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気になる|固定残業代|フレックスタイム制

働き方が多様化する中で、労働時間調整(生産性)はよく話題に上がっています。特に「固定残業制」と「フレックスタイム制」は、募集要項でも最近よく目にするようになりましたね。この記事では、それぞれの制度の特徴やメリット・デメリットについて取り上げてみます。

 固定残業制とは?

<概要>
固定残業制は、給与に含まれる残業代を一定時間分として固定する制度です。例えば、月に30時間の残業が見込まれている場合、その時間分の残業代が基本給に含まれます。実際に働いた残業時間が30時間未満でも支給され、これを超えた場合はその超過分の残業代は別途支払われます。

<メリット>
1. 給与の安定
あらかじめ残業代が固定されているため、月ごとの収入が安定しやすくなります。これにより、生活設計が立てやすくなるでしょう。
2. 予測しやすい労働時間
一定の残業時間を見越して計画を立てやすくなります。例えば、繁忙期や閑散期に関係なく、残業時間が一定であれば、自分の時間の使い方を予測しやすくなります。

<デメリット>
1. 長時間労働のリスク
想定以上の残業が常態化するリスクがあります。長時間労働が続く場合、心身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
2. 残業代の適正化
実際の労働時間と固定残業代のバランスが取れていない場合、不公平感が生じる可能性があります。
3. 法的制約
労働基準法により、残業時間は月45時間を超えないようにする必要があります。これを超えると、企業は法的な問題に直面する可能性があり、労働者としても注意が必要です。それ以上の時間数が固定残業時間と設定されている場合は注意してください。

フレックスタイム制(変形労働制)とは?

<概要>
フレックスタイム制は変形労働制の1つで一定期間(例:1ヶ月)における総労働時間を基準に、労働時間を調整する制度です。
労働者が出勤時間と退勤時間を自由に決めることができます。例えば、朝早く出勤して早めに退勤することや、逆に遅く出勤して遅く退勤することが可能です。ライフスタイルや業務内容に合わせた柔軟な働き方を可能にします。
但し、フレックスタイム制は変形労働制の1つなので、残業代の計算が週40時間制とは異なることを知っておきましょう。

<メリット>
1. 柔軟な働き方
自分のライフスタイルに合わせて労働時間を調整できるため、家庭の事情や個人的な予定に合わせやすくなります。例えば、朝の時間を子供の送り迎えに使いたい場合、その分を午後に働くことで調整できます。
2. 生産性の向上
効率的に働ける時間帯を選べるため、業務の生産性が向上することが期待されます。自分の最も集中できる時間に仕事をすることで、仕事の質が向上するでしょう。

<デメリット>
1.  管理の難しさ
労働時間の管理が複雑になるため、正確な労働時間の把握が難しいという課題があります。適切な勤怠管理システムで運用されていることが重要です。
(フレックスで固定残業だとかなりややこしくなりそうですね・・・)
2. コミュニケーションの課題
労働者同士の勤務時間が異なることで、コミュニケーションのタイミングが合わない場合があります。特にチームでの協働作業が多い場合、この点が問題となることがあります。

まとめ

固定残業制とフレックスタイム制は、それぞれにメリットとデメリットがあります。固定残業制は給与の安定を重視する一方、フレックスタイム制は柔軟な働き方を提供します。
また、自分の働き方についての希望や懸念を上司や同僚と率直に話し合うことも重要です。例えば、固定残業制であれば、長時間労働の常態化を防いだり、不公平感をなくすためにはどうすればいいかといった課題を上司と一緒に考えることが必要です。フレックスタイム制を利用する場合、自分の働きやすい時間帯を明確にし、互いにそれを尊重できるよう上司や同僚と調整することも必要となってくるでしょう。

自分のライフスタイルや働き方の希望に合った制度を選ぶことで、働く喜びと生産性を高めることができる一方、従業員それぞれにとって最適な労働環境を築くために、お互いに尊重し積極的にコミュニケーションをとり、より良い職場環境を作り上げていく意識を持つことが運用の成功の鍵といえるでしょう。

※残業代の算出方法については複雑なため、疑問がある場合は就業規則の給与規程を確認しましょう。

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