2018年にブランドを立ち上げ、世界初ともいわれるクラフトコーラの専門店を開きました。急激なクラフトコーラの成長の背景にあるのは、量より質を求める消費者が増えてきていること、求められる商品が多様化していること、健康志向の増大に伴うスパイスブームの到来などが考えられそうです。

さらにコロナ禍によっておうちで自分の好みに合わせてスパイスを組み合わせてクラフトコーラを作る人が増えたことにより、SNSなどを通じて知名度が上がったことも要因の一つと言えそうです。

クラフトコーラの味わいを分析してみた!

今回はペプシコーラを基準として、ペットボトル入りの商品と炭酸水で割るシロップタイプの商品を味分析してみました!

実験概要 2021年8月調査
ペットボトル入り:「ペプシ<生>」、「成城石井クラフトコーラ」
シロップタイプ:「KALDIドライクラフトコーラ」、伊良コーラ「JAPAN EDITION」「DREAMY FLAVOR」
基準として「ペプシ」を使用。味覚センサを用いて味分析を行った。


[図1]

図1は味の複雑さ(苦味や雑味)と酸味のバランスを示しました。

ペプシコーラと比べると、クラフトコーラは全体的に味がより複雑であり、酸味が強い傾向にあるようです。クラフトコーラのスパイスや柑橘などの原料からくる味わいが全体的に爽やかな印象を与えているのではないでしょうか。酸味が強いことでより爽快感がありキレのある味わいを楽しめると考えられます。

また、シロップタイプの商品はペットボトル入りの商品よりも味の複雑さが強く、スパイス感がより強い味わいだろうと想像できます。スパイシーで香り豊かな味わいになっていそうですね。

ペプシ vs ペプシ<生>

[図2]

図2では「ペプシ<生>」がペプシコーラに対してどのように味のバランスが違っているかを示しました。

「ペプシ<生>」は従来のペプシに比べて酸味が強い味わいでした。「“生コーラスパイス”を配合し、爽やかな飲みごたえと後切れを楽しめる」とメーカーニュースリリースにもあるように、従来のペプシよりもすっきりとした味わいだと言えると思います。少し暑い日にさっぱりリフレッシュできるような味わいが期待できそうです!

(参考)サントリー食品インターナショナル ニュースリリース No.SBF1119(2021/5/17)
https://www.suntory.co.jp/softdrink/news/pr/article/SBF1119.html

これからの「クラフト」

今回、クラフトコーラの味分析をしてみて、やはり「クラフト」は一般的なコーラとは異なる味わいのバランスや個性があることがわかりました。作り手のこだわりを詰め込んだ「クラフト」な商品は少量生産ならではの独自性で消費者を魅了しているのではないでしょうか。

コーラをはじめとして、ビールやコーヒーなど様々な分野で登場している「クラフト」。これからより広いジャンルでますます「クラフト」商品が登場しそうですね!


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