頼むから話かけないでもらっていい?

間違った入学をしてから半年が経った。毎日長く退屈な日々だが、既に1/6が終わったとも言える。

リフレーミングというらしい。コップの水、残量は半分。もう半分しか無い、或いはまだ半分ある、みたいなやつだ。

改めてフレーム形成を行うみたいな。社会に出ても使えそうな考え方だ。

知ってる大人は多少得して、知らない大人は多少損する。その程度の事なのかもしれないが。小手先の技術みたいなのはどうでもいいけど。

間違いに気付いた際、これからの退屈な学校生活をいかに過ごすかを考えた。

人と話すのはどうしても苦痛なので、本を読む事にした。
本を読んでれば多分誰も話しかけて来ないだろう。毎日そんなんしてれば3年なぞ、あっと言う間だろうし、その方が楽だと思ったからだ。

中学3年の時に、初めてマンガ以外の本を読んだ。コンビニで買った、ある芸人さんが書いた本だった。
衝撃を受けた俺は、読書感想文の題材にした。国語の先生に「マジメにやれ」と怒られた。このオッサンとは2度と喋らんと思った。俺は真面目そのものだ。

このオッサンのマジメと、俺の真面目は、発音こそ一緒に聞こえても、似て非なるものなのだろう。あと誰に言われるかによって受け取り方は違う。少なくともこのオッサンは人生がつまらなそうだった。そんな人に上から言われても俺の鼓膜は揺れ動かない。

俺にとっての読書の原体験を馬鹿にされた様な気がしたし、日本語を教える立場の人間が、言葉選びにデリカシーもなく、絶望したものである。
まぁ最初から全ての教師に過度な期待なぞしていなかったが、この程度の言葉選びもできないもんかと、改めて愕然としただけだ。

最近同じコンビニで、違う本を買った。
SFというか、今回はサブカル的な内容だ。こういう文章を書いて生きてる大人もいる事に少し憧れる。
内容も楽しみだが、これでいつも本を読んでて近寄りがたいので誰からも話しかけられる事もなく、誰とも関わらなくてもいいキャラを確立出来るかもしれない。

学校生活に少しの楽しみが出来た。



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