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自己研究 「エルフ」

本日はレガシーのエルフデッキについて筆を取らせて頂こうと思います。

もしここは違うのではないか?とお思いになった方がおられましたら、是非コメントください。全てが学びに繋がります。筆者が喜びます。

8月ももう終わりますね。残暑の厳しい季節となりますが、研究は続けていこうと思います。

オークをどう攻略するか?

2023/06/23に指輪物語がリリースされて以降、オークの弓使いの登場により環境からドローを多用するデッキは駆逐されました。

willとチャリスを使用する事で当時環境topのコンボであるリアニメイトに強い8cast、8castのクリーチャー除去が苦手である隙を突きつつカウンターを無視するアロサウルス飼いを採用したエルフ等がこれに該当します。

グリンパスを唱えれば肉を焼かれ続け、幻想家を出せば肉を焼かれ、黒による除去は継続の上サイド後はオークミラー意識で採用された疫病を仕組むものに村を焼かれるという環境でどう戦うべきか。今回はこのような記事となります。

デッキの形を変える

オークが環境に出現した後、エルフは形を分けて存続していく事となります。

  • グリンパスを抜き、エルフを増やす型

  • オークを倒す為にオークを増やす型

  • 職工エルフ

大きく分けてこの3パターンとなります。実際に筆者もこの3パターンを試してみる事にしました。

グリンパス抜きエルフ

オークの効果を最大限受けにくくする為にグリンパスを抜き、代わりにエルフとオーダーを水増しした型です。追加で加入するエルフで散見されるものは『ドゥイネンの精鋭』、『ヤスペラの歩哨』2、3枚目以降の『クウィリーオン・レインジャー』、『エルフの開墾者』etc...。

オークの1点に強くする為にタフネス2以上のエルフを採用する、もしくはブン回しを重要視し、リスク覚悟でタフネス1のエルフを採用するケースが多いです。

仮組みして回した結果

元々有利なマッチアップに負ける可能性が出た、かつブン回り性能が落ちてしまった。

クリーチャーの高速展開は相変わらずですが、イラクサを絡めたドロー展開コンボが出来なくなり、息切れしやすくなりました。また、ワイアウッドの共生虫のバウンス能力を上手く活かす事が出来なくなりました。

白単デスタクや4c系等のコントロール相手にはグリンパスを唱えてエルフを2体唱えるだけで仕事として充分なのですが、グリンパスが抜けた事で基本的に幻想家でアドバンテージを稼ぐ事となり、厳しい戦いを強いられる事となりました。4cゼニス相手の1ターン目に私がグリンパスの代わりに採用したヤスペラの歩哨を出してる時はカルドハイム環境のスタンダードをしているのかと思い、心が痛みました。

また、グリンパスを抜いてまで採用したエルフのカードパワーが低すぎました。エルフの開墾者はカードパワーの観点からして弱くは無いのですが、1ターン目に展開、2ターン目にクレイドルサーチという動きになる都合上デッキにマッチしていない事が多かったです。クウィリーオン・レインジャーは今のエルフにアンタップして強いクリーチャーが東屋しか居ない上、効果がリスクでしかないので1枚も採用したくないと感じました。(東屋が環境的に向かい風なのもあります。)

以上の観点からグリンパス抜きのエルフは力不足と感じ、次のデッキの形に進みました。

オーク採用エルフ

オークを潰す為にメインからオークを採用した型です。オークが2マナなので幻想家が数枚抜けている事が多いです。

仮組みして回した結果

悪くは無かったが格段強くも無かった。

  • メインのオークを取れる、

  • むかしむかしとオークで2つの選択肢を取れる

  • むかしむかしでオークをサーチ出来る

  • グリンパス下で唱えるとカードが引ける

  • オーク単体でクレイドルから2マナ出る

等の理由でメインにオークを採用しました。
しかし、

  • メインのオークを取れる→相手がオークを出している時にハンドにあらねばならない

  • むかしむかしとオークで2つの選択肢を取れる→そもそもエルフでインスタントタイミングで構えている時点で強い動きではない。

  • むかしむかしでオークをサーチ出来る→サイド後の話?

  • グリンパス下で唱えるとカードが引ける→クリーチャーだからね

  • オーク単体でクレイドルから2マナ出る→ドゥイネンの精鋭でも出来るよね

等、後から突っ込みが出来る解答が多かったです。デッキと相性が良いように見えて実は相性が良く無かったです。自分のリソースを増やす事がデッキとして合っているので、相手のリソースを減らすオークはエルフのデッキに合っていなかったのです。メインから特定のカードを対策する為にカードを採用する事があまり強く無いですしね。

オークだけで勝った試合もあり、オークでオークを倒して勝った成功体験もありと様々な過程はありましたが、これも失敗だと感じました。

職工エルフ

オークが登場する前から存在していた型です。現在ではクレイドルコントロール、BGcontrolとも呼ばれている事もあります。

序盤はエルフの開墾者やオークで時間稼ぎ、もしくは喜ぶハーフリング→グリストでの先攻制圧を狙います。中盤以降、お互いリソースが無くなりつつある状態で職工を投下し、アトラクサやビヒモスに繋げる形をとります。むかしむかし、GSZを4枚採用している影響でかなり再現性は高く、メインから忍耐、アウフ、アロサウルス飼いが採用されており、特定のデッキにはかなり強くなっています。

仮組みして回した結果

エルフでは無かった。

このデッキには○○が強いから〜、アレをケアする為に○○を出しておいて〜、みたいな事をしている間に気がつくと勝っています。が、エルフではありませんでした。

両デッキ共にオーダーを有する点は同じなのですが、そもそものゲームレンジもマナを出す過程もゲームメイクも全く違いました。そこまで形を変えるのであればペインターや8castのような別のデッキを使うのと変わらないのでは?と考えた為、職工エルフも諦めることとなりました。

オークを研究する

自身を見つめても研究は答えは全てNOとなりました。その為、次のstepとしてオークを研究する事となりました。

『エルフはオークがキツイ』。当たり前といえば当たり前なのですが、何故かという部分を曖昧なまま放置しておいたので明確にする工程に進みました。その結果、エルフにとってオークが厳しい理由は大きく分けて以下の3点となりました。

  • 登場時の1点除去

  • ドロー毎に1点の振り分け

『登場時の1点除去』についてですが、エルフが除去に弱いだけですね。2マナ1体除去なのでエルフにとって稲妻よりは弱い点がまだ救いです。
『ドロー毎に1点の振り分け』についてもそのままの意味です。グリンパスと幻想家が唱え辛くなるからです。こちらはドローを無視し、オーダー重視のプレイをする、もしくはシェパード中心の動きをすれば問題ありません。が、3つ目の点がこのプレイにのしかかってきます。
『黒』。結局はこの部分がエルフにとって厳しい部分でした。振り返ってみると、『オークが辛い』というより、『ハンデスと除去が多数バックで存在している上でオークが辛い』というものでした。悲嘆再活性で2枚見られた上でオークで蓋されればどうしようもありません。4ターン目まで生きる事を祈りながらデッキの上からオーダーが降ってくる事を祈るしかありません。

エルフ以外のコンボデッキも現環境で上がってきていない事もこれで頷けます。ハンデスされてコンボ完遂の為にドローしなければならないのに、ドローすればもしかしたら勝てるかもしれないがドローしたら高確率で敗北する肉で盤面を蓋されたら当然ですが厳しいです。

この研究結果を種にデッキ作成に移りました。

『黒』に強くする

  • カードパワーを落とさない

  • 黒に強くする

  • オークにもある程度耐性を持たせる

以上3点を踏まえてデッキを作成する事となりました。1番重要なのは『黒に強くする』と考え、この部分から作成していく事としました。結果的に『カードパワーを落とさない』点と『オークにもある程度耐性を持たせる』点も『黒に強くする』に繋がると考えたからです。

『黒に強くする』にあたり、1番簡単な答えはデッキの中に強いカードを沢山採用する事でした。単純な例えがオーダーを4枚採用する事です。が、オーダーはレガシーにおいて4マナと重く、クリーチャーを生贄にする能力から打ち消しにも弱い為、メインボードに4枚目以降はあまり採用したくありません。従って別のカードを探す必要がありました。筆者が試したカードが以下になります。

漁る軟泥。カード単体でそこそこの強さを持ち、黒に標準採用されている再活性にも強いという点で採用しました。が、縦に強いカードな為、オークのトークンにチャンプされながら相手の肉に一方的にダメージ交換を取られ続ける点。ハンデス+除去でエルフ側がランドセットによるマナブーストしか見込めず、GSZを絡めた3ターン目のウーズ着地が現実的で再活性の展開に間に合っていない点等の理由から採用落ちとなりました。

森の頌歌。オークの1点に強く、黒のサイド定番である疫病にも強く、ハンデスのリソース効果には占術によるtop操作で対抗出来る為採用しました。しかしこちらは+1/+1修整が強いようであまり強くありませんでした。タフネス2以上になる為確かにオークには強くなるのですが、殴りにいけなくなるシーンが多かったです。2/2となったエルフで殴りにいけば1点飛ばされながら1/1でチャンプされ相打ち、3/3で殴りにいけば1点飛ばされながら1/1の2体で相打ちとなり、実質的にこちらが2枚使っているにも関わらず1体交換となっているのです。ブロックに関してはアタックよりケアしやすいのでまだマシという感覚でした。

占術1に関しては擬似的にアドバンテージを稼いでいるのですが、エルフの頭数を増やしているわけではないので、相手の除去+ハンデスの枚数と同等交換かつ森の頌歌で使用しているこちらのリソース1枚分によりオーダーの種が足らなくなったり、4マナ目の土地に繋がらなくなったりと厳しい部分が見えてしまいました。

上手くオーダーからアトラクサに繋がった際にエンチャント枠が増え、喜ぶシーンもありましたが、結果的にオーダーとアトラクサが強いだけなのでこのシーンは森の頌歌の強みでは無いと断定しました。

フレイバーテキストも美しく、期待は寄せていましたが、以上の理由から採用落ちとなりました。

領界渡り。タフネス3かつ未来予知によるエルフ展開、かつ自身もエルフ(多相の戦士)である点から採用しました。GSZからサーチ出来る点も高評価でしたが、実際にデッキを回す事でこのカードの弱さを理解する事となりました。このカード最大の弱点は、『エルフのデッキ中にエルフが少なかった』点でした。実はエルフのデッキには平均的に20枚程度しかエルフが採用されていません。グリンパスやGSZ、ビヒモス等のフィニッシュ手段が16枚程度採用されていますし、ワイアウッドの共生虫は虫です。その為、3枚捲って1枚エルフが基本でした。当然3ターンも待っていられませんし、下振れのリスクもあるので不採用となりました。

エルフの合唱。オークと指輪がある指輪物語からの採用でした。領界渡りと異なり、こちらはワイアウッドの共生虫も展開出来る上、3つ目の効果の都合上アトラクサの素出しも圏内。何よりイラクサの歩哨との2枚コンボは魅力的でした。が、4マナのエンチャントな点が引っかかってしまいました。4マナな以上採用しても1〜2枚、だがGSZで好きな時にサーチ出来ないという矛盾。こちらも領界渡り同様下振れた際のデメリットが大きいものでした。グリンパスと合わせた際の展開力は凄まじいものでしたが、やはり下振れのリスクは拭えませんでした。3マナであればまた一考したかもしれません。

トレストの使者、レオヴォルド。オークとの友情コンボを決めるエルフです。除去は当然、思考囲いや悲嘆にも強くナイスカードと考えていました。しかし、このカードは青があるから強いのであって、BGではあまり強くありませんでした。除去を当てられて1ドロー、もしくはレオヴォルドの着地以降除去使わず、3/3以上のスタッツで上から殴られてしまうケースが多かったです。レオヴォルドが着地するまでにハンデスを使い切られてしまう点もマイナスでした。よってこのカードも不採用となりました。

飢餓の潮流、グリスト

序盤の除去とハンデスで蓋をされた状態からリソースで捲り返す事が出来る、下振れ無く安定したリソース供給、中マナ域以降であるならば枚数の都合上GSZでサーチ出来るクリーチャーが望ましい、そんな都合の良いカードを探す事となったのですが、そのカードは既に採用されている事に気付きました。

飢餓の潮流、グリスト。名誉エルフです。

  • 序盤の除去とハンデスで蓋をされた状態からリソースで捲り返す事が出来る→+1効果で肉展開によるリソース回復兼-2効果によるクリーチャー破壊により可能。◎。

  • 下振れ無く安定したリソース供給→+1により可能。たが、ビヒモスとアトラクサが落ちるという低確率の下振れは存在している。○。

  • 中マナ域以降であるならば枚数の都合上GSZでサーチ出来るクリーチャーが望ましい→クリーチャー(プレインズウォーカー)。◎。

環境で流行っている悲嘆相手には後出しでも+1で忠誠値を1残しながら1/1を展開し、次のターンに+1で相打ちまで持っていく事が出来る点も強く、地上の縦にも横にも強い上に空にもある程度耐性がある点が高評価でした。当然ながらオーク相手にもスタッツの都合上有効です。その為、元々1枚採用であったグリストを2枚まで増やして挑戦する事となりました。3枚目の採用はまだ未検証な為分かりません。もしかせずとも強い可能性はあります。

プレイ指針を変える

グリストの2枚目というある程度の答えが出た為、次の工程に入りました。オーク有する黒いデッキ相手のプレイ指針作成です。元々はグリンパスと幻想家でエルフの頭数を増やし、数に物を言わせて攻める、もしくはオーダーからアトラクサに繋げ、リソース勝負を仕掛ける事が筆者の中のセオリーでした。ですが、前者は当然の如くオークの影響下では厳しいものとなります。よって、新たなプレイ指針が必要となりました。

しかし、これは直ぐに作成出来ました。
グリストで時間を稼ぎ、その間にオーダーやクレイドルを絡めたGSZに繋げる方針です。とにかく黒相手には殺しが当たらずリソース確保をし、ダメージ交換を破壊するアトラクサが強かったのです。従って、根底をこの指針に当てながらプレイしていく事となりました。

その際にもう一つプレイ指針を作っておきました。それがイラクサの歩哨を絡めた先攻制圧です。先手の場合に有効で、所謂イラクサ+樺の知識のレインジャーを絡めた大量展開です。先攻2ターン目に大量展開+グリスト着地orアロサウルス飼いと虫による盤面圧を掛けて3ターン目に畳みに行くプランニングです。サイド後は疫病があるので展開抑制の必要がありますが、除去にマナがかかる点を利用し、このプラン立ては有効であると感じました。

ここまで研究しましたが、サイドボードの研究までは間に合いませんでした。サイドボードにオークを採用しているならば、オーク対面にオークをサイド後採用するのかはまだ未解決ですし、この環境下で衰微とトロフィーどちらが有効かもまだ未検証です。また追々研究していきたいと思います。

以上8月の研究内容でした。これ以降も研究研鑽は続けていきたいと思います。以上です。

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