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自己研究「スゥルタイ根本原理」

どうもこんにちは、僕です。
本日はパイオニアの出現の根本原理デッキについて筆を取らせて頂こうと思います。

今回のテーマは"カードの採用理由"です。

もしここは違うのではないか?とお思いになった方がおられましたら、是非コメントください。全てが学びに繋がります。筆者が喜びます。


まずはじめにデッキリストから。

https://deck.hareruyamtg.com/deck/411042

サイドボードは環境、人によって変化してくると思うので載せませんでした。
それでは書いていきたいと思ったのですが、基本的に根本原理から唱えて行きたいカードは最後の方で話していきたいと思います。


森の女人像

固い


2マナ呪禁のマナ加速カード。アグロ系のデッキ相手にも壁として唱えて行ける上、ヴァルキー裏目キャスト時に赤マナを捻り出す事もできる燻銀なカードです。
基本的な使い方はマナ加速としての役割です。ここで少し「マナ加速」について話して行きたいと思います。では皆さん、マナ加速って何だと思いますか?2マナから4マナと繋がる動きって「強い」んですけど、どうして「強い」と思いますか?何となく強いことは分かりますが、言語化して説明することは難しいです。まずここから説明していきたいと思います。
少し話が逸れます。そして申し訳ありませんが、ここから先に話をしていく内容だけで記事を3つは書ける内容となるので軽く書いていきたいと思います。
そもそもmtgというゲームは基本的に先手が有利とされています。相手より先にパーマネントが出せる、1マナ多いアクションが出来る、相手に守りの動きをさせる、色々あると思います。ですが、必ずしも先手が勝つというゲームではありません。なぜなら、後手が「捲る」ことによる逆転が存在するからです。では、この「捲る」という行動が何に当たるかが問題になってきます。具体例になりますが、先手の相手がクリーチャーを出した、後手の自身がそれを除去した。また相手がクリーチャーを出した、除去した、またまた…と繰り返したとします。しかしこれは「捲る」事が出来ていません。なぜか?一生クリーチャーと除去の1対1交換による応酬が起こっているだけだからです。ではどうすれば「捲る」事が出来るのか。それは後手側がクリーチャーを出せばいいのです。すると相手はそのクリーチャーを除去する、という行動がクリーチャーを出す、という行動に追加されます。つまりここで攻め手と守り手の変化が起きる事になります。仮に相手が除去した場合は自身がまたクリーチャーを出せば良い訳です。相手がクリーチャーを出して来た場合はこちらは除去するか追加のクリーチャーを出せば良い訳です。
では、この「捲る」行動をどうすれば現実に起こす事が出来るのか。それが一般的によく言われている「2アクション」になります。すなわちここで言う「除去+クリーチャーの展開」ですね。先手の相手が3ターン目に3マナのクリーチャーを出してきた。後手の自身は3ターン目に1マナのカードで出してきたクリーチャーを除去し、2マナのクリーチャーを出した。これが現実で起きる「捲る」行動に値します。
話を戻します。ではこの話をどうして森の女人像の中で話したか、という事になります。「マナ加速」が「捲る」にどう繋がるのか。それにはパイオニア環境下におけるクリーチャーについて話さなければなりません。現実のパイオニア環境におけるクリーチャーカードとは何でしょう?ということでmtggoldfishさんより写真を撮らせて頂きました。

隕石ゴーレムはカーンのサイドボードですね

デッキの使用率やサイドボードの影響で順位に影響が出ていますが、枚数も考慮した結果、砕骨の巨人、税血の収穫者、墓地の侵入者、僧院の速槍、ラノワールのエルフ、老樹林のトロール、棘の騎兵、帳簿裂き、孤高のフェニックス、氷の中の存在、救出専門家…と続いています。俗に言われる、環境とtopに入っているクリーチャーですね。最近のデッキであればパルヘリオンシュートに入っている大牙勢団の総長、脂牙もここに加えてもいいでしょう。
このクリーチャー群が対戦相手から唱えられる可能性が非常に高いということが分かりました。では先程の話の流れから、「捲る」必要がある訳です。即ち攻めと守りの変化ですね。そのために除去するカードが必要です。先に書かせて頂きますが、現パイオニア環境下で1番強いであろう2マナの除去は突然の衰微です。

往年の強カード

理由は現パイオニアの殆どのクリーチャーが3マナ以下であるからです。先程のカード群でも4マナ以上のクリーチャーは茨の騎兵と孤高のフェニックスだけです。勿論他の4マナ域以上のクリーチャーカードもパイオニアには存在しますが、基本的には3マナ域です。そして「捲る」べきマナ域は4マナ域での2アクション、遅くとも5マナ域での2アクションでなければ厳しいと思います。具体的に例を出すと4マナがある状態で突然の衰微で除去、残りの2マナで2マナのクリーチャーを出して「捲る」ということですね。

それを1ターン早める事が出来るのがこの森の女人像というカードです。
先攻の相手が2マナのクリーチャーを出しました、後手の自身が森の女人像を出しました、相手が3マナのクリーチャーを出しました、2マナのクリーチャーは森の女人像のタフネスを下回っている為流れません。こちらは2マナで突然の衰微を唱え、3マナのクリーチャーを破壊し、マナ加速した分の残りの2マナでクリーチャーを出しました。ここで攻守が入れ替わりました。
つまり、3ターン目で「捲る」事が出来るわけですね。4ターン目に5マナのアクションをしてこちらが攻めたら?相手も5マナのアクションをするか守るしかありません。森の女人像は3ターン目の捲り、恒久的なマナ加速としての役割を持っています。

突然の衰微

森の女人像の欄で書いたので先に説明します。先程書いた通り、今のパイオニア環境下で1番強いであろうカードです。2番目は…多分消失の詩句かな…?特に墓地の侵入者に対して相性が良く、護法を無視する事が出来るのが良い点です。緑信心に搭載されているビヒモスを招く者、キオーラや狼柳の安息所にも触れる事が出来ます。かつては除去という理由から別の2マナ域の除去と散らしていましたが、現在では問答無用の4枚採用です。

長老ガーガロス

アグロ殺し

警戒、到達、トランプル、殴っても守っても何か発動する、ランプが求めていた攻めるも良し、守るも良しなカードです。根本原理から持ってくる場合もありますが、5マナという軽さから(このデッキにおいては)素で唱える事の方が多いです。特にタフネス6が非常に硬く、2マナ以下の単体除去では戦慄堀り等のカードでしか破壊されません。到達も兼ね備えているため、空からの攻めも受ける事が出来ます。対スピリット相手の最終兵器です。根本原理の存在もある為、メインに少なくとも1枚は積んでおいた方がいいと思います。ただただ単純に強いカードですが、このクリーチャーを出すまでの過程で相手のリソースを縛るカード、ガーガロスを守るカードをこちら側はデッキとしてあまり有していません。ガーガロス自身も戦場に出る時には何もしないカードではある為、あまり過大に採用することはオススメしません。

不屈の巡礼者、ゴロス

統率者禁止推奨カード

突然ですが皆さん、ケッシグランプというデッキはご存知でしょうか?

不屈の自然/Rampant Growthや真面目な身代わり/Solemn Simulacrumからマナ加速して各種フィニッシャーに繋げる。特に重要なのは土地サーチ能力を有する原始のタイタン/Primeval Titanで、これによって墨蛾の生息地/Inkmoth Nexusとケッシグの狼の地による毒殺という第2の勝ち手段を持つことができる。
デッキカラーやパーツ選択の自由度は高く、メタゲームに応じた幅広いバリエーションが存在する。

出典:MTG wiki さんより

パイオニア環境下において成長のらせん、森の女人像といった2マナシャンプ、真面目な身代わりのような4マナジャンプのカードは存在していますが、6マナ域のゴールである原始のタイタンは存在していません。

統率者禁止推奨カード

何故ならデッキから確定で破壊し辛い土地カードをなんでも2枚持ってくる事が出来るからです。しかも本体が6/6トランプルとフィニッシャー性能もあるからです。ついでのように相方であるヴァラクートや死者の原野(パイオニア禁止カード)、墨蛾の生息地やケッシグの狼の地も存在していません。
それはそうですよね。本体がデカくて硬くて確定サーチもあってフィニッシャーになりえるんですから…。

…それってゴロスでも出来ますよね。先程述べた様に、2マナ域のジャンプカードがあり、3マナ域に耕作という素晴らしいジャンプカードもあり、下地は備わっています。そしてゴロス自身はパワーはそこまで高くありませんが、タフネスが5と非常に高く、各色含む7マナ起動で圧倒的なアドバンテージを稼ぐ能力を備えています。当たり前ですが、起動型能力で根本原理+αまで捲ったら勝ちます。それほどの能力です。そして起動型能力を使う為に必要なマナ域を確保するカードが世界樹です。

世界樹

マナ基盤が安定する

神カードを出す能力はおまけですが、このカードのおかげでゴロスの能力を起動しやすくなります。
ついでなのでここで話して行きたいと思いますが、このデッキの理想ムーブは

1マナ→2マナ→4マナ→5マナ→7マナです。

2マナで女人像、4マナで捲り、5マナでゴロスで盤面の蓋、相手が捲ってフルタップで返してきた所に7マナで根本原理です。1番綺麗な勝ち方です。先程から述べている通り、このカード自身はフィニッシャーに充分なりうる性能です。また、自身の効果で土地をサーチするという性質上、次のターンが7マナのアクションができる可能性が非常に高いです。即ちこれがどういう事であるか相手目線で考えると、4マナで捲られた上でゴロスを置かれて能力起動まで見えている→起動で高マナ域のカードが捲れる、もしくはゴロスが出ているで高マナ域のカードを唱えられると試合が終わりかねない→それを回避していくためにもこちらもフルタップにして捲りに行く、もしくはフルタップにしてゴロスより強い呪文を唱えていかなければならない、という思考に繋がっていきます。このような対戦相手の思考を引き出した上で半ば強制的にフルタップを誘い込み出現の根本原理を唱えて行くことがbestです。中繋ぎかつフィニッシュ手段を兼ねている、非常にこのデッキに合ったカードだと思います。一方で、ゴロスが伝説のクリーチャーである事から3枚しか投入していません。カード自身は伝説であるという理由を無視してでもそれ以上のバリューがあるので4枚搭載してもおかしくはないです。

また、現在のデッキは未だに試作段階ではあるため、土地基盤は色マナ確保をし、後は適当な状態です。従ってゴロスで持ってくる土地が現状世界樹しか基本ありません。後々単体で強い土地カードがあれば追加する可能性はあります。

致命的な一押し

モダン以下の環境を変えた生きる伝説

追加の除去枠です。4マナのアクションとして耕作+致命的な一押しという2アクションの増加、苦手なデッキであるボロスヒロイックやスピリットといったアグロ系のデッキに対しての採用です。一方で現在のリストでは紛争を達成しにくく、引き過ぎても除去という性質上1対1交換しかしない点、除去の面では突然の衰微に劣っている点から2枚だけの採用です。基本的に環境を見て変更するのが良いでしょう。自由枠です。

成長のらせん

スタンダード禁止カード

2マナジャンプ枠。基本的に森の女人像と使い方が同じなので長くは語りません。異なる点としては森の女人像がクリーチャーであるから地上を止められる点、こちらは1ドローが存在している点が挙げられます。2ターン目に森の女人像と成長のらせんが両方ハンドにあり、残りのハンドも強い場合であれば以上の理由で森の女人像から先に唱えた方が良いです。

耕作

M21の拡張アートが1番好きです

3マナジャンプ枠+アドバンテージ確保です。現在のデッキリストでは3マナ域のアクションが非常に弱いです。1番良いアクションとしても2マナ除去+1マナ除去、2マナジャンプ+1マナ除去です。従って、2ターン目に2マナジャンプのカードを唱えられなかった場合、耕作+5マナ域のカードが存在しているという可能性を考慮して採用しました。2マナで除去→3マナで耕作→5マナでガーガロス、ゴロス、影の評決での蓋、というプランもそこそこ強く、動きとしては70点程の動きが出来ます。一方で5マナ域のアクションが無いという場合は3マナの状態であっても唱えずに除去する、5マナ域のアクションがあっても耕作を唱えずにマナを構える、というプランを取る必要もあります。マナ加速をして大丈夫な盤面であるのか、5マナに伸ばして捲る事が出来る盤面であるのか、相手の動きを止める為に構えるべきであるのか見極めることが大切です。
また、根本原理の色マナ確保、という点でも採用しています。世界樹が戦場に出ている場合は問題無いのですが、出ていない場合の黒黒緑緑緑青青の捻出は難しいです。その点耕作はこの内2つを確定サーチ出来る事から、デッキの安定性を強める意味合いもあります。

絶滅の契機

奇数or偶数

少し個性的な追放全体除去です。4マナで全体除去、5マナでゴロスムーブは理想的です。メイン戦で相手にこのカードを見せておく事でサイド戦で相手が奇数偶数をずらさなければならないというプラン瓦解の存在でもあります。
緑信心、イゼットフェニックス相手には最強の除去カードと変貌します。むしろその2つの為に搭載しているといっても過言ではないです。他のアグロデッキが増えてきたと考えられるならば別の単色の全体除去カードに置き換えても大丈夫です。

影の評決

マジックらしいフレーバーテキスト

緑信心、ラクドスミッドレンジ、ボロスヒロイック、人間、パルヘリオンシュート相手に唱えると大体盤面が流れます。プレインズウォーカーも流せる点から、緑信心が搭載しているビヒモスを招く者、キオーラも追放する事が出来ます。また、墓地のクリーチャーも追放するためクロクサ等の脱出待ちや未練残りの対象先を失わせる点も優秀です。以上のデッキがいなくなったと考えられるのであれば別の単色の全体除去カードに差し替えても大丈夫です。

嘘の神、ヴァルキー

こちらが表面
ティボルトが裏面

ここから先は基本的に根本原理から唱える呪文群の説明となります。全てのカードが単体で勝てる性能であるため説明はザックリとさせて頂きます。
表面でも前方確認やクリーチャーハンデスという充分仕事が出来る性能であり、裏面でもフィニッシャーという役割を持っています。しかしながら裏面はこのデッキにおけるpwとして更に優秀なリリアナに負けているのは現状です。手札に来てしまっても表面で出せる、という唯一無二に近い性能から採用しています。

巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス

現在大人気のファイレクシア、法務官の1体

トランプル、速攻、6/6とクリーチャーとしての質も単純に高く、他プレインズウォーカーやキオーラ、海神を打ち倒すといったカウンターを使用するカードと根本原理を通して合わせるとゲームを終了へと導きます。対戦相手が唱えたpwも切り捨て半分の状態で戦場に出てきたり、鏡割りの寓話等の英雄譚もカウンターが乗らずに戦場に出るため、実質的な無力化等のプレイングも存在します。ただ一つの問題は対戦相手が戦場に出す氷の中の存在に注意することです。

ナーセットの逆転

少し変わったコピー呪文

普通に唱えて対戦相手のハンデスに合わせるも良し、強いドロー呪文やカウンターに合わせるも良し、自身の唱えた除去呪文と合わせて除去を使い回すも良しと単体でも十分強いカード。青青というマナシンボルの影響で2ターン目に唱えられるかは怪しいところではありますが、出現の根本原理から追加ターン2種とこのカードが合わさることで真の効果が現れます。

アールンドの天啓


スタンダード禁止カード

2体の鳥を出して追加ターン。予顕で何故か1マナ軽くなる、最近のスタンダード環境を荒らし回ったカード。先に予顕しておき、6マナ域からこのカードを唱えて根本原理に繋げても良いですし、根本原理から唱えても良いです。追加ターンカードの宿命である「戦場に脅威となるパーマネントが無いと弱い」という弱点を根本原理から克服して行く事が出来ます。

最悪の恐怖

約束された恐怖

使い回せなくなった精神隷属機。対戦相手をコントロールするとどうなるかはエムラクールの存在で理解している方も多いと思います。根本原理と合わせるとエムラクールより強くなります。13/13飛行トランプルプロテクションインスタントという化け物ボディは流石に用意できませんが、6/6警戒トランプル到達、6/6速攻トランプル、8/8呪禁のクリーチャで充分だとは思いませんか?対戦相手に追加ターンを与える優しさなんてこのカードには存在しません。唱えたら勝ちます。
注意点として、対戦相手のサイドカードは見る事ができません。大戦カーンのマイナス能力、願いのフェイの出来事モードをしても不発となります。気をつけましょう。

キオーラ、海神を打ち倒す

打ち倒してはいけなかった

どの章も強い、単純なパワーカード。雑に出すだけでも強いです。追加ターンカードやヴォリンクレックスと組み合わせる事で1章と2章が実質同時に発動し、更に凶悪なカードに早替わりします。3章まで進めば対戦相手の勝ち筋を奪った挙句こちらの勝ち手段が更に増えます。

戦慄衆の将軍、リリアナ 

日本絵の綺麗さが有名

通常通りに唱えても強力なプレインズウォーカーです。ヴォリンクレックスと合わせると即奥義となり、対戦終了となります。基本的根本原理を通してそのコンボに繋がることは難しいですが、3つ目の選択肢にキオーラ、海神を打ち倒すを加える事で、終わりに導く選択肢となります。試合終盤に腐りはじめてきた森の女人像がこのカードの常在型能力により1ドローが付きます。ハンドに困ったら自身のクリーチャーを含めて布告するプランを取る事もありかもしれません。

出現の根本原理

唱えたら勝つ

本デッキ最強のカード。もしかしたらパイオニア環境下で最も強い7マナ域かもしれません。
突然ですが、現在のパイオニア環境についてのお話をしていきたいと思います。例の如くmtggoldfishさんより写真を撮らせて頂きました。

左上から順にラクドスミッドレンジ、アブザンパルヘリオン、青白コントロール、イゼットフェニックス、ジャンドサクリファイス、ボロスヒロイック、赤単、緑信心、青単スピリット、白単人間、ロータスコンボ、バントスピリット、天使…etc…となっています。ミッドレンジ、アグロ(撹乱的アグロ)系のデッキが多いですね。勿論コントロールやコンボも存在しています。この環境下で根本原理を唱えられるか、という話になります。結論から話しますが、強いです。その理由も話していこうと思います。
まず、出現の根本原理側が不利と感じられるコントロールが殆どいないという現状が大きいです。今のパイオニア環境にはコントロールは殆ど存在していません。それはカウンターの弱さにあります。コントロールデッキは2マナのアクションが重要です。かなり大雑把に書きますが、4ターン目に2マナの除去+2マナのカウンターで「捲り」、高マナ域の呪文で蓋をします。が、今のパイオニアにおける2マナの除去とカウンターはあまり強くありません。青白コントロールを例に挙げると、2マナの除去は運命的不在、もしくは冥途灯りの行進等が当てはまるのですが、前者は実質的にドローを相手に与えるため1-2交換に近く、後者は白いカードを追加で支払わなければ序盤に中マナ域のカードを追放する事が出来ないため、こちらも実質的に1-2交換に近しくなります。その失ったリソースをドローソースやプレインズウォーカーで回復していくのですが、こちらのカードも4マナ以上が基本であり、かなりマナコストが重い構築となっています。2マナ域のカウンターも弱くは無いものもあれば弱いものもある、というのが現状です。ドビンの拒否権は素晴らしいカウンターカードです。クリーチャーでない呪文をカウンターできる2マナ域のカードの中では1番強いと言っても過言ではないと思います。一方でクリーチャーをカウンター出来るカードはあまり良いものがありません。3マナ要求のマナ漏出は存在しないため、検閲、ジュワー島の撹乱のようなカードに落ちついてしまいます。その為、3マナ域のカウンターに頼っている事が現状のコントロールデッキです。5ターン目の捲りに期待しての構築であると考えられます。その結果、まず高速アグロデッキ、撹乱的アグロデッキ、コンボにやられてしまいます。前者2つはカウンターするべき呪文をカウンターし辛く、除去も2マナからでは間に合いません。後者のコンボに関しては土地を基準としている、ハンデスもしくはカウンターを内蔵している、といったものが多く、また、コントロールが有する除去がメインから腐り負ける試合となってしまいます。追い討ちを掛けるように現パイオニアではtier1とされているラクドスミッドレンジがメインからハンデスの内蔵、ただ除去するだけではコントロール側が損をする呪文の内蔵、ミシュラランドの多さ等もあり、ミッドレンジに対しても不利となっています。
次にミッドレンジの存在です。現パイオニアではラクドスミッドレンジを中心に環境が回っています。その為、ラクドスミッドレンジを倒すべく、コンボ内蔵のミッドレンジ、ランプデッキの台頭が目立つ様になりました。正当にミッドレンジとしてラクドスミッドレンジと戦っても勝てない、という事が分かり、斜め上の死角から倒しに行くという考え方、ミッドレンジよりも広い視点から倒しに向かうという考え方へとシフトされる様になりました。それに伴い、アグロデッキが少しずつ数を減らしていきました。現在でも一定数の数は残っていますが、本体火力多めであるデッキや超高速でライフを詰めるといった1クセも2クセもあるデッキとなっています。最近になり、ラクドスミッドレンジを倒せるデッキであると分かった緑信心(ランプデッキ)の人気に火が着き、その緑信心を倒すべく超高速アグロであるボロスヒロイックが少しずつ台頭してきています。しかしながら、そのボロスヒロイックは軽い除去が多いラクドスミッドレンジに少し不利を取っていると分かっています。
ここで1度まとめを入れていきたいと思います。根本原理デッキはランプデッキです。順当にマナを伸ばし、高マナ域のカードへと繋げていきます。現環境下はラクドスミッドレンジ、緑信心、ボロスヒロイックの3つのデッキを中心に環境が回っている。ここに根本原理デッキが入るとどうなるか。筆者の体感をもとに各デッキとの相性を話していきたいと思います。

ラクドスミッドレンジ


8-2で有利。思考囲いによるハンデスが厳しいですが、残りのカードはこちら側に対して有効なカードはあまりありません。墓地の侵入者の除去耐性も突然の衰微により無力化され、実質ただの3/3バニラへと成り下がります。更に2種類の全体除去の存在でラクドスミッドレンジ側はあまりクリーチャーを横に並べたくありません。一方でこちらのデッキが有する高マナ域のカードには基本的に対応策がありません。ゴロスを一方的に取れるカードはコラガンの命令や絶望招来、戦慄堀りしか無いです。また、ガーガロス、ヴォリンクレックスは戦慄堀りと絶望招来で、リリアナ、キオーラ海神を撃ち倒す、といったカードは絶望招来でしか1枚で返す事が出来ません。そしてその絶望招来も1~2枚の採用しか現在はされていないです。根本原理から以上のカード+αで追加ターンを見せた暁には絶望招来です。基本的に負けないマッチアップです。

緑信心


6-4で有利。基本的にランプ対決ではランプ先のカード性能で差がつきます。緑信心のランプ先のカードはカーン、多色のpw、荊の騎兵といったカードです。こちらが有する高マナ域のカードと比べマナ域が低いです。従って順当に戦い合えばマナ域が高いこちらが勝ちます。しかしながら、カーンの有する無限コンボ、減衰球、王神の立像といった存在や、高速マナランプからの高速展開といった厳しいゲームも存在しているため、負ける時は負けます。

ボロスヒロイック


4-6で不利。速度勝負になります。こちら側が2マナ以下の単体除去を順当に唱え、全体除去を当てる事が出来れば大丈夫です。また、ゴロスは無色のクリーチャーである為、プロテクションに引っかかりにくく、タフネスも5と高いのもあり、とにかくクリーチャーの数を減らしてゴロスまで繋がりさえすればなんとかなります。トランプルを付与するカードに注意すれば大丈夫だと思います。本体火力が少ないのがまだ救いです。

サイドボードからこれらのデッキに強いカードを採用すれば勝利もグンと上がるでしょう。こちら側は環境に少ないデッキであるため、有効なサイドボードプランも少ない事が多いです。ローグデッキという立ち位置、情報の少なさからも勝てる要因は大きいと考えられます。

この様に、環境デッキに強いです。不利であるコントロールデッキや撹乱的アグロ、コンボデッキも上記3つのデッキにより数を減らしています。今こそ使うべきであるデッキであると考えています。

根本原理からの3択

最後にこちらについて話して行きたいと思います。基本的には以下の持ち込み方をします。

  • ヴォリンクレックス+リリアナ+キオーラ

対ミッドレンジ最高の3択です。ヴォリンクレックス+リリアナの場合は即奥義、リリアナ+キオーラの場合は対処しにくいパーマネント2つによる圧力、キオーラ+ヴォリンクレックスの場合は1章2章同時誘発による6点+6点+8点による20点削りにより対戦相手が敗北します。

  • ヴォリンクレックス+最悪の恐怖+キオーラ

ヴォリンクレックス+最悪の恐怖のによる盤面+ハンド破壊、最悪の恐怖+キオーラによる盤面とハンド破壊、キオーラ+キオーラによる盤面+ライフ破壊です。全部盤面破壊かよ!とお思いかもしれませんが、最悪の恐怖単体の能力が強すぎるため、基本的にヴォリンクレックス+キオーラが盤面に残ります。

  • アールンドの天啓+最悪の恐怖+ナーセットの逆転

アールンドの天啓+最悪の恐怖の場合は実質追加3ターン、最悪の恐怖+ナーセットの逆転の場合は最悪の恐怖を2回唱えます。ナーセットの逆転とアールンドの天啓の場合はアールンドの天啓を2回唱えます。前者2つは即死級です。アールンドの天啓を2回唱えるルートが1番マシなのですが、追加2ターン+鳥4体の時点で基本的に試合に勝ちます。

  • 全体除去+キオーラorプレインズウォーカー+最悪の恐怖

上3つに比べて弱いです。全体除去+キオーラorプレインズウォーカーの場合は更地にパーマネントという7マナからの最高の「捲り」プランが用意されます。キオーラorプレインズウォーカー+最悪の恐怖の場合は最悪の恐怖ゲーが始まります。最悪の恐怖+全体除去の場合はただでさえボロボロになった盤面が更にボロボロになった上、ハンドもボロボロにされ、浮いたマナでライブラリーや墓地も掃除されます。

勿論これ以外にも択は存在しています。が、基本はこの4択を中心にして唱えることをオススメします。

最後に、今回採用を見送った、根本原理から唱える高マナ域カードだけ書いていきたいと思います。

  • 全知

7マナで出現の根本原理を唱えている時点でこちらのハンドはあまり潤沢ではありません。仮にこのカードを3択の内の1つとして投入したとしても他のカードで十分勝つことができます。オーバーキル要素が高く、デッキ全体がコンボに寄せ切っていない、通常キャストがまず出来ないといった理由で採用しませんでした。

  • 産業のタイタン

回復能力は非常に魅力的でしたが、それ以外の効果があまり強くありませんでした。7マナ近いエンチャントは環境に少ないですし、アーティファクトはティボルトが追放してくれます。盾カウンターはほぼほぼ上位互換である呪禁が存在しますし、7/7というスタッツもキオーラ、海神を打ち倒すから出るクラーケントークンに負けています。除去耐性はありませんが、素出しの可能性が高い長老ガーガロスに軍配が上がりました。ライフがギリギリの場合はガーガロス+追加ターン2種で解決出来ます。

  • 発展の暴君、ジン=ギタクシアス

ジン=ギタクシアス+追加ターン2種が出来るのではないかと考えていましたが、出来ませんでした。根本原理をからカードを2種類唱えている時点でジン=ギタクシアス→追加ターンという順番で解決したとしても、呪文を唱えるという行動が終わっているため、ジン=ギタクシアスの能力が誘発しません。従ってこの枠はナーセットの逆転に変更されました。

  • 崇高な天啓

特に強くなかったです。6マナのカウンターがあまり強くありませんし、コピーしたいクリーチャーもありませんでした。パーマネントを戻す位であればこちらが別の呪文を唱えるべきですし、6マナ払ってまで1ドローをしたいと思いませんでした。

  • 海門修復

呪文の枠を減らしてまで採用したいとは思いませんでした。また、根本原理を唱えている時点でハンドのリソースは少ないですし、ドロー出来る枚数も1~2枚と考えて採用しませんでした。土地の枠で採用したとしても3点でアンタップというのはあまりにも痛いです。

  • 空を放浪するもの、ヨーリオン

80枚にする理由がどこにも見当たりませんでした。80枚にする事で根本原理のサーチ先を引きにくくする、というのはいい案であるとは思いましたが、そもそも根本原理も引きにくくなるというのは矛盾しています。それであれば根本原理のサーチ先を増やす、通常キャストしても強いカードをデッキに増やすべきだと考えました。サイドカードが引きにくくなるのも良くありませんし、アグロデッキに対する勝率も下げたくはありません。

最後に

いかがでしたでしょうか?以上が出現の根本原理デッキのメインボードとなります。大オーロラや無限への突入、ガラクの目覚めといったカードも考えましたが、現在のリストが私の考えたベストカード群であると考えています。出現の根本原理というカード自体がカードプールの広がりにつれて強力になっていくカードです。更に強いカードが発見されら可能性もあります。その一方でパイオニア環境はどんどん昔のモダン環境に近付いています。イニストラードでのデルバーやサリアの再録、既に環境制定時に存在していた思考囲い、次の弾である団結のドミナリアではついにヴェールのリリアナの再録が決まっています。そのような環境に根本原理が間に合うか不安ではありますが、頑張っていこうと思う次第です。それでは今回はこの辺りで。

ご観覧ありがとうございました。


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