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自己研究 総括編 むかしむかしとカードの対策について

どうもこんにちは。僕です。
本日は『むかしむかし』について筆を取らせて頂こうと思います。

もしここは違うのではないか?とお思いになった方がおられましたら、是非コメントください。全てが学びに繋がります。筆者が喜びます。

記事前半では『むかしむかし』について、記事後半には純正エルフにおけるオークの弓使いの対策カードについて解説します。よろしくお願いします。

はじめに

『むかしむかし』がデッキに必要であるかについてのみ研究してみました。研究した背景に私個人が採用理由を明確に言語化できていなかった事、「ELFにむかしむかしは不採用でも良いのではないか」という問いに反論できていなかった事、主な2つの理由が挙げられます。
従って、この1枚の濾過カードについて掘り下げて考察していこうと考え、この記事を書いてみようと筆を取った次第です。

それでは、『むかしむかし』のテキストを下に掲載した上で話を進めていきたいと思います。

Once Upon a Time / むかしむかし (1)(緑)
インスタント
この呪文があなたがこのゲームで唱えた最初の呪文であるなら、あなたはこれを、これのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。
あなたのライブラリーの一番上からカードを5枚見る。あなたはその中からクリーチャーか土地であるカード1枚を公開してあなたの手札に加えてもよい。残りをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。

MTG Wiki より

むかしむかしの強さを歴史から探る

採用デッキと採用枚数

まずは現状把握と過去の使用履歴から調べてみる事にしました。しかし、スタンダードは2019/11/22に。パイオニアは2019/12/03に。モダンは2020/03/10に禁止指定とされていた為、エルドレインの王権発売日である2019/10/04から使用期間が短いスタンダードとパイオニアを除き、モダン、レガシー、ヴィンテージの3フォーマットでむかしむかしの採用枚数を晴れる屋のデッキ検索から調べてみる事としました。当然この調査方法では0枚採用のアーキタイプは調べられませんが、一度この問題は置いておく事とします。

以下に検索ページを掲載しておきます。

https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/result?pageSize=&eventName=&formats%5B2%5D=2&formats%5B3%5D=3&formats%5B4%5D=4&archetypeIds=&dateFrom=2019%2F10%2F04&dateTo=2023%2F10%2F12&capacityFrom=&capacityTo=&card=むかしむかし&player=&eventName=&grades=grades&public_status=private

2023/10/8現在、むかしむかしの採用件数は4479件でした。フォーマット毎に今回は有名なアーキタイプに限定し、平均的な採用枚数(少数第2位繰り上げ)で算出してみました。

モダン(2019/10/04〜2020/03/10)
・アミュレットタイタン 3.9枚
・土地コントロール 3.8枚 
・感染 3.9枚
・ドルイドコンボ 3.7枚
・ヨーグモス医院 3.6枚
・緑トロン 1.8枚
・エルドラージ 3.7枚
・ネオブランド 2.6枚
・グルールムーン 3.4枚

レガシー (2019/10/04〜2020/12/31)
・マーベリック 3.8枚
・post 3.9枚
・ELF 3.2枚
・ホガーク 2.1枚
・デプス 3.4枚
・エルドラージ 3.1枚
・Cephalid Breakfast 2.8枚

レガシー (2021/01/01〜2021/12/31)
・マーベリック 2.8枚
・post 3.8枚
・ELF 1.8枚
・デプス 3.1枚

レガシー (2022/01/01〜2022/12/31)
・マーベリック 3.0枚
・post 3.2枚
・職工ELF 3.1枚
・ELF 3.1枚
・デプス 2.8枚

レガシー (2023/01/01〜2023/10/8)
・職工ELF 3.7枚
・ELF 2.3枚
・post  3.1枚
・マーベリック 2.7枚

ヴィンテージ (2020/01/01〜2020/12/31)
・ヴァイン 3.9枚
・ピッチホロウ 3.6枚
・人間アグロ 2.7枚

ヴィンテージ (2021/01/01〜2021/12/31)
・ヴァイン 3.1枚
・ピッチホロウ 2.2枚
・デスタク 2.8枚(人間アグロと同デッキ)

ヴィンテージ (2022/01/01〜2022/12/31)
・ヴァイン 3.9枚
・ピッチホロウ 2.5枚
・人間アグロ 4枚
・墓荒らし 2.3枚

ヴィンテージ (2023/01/01〜2023/10/08)
・ヴァイン 3.9枚
・イニシアチブストンピィ 4枚
・人間アグロ 4枚

モダンでは多彩なデッキが活躍している中で緑を含むクリーチャーデッキや土地コンボを中心に採用されていました。一方で感染にほぼ4枚採用されてました。採用枚数が約4枚であることから、初手7枚の中に感染持ちのクリーチャーを手札に加えたいという狙いか考察できます。
発売後の環境初期には緑を含むデッキ全てに採用されていましたが、環境が進み、禁止直前になるとエルドラージやアミュレットタイタン、グルールムーンを中心に採用されていきます。
こちらはむかしむかし単体のカードパワーではなく環境の変遷で採用するカードが固まった結果だと考えられます。
また、同時期にむかしむかし以外に緑の呪文が存在しないデッキでも採用され、2マナでのキャストが考えられていないデッキ構築存在していました。
数ターンで勝負を決められるデッキであれば、2マナでむかしむかしを唱える前に勝負が決まってしまうからでしょう。

一方で、レガシーは採用されているデッキか固まっている様に思えます。デッキの安定性を高めた上でコンボを放ってくるモダン環境と比べ、willによるピッチ妨害がある点、超高速コンボがむかしむかしを使うデッキよりコンボ速度が速く有利な点から、むかしむかしのパワーでは勝ちきれなかったのではないからと考えられます。
Cephalid Breakfastは環境初期こそむかしむかしを採用していましたが、環境が進むにつれ、採用枚数は減っていました。また、こちらもモダンと同様、土地コンボとクリーチャーコンボによく採用されていました。
ヴィンテージもデータは取りましたが、ほぼ同一人物による掲載デッキもあり、正確なデータではないかもしれません。人間デッキに関してですが、緑マナを捻出できる土地が3枚程度と少なく、ピッチでの運用を重視している様に考えられます。
続いて枚数の記録を見ていきます。モダンは環境のデッキが多すぎる為、一部デッキでは枚数の変遷は確認していませんが、発売後から禁止になるまでどのデッキも同様の採用枚数をとっていました。
レガシーは基本的に採用枚数は減少方向にあるものの、一部デッキは増加傾向にある結果となりました。が、増加傾向があったデッキを調べてみた所、一時期で急激に増えており、1人のプレイヤーが勝利し続けているデッキと同様のリストが多い印象がありました。この事から、プレイヤーが各々調整した結果の枚数ではなく、環境で勝っているデッキを使用した結果による枚数だと考えられます。こちらも興味深いデータがとれたのではないかと思います。

まとめると
・土地コンボやクリーチャーコンボ等のデッキで使用されていた。
・緑を含むコントロール調のミッドレンジデッキでも採用されていた。
・ピッチの効果を重視し、緑マナを採用していないデッキも存在した。
・基本的に採用枚数は横這い以下になる。
以上の点が分かりました。

禁止理由

続いて、禁止理由からこのカードの強みを理解していこうと考えました。強みを知る事は同時に弱みを知る事に繋がり、本質を知る事に繋がります。その強みがレガシーで活かせられるのであればこれからも採用していくべきですが、強みが無いのであれば不採用にするべきだと私は考えます。

以下が公式の禁止声明です。

スタンダード

ここ数週間に渡ってスタンダードのメタゲームは不健全な状態が続いたため、我々はそれを修正するため大規模な対策を講じます。主要な問題点は2つあり、《王冠泥棒、オーコ》を特徴としたシミック系食物デッキによる環境の支配と、競技メタゲームにおいて基本的に緑が多すぎることす。

緑の支配に対処するために、我々は《むかしむかし》と《夏の帳》も環境から取り除くことを選択しました。《むかしむかし》は《王冠泥棒、オーコ》と並んでこの環境に緑が蔓延した主な理由の1つです。このカードは強力な初動の高い安定性に貢献し、他の色ではできない高いレベルで序盤のマナ基盤を提供します。このアドバンテージはマナ基盤に柔軟性が少ない5セットのカード・プールのスタンダードの状況下においては特に重要です。MTGアリーナのデータは《むかしむかし》を取り除くこともしなければ緑のデッキは今後も引き続き強力で安定性を持つと示しています。

2019年11月18日 禁止制限告知 より


パイオニア

 ここ数日に渡って、Magic Onlineの「Pioneer week」の一部として一連のパイオニアPTQが開催されました。これらのトーナメントの結果とリーグから得られたデータはさらなる競技の圧力下で環境がどのように進化していくのかを表していました。

 その結果は有望であり、ここまでの変更はこのフォーマットを良い方向へ向かわせているように見えますが、我々のデータはメタゲームがより良いバランスに到達することを阻害している3つの突出した問題があることを表しています。その問題とは、

《密輸人の回転翼機》を全面に押し出した黒単アグロおよびその他のアグレッシブなデッキの強さ。
《死者の原野》ランプ・デッキによるコントロールと対応型デッキの抑圧。
《むかしむかし》を成功の主な共通要素とした緑のデッキの全般的な流行と支配。
 結果として、我々は《密輸人の回転翼機》、《死者の原野》、《むかしむかし》をパイオニアで禁止することを選択しました。これらの変更がアグレッシブなデッキの多様性を高め、メタゲーム内での対応型およびコントロール・デッキの役割を明確にし、競技的なデッキの色のバランスを良い方向へ向かわせると考えています。

2019年12月2日 パイオニア禁止告知 より

モダン

 ここ数か月で、《むかしむかし》はモダンで最もプレイされているカードの1枚となり、いくつもの最も普及率が高く勝利しているデッキに貢献してきました。《むかしむかし》のもたらす安定性はメタゲーム内の他のデッキと比較してはるかに安定した序盤のゲームプランの成立を可能とし、ゲームプレイの進行の多様性を損なう結果になりました。将来的に、《むかしむかし》はクリーチャーや土地に基づいたコンボを簡単に揃えることができてしまうというデザイン上の制約を引き起こします。多様性のあるゲームプレイを促進し将来のリスクを軽減するため、《むかしむかし》はモダンで禁止となります。

2020年3月9日 禁止制限告知 より

パイオニアの禁止告知において、『むかしむかし』が環境でどのようなカードであったかは明記されていませんでしたが、緑のデッキが環境でメタ上位になる原因である事は分かりました。
一方、スタンダードとモダンでは初動の安定性が可能であり、ピッチで唱えた時にデッキが機能し過ぎる事が強すぎるという点で禁止しているのです。

振り返りまとめ

以上の点から、むかしむかしの強みとは『0マナで唱える事でプレイヤーの理想的な初動になりやすい』事にあるようです。

2マナで唱える事に関しては触れられていませんでしたし、モダンでは2マナで唱える事を考慮しないデッキも存在していました。従って、むかしむかしが現在のレガシーでも採用されている理由は、『0マナで唱える事でデッキの初動を安定させる』ことにあるようです。

この理屈であるならばレガシーでの採用枚数が4枚から次第に3枚採用へと減少した理由も判明してきました。『0マナでのキャスト』がオーバーパワーであるならば、『初手には持っておきたい、でも複数枚は必要無い』からです。
2マナでのハードキャストは流石にレガシーでは重たいアクションです。衝動が積極的に使われていない事がこの証明になるでしょう。

そのため3枚採用のデッキが増えたのでは無いかと考えられます。

採用枚数については過去から議論されています。下にGavin Verhey氏が発表している枚数判断に取り掛かるための基準となる戦略記事、八十岡翔太氏が述べているコントロールにおける枚数採用基準が記載された記事を引用、掲載しています。

デッキにカードを4枚入れるなら、序盤でそれを複数枚引いてしまう可能性があることを受け入れなければならない。3枚にしておけば、その問題をいくらか抑制できる。

デッキ的にそれを1枚引くのは素晴らしい――しかし2枚目を引くと、それはたいてい無駄カードになる。3枚引いたら大問題だ!

そのカードを序盤に2枚以上引きたくない場合、3枚は検討に値する数字だろう。

三人寄れば より

4枚採用なら、4枚も入れる理由は単純明快、それをできる限り引きたいからだ。3枚採用は、手札に来てほしいが、できれば複数枚は引きたくないものだ

二つで十分 より

「コントロール系デッキでの話になりますが、

・4枚入っているカード:絶対初手に引きたいカード or 序盤に3枚以上引いても嬉しいカード。 (例:《苦花》、《対抗呪文》)

・3枚入っているカード:初手にあると嬉しいが複数枚いらないカード or ゲーム中2回以上使いたいカード。 (例:《マナ漏出》、《神の怒り》系)

・2枚入っているカード:中盤、後半に1枚欲しいカード。 (例:《龍王シルムガル》、《奔流の機械巨人》)

・1枚入っているカード:ゲーム中1枚は引きたいが2枚目を絶対引きたくないカード。 (例:《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》、《死の宿敵、ソリン》、《ソリンの復讐》)

もちろん例外はありますが、こんな感じです。ただ除去の枚数が散っている場合などは少し別の話になります。 (例:《究極の価格》2枚、《闇の掌握》2枚は、除去の枠が合計で4枚で、そこから環境に合わせて選ぶという感じ)」

教えてヤソ先生 「グリクシスコントロール」編 より

キープ基準が緩くなる?

結論から言いますと、緩くなりません。

かなり極論な話を今からします。

まず、メイン戦、相手は赤黒リアニメイトと判明、かつこちら1本落としている状態です。

次にこちらのサイドボードに忍耐が4枚あるので全てサイドinしました。

2本目開始、7枚を確認すると充分な土地と妨害性能は持たないスペル、そしてむかしむかし1枚がハンドに来ました。尚、使用しているデッキに赤黒リアニ相手にクリティカルな有効カードは忍耐のみとする。

このハンドをキープするのか、僕ならしません。忍耐がハンドに来るまでマリガンします。

むかしむかしから忍耐が見つかればその7枚は戦えるハンドになりますが、見つからなければ赤黒リアニ相手に墓地対策無し、カウンター無し、ハンデス無しで戦うようなものです。が、これはあくまで忍耐が4枚しか無ければの話です。仮に更にデッキにカラカスが4枚入っている、死儀礼のシャーマンが4枚入っている等であれば、もしかしたらキープするかもしれません。

ただ伝えたかった事は、むかしむかしがキープ基準にはなるかもしれないが、欲するカードになり得ない裏目が存在するので、注意が必要であるという事です。裏目になるならマリガンしましょう。そうでなければキープです。

それを踏まえた上で純正エルフにむかしむかしって必要なの?

必要です。特にメインボードは0マナで唱えたむかしむかしが裏目になる事がほぼありません。初手7枚の中に土地は0〜1枚だがむかしむかしはある、のような時位です。

似た効果を持つカードが採用されている純正エルフだからこそ裏目が少ないと言えます。また、このデッキは初手にクレイドルが存在するかどうかでパワーに差がグッと出るので、クレイドルの初手率を上げるという理由で採用したいです。パワー差のイメージとしては、デスタクの初手に薬瓶があるか無いか位の差があります。

むかしむかしがアトラクサのサーチ先になるから採用する、というは考えはあまり良くありません。なぜなら、それはむかしむかしがインスタントであるから強いのではなく、アトラクサが出ているから強いのです。
アトラクサを出す為の工程としてむかしむかしが必要なら採用するべき理由に当てはまるとは思います。

エルフ村はオークの弓矢に滅ぼされるべきか

ここから記事後半になります。私が純正エルフを使う上でオークの弓使いにカード採用の形でどう対応していくか、どのようなカードを採用したかを解説していきます。

森の頌歌

緑限定のロード効果はオークの弓使いの1点に強いですが、カード自体がエンチャントである為評価としてはあまり高くありません。
何故エンチャントである点が低評価に繋がるかという話になりますが、純正エルフというデッキは盤面にクリーチャーを展開してマナを生み出し、相手とのマナ差を活かしてテンポ差をつけていく事が基本的なデッキの動かし方です。
しかしこのカードはクリーチャーでは無いため、遺産のドルイドや樺の知識のレインジャーからマナを出す頭数になりません。このデッキの重要部分である、『マナを生み出す』に全く関わらないのです。
それではロード効果を活かしてフィニッシャー要素になるのかと言いますと、そこまで強い訳ではありません。1/1のエルフを森の頌歌で+1/+1修整をかけたとて、相手が黒+1マナを構えられていると殴りにいけません。オークの弓使いに1点入れられ、1/1のトークンにブロックされてしまいます。イラクサの歩哨だけは殴りに行けますが、単体のタフネスが2である以上そもそもオークに耐性があるのであまり関係がありません。

グリンパスがオークの弓使いに弱い為、グリンパスを全抜きし、森の頌歌を採用して占術でtop操作する型もありますが、あまり推奨しません。
まず、グリンパスはエルフにおいて簡単に勝負付けが出来るカードです。オークの弓使いには弱いですが、他のデッキ相手にはグリンパスは強いどころではありません。
リアニメイト環境で敢えてスニークショーを使用し、メインからショー抜いてスニークだけでプレイしている感覚に近いです。リアニメイト相手にショーを唱えるとリアニメイト側からデカブツが出て詰みかねますが、他デッキ相手にショーを唱えるとスニショ側がグンと勝利に近付きます。
森の頌歌を優先してまでグリンパスをエルフから抜く事は良く無いのではと考える理由です。

領界渡り

未来予知なのでオークの弓使いのドロー阻害能力に引っかかりません。また、タフネスが3かつエルフでもある為、盤面に存在するだけで意味があります。

一方でエルフで採用するに際し、クリーチャータイプの指定先が『エルフ』になるのですが、そもそも採用されているエルフの枚数が20枚前後しかない為捲れない可能性の方が高いです。その為、戦場に送り出したは良いものの、ライブラリーTOPにエルフが捲れずにターンを跨いでしまう事が度々あります。オークの弓使いで失ったリソースを回復しようにも回復出来ない可能性があるのです。

また3マナであるためゼニスのサーチ先としては可能なマナ域なのですが、効果の都合上戦場に出したターン中にライブラリーの1番上から最低でも1枚はプレイしておきたい為実質的には4マナ域のカードであり、見た目と反してマナが重いです。

エルフである以上悪くはないのですが、リソース回復の点で不安が残ってしまう事が懸念点です。

エルフの合唱

領界渡りと比較し、ライブラリーから唱えられる範囲は領界渡りより広がりましたが、エンチャントかつ4マナと重くなっています。エンチャントとなった事でクリーチャー展開の点で引っかかりやすくなると考えていましたが、実際に使用すると自身場のクリーチャーが全て極楽鳥化するため、見た目と反してカードは軽いです。
しかし、GSZでサーチできない為、複数枚の採用を狙いたくなりますが、やはり4マナ域に届かせるマナは最低限必要となる為複数枚採用は厳しく思えます。
イラクサの歩哨と組み合わせる事で緑の呪文を唱える度に1マナ生まれるコンボが成立する点、グリストがデッキの上から唱えられる点など領界渡りでは出来ないコンボが存在します。
ハンドに来たアトラクサを素出し出来る等メリットも存在します。
エンチャントかつ4マナがどうしても重くのしかかってしまいます。

夏の帳

展開する上で重要な低マナ域の対応カードとして採用しましたが、1マナ域でも重く感じられました。理由は試合序盤にエルフを展開する事にマナを使用する為、このカードを構える為に本来エルフを展開するマナを使わないターンが出てきてしまい、試合全体で見ると大幅なテンポロスに繋がってしまうからです。
オークの弓使い有するデッキ相手に常にハンドの帳を唱えられるマナを確保しながらエルフを展開していく必要がありますが、消耗戦を強いる相手には厳しい条件です。ハンデスと除去でハンドのエルフを抜かれた上で展開する必要があるのですが、この展開用のマナは土地からでるマナが基本となります。エルフから出るマナは1マナ出るか出ないか程度です。

しかし、カード単体としてはやはり黒に強く、オークの弓使いは勿論、環境の黒ならばほぼ採用されている悲嘆への回答になり、pushにも強く出られます。青には既にアロサウルス飼いが存在しているのでオマケ程度に考えれば良いです。エルフのデッキ性に合わないカードでした。エルフはどちらかといえば攻める側のデッキです。夏の帳のような相手に対応するカードより相手に対応させるカードを採用するべきだと考えています。

オークはドローを阻害しながら除去をする、だからドロー以外の方法でリソースを稼ぐ、自軍クリーチャーに呪禁を付与し無理やりドローする。これが対策だと今までの考え方でした。
しかし、これはエルフの直接的な勝ち方と合致している訳ではありません。『テンポ差をつけて』、『殴り勝つ』事がエルフの真髄です。『ドローでリソース差を広げて勝つ』事がエルフの直接的な勝利方法ではありません。そこで私が対オークにおける対策カードは『上から殴り勝つ事』であると認識を改める必要がありました。そこで採用したカードがこちらです。

甦る死滅都市、ホガーク

召集によりエルフの展開の妨げに引っかかる辛く、オークの1点をものともせず、8点トランプルの高打点もありと、デッキのコンセプト通りかつオークをものともしない生物です。
オークと一緒に採用されやすいハンデスで墓地送りにされた場合であっても自身の効果で墓地から唱えられます。
8/8トランプルのスタッツも優秀で、丁度フル探査の濁浪の執政と殴り合える上、イニシアチブや統治者を取り返しやすいです。墓地5枚条件はGSZと相性が良くない一方で、オークやハンデスで消費されたエルフとフェッチが種となりやすいです。
戦場に出てしまえば並大抵の除去では落ちません。グリストとの相性の良さ、ハンドに来てしまったドライアドの東屋の回避先としても優秀です。

私自身も使用するデッキは対処する側なのか、攻める側なのか判断した上でのカード選択は極めて重要だと改めて気付かされました。
思考の一貫性も必要ですが、思考の切り替えもまた必要です。

最後に

いかがでしたでしょうか。
年末までに書き切ろうと考えていましたが、気が付けば年が明けてしまいました。1年って早いですね。
2023年も良い年でしたが、2024年は更に良い年にしていきたいと考えています。皆さんもご自愛ください。

それでは。

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