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ママ、きがへんになりそうです。(ボーはおそれている)

⚠️ ATTENTION ⚠️
こちらの記事はあくまでも感想および考察です。
まだ未視聴の方向けにネタバレは極力していません。これを読んで少しでも興味を持って劇場へ足を運ぶ方が増えればと思います。

ごきげんよう🥀✨

昨年末からA24作品にお世話になりっぱなしな気がしますが…今回は色んな意味で話題作「ボーはおそれている」を早速?観てきました。

監督は人の心ナッシングで有名、\アリ・アスター/( ◜ω◝ )ニチャア
「ヘレディタリー/継承」「ミッドサマー」と
確実にトラウマまっしぐらコースへと突き落としてくるトラウマ作品製造機みたいな監督ですね!(褒め言葉)
今作もやれ絶望だの狂気だの言ってるので観るか躊躇したなんて大声で言えないけど、興味関心欲にはさすがに勝てず…でムビチケ買ってまで準備して臨みましたのよ( ̄▽ ̄;)

ボーはおそれている/2023年 アメリカ

【あらすじ】
メンタルクリニックに通う心配性の中年の男・ボーは日常を送るだけでも一苦労だった。そんなある日、少し前まで電話で会話していた母が突如怪死。ボーは一度は諦めた里帰りを決意し、その道中で様々な奇妙な出来事に見舞われていく。ただの里帰りが壮大な旅へと変貌する。

はい、あらすじからもうヤバい匂いがしますよね。
さすがはアリ・アスター(何度目)
観た方の感想もカオスだった上に公式は「あなたの精神への挑戦状」とか言ってたので何となく想像はついていましたが…

179分間ツッコミ不在のスリラー劇

アリ・アスター作品ってとにかく体感時間が長い。
そして長時間不快感を与えてくるのが特徴だと個人的に思っておりますが、今作も怒涛の179分!ほぼ3時間!!
もうその約3時間がもうひたすらカオス😱
ボーを取り巻く人間たちみんながそれぞれイカれてるためツッコミ不在なのである(恐怖)
そんでもってボーもなかなかなのだけど……
うがい薬1滴飲み込んで「胃癌になるんですか?死ぬんですか?」になったり、家の鍵と荷物を盗られた中パニパニパニックで安定剤飲みたいけど何故か水が出ず…で水を買いに恐怖のコンビニダッシュをキメたら家に帰れなくなったり不良たちがわァ〜…
と、ツッコミ不在のボボボーボ・ボーボボでも見てる気分🤔
これは観客にツッコミ役を委ねているのか、アリ・アスター…?

アリ・アスター作品にありがちな
家族の闇を恐ろしく描いてる

アリ・アスター作品って家族の深い闇的なものを恐ろしく描くのが変に上手い気がするのだが(ヘレディタリーとかそうだった)、今作ではボーは母親という存在に手のひらで踊らされている感じがしました。

ネタバレ防止のため深く追求しないけど、母親の怪死で里帰りを決心するが実家へ向かうまでの道のりがあまりにも闇深いしどうも仕組まれているのか?それともボーの過剰な妄想なのか?もはや何が正しいのか分からないくらいまで次から次へとアクシデント勃発
そんでもってボーという人間は明らかに"何かの存在"に四六時中怯えてる様子も不可解で不気味。
度々始まる回想シーンでボーは母親のモナからとても愛されていたことが分かるのだけど、その愛が行きすぎているというかメンヘラというかヒステリックというか……中年になったボーを悩ませる夢の中のママはもうただの毒親と化している。
あんな勢いで屋根裏部屋突っ込まれたら泣きたい
「もはやボーってあのトンデモママから支配されてるのでは…?」
という考察に勝手に行き着いたのだけどどうでしょうか??
まあこのママ、終盤ではかなりぶっ飛ばしますけどね😏

可愛らしいけど可愛らしいシーンでもない

全ては仕組まれている?
本編にはクライマックスへの伏線多し

この映画を観て思ったこと、それは伏線の多さ。
ひたすら意味不明な映像の中にちょっとした違和感がチラホラ出てきます。
つまりボーの奇妙な冒険(ジョジョかよ)は偶然ではなく実は必然の出来事だったり…
(これ以上はマジでネタバレになる)

あちこちの違和感、これらを辿ると衝撃のクライマックスにだいたい全て繋がる気がします。
だからモヤモヤすることなく観終えたのかもしれない😌
それにしても考察しがいがあるよな

そんな本編で注目してほしいポイント

①ママの正体
劇中の怪死した(と思われる)ママは第三者視点だととにかく謎めいた存在で描かれています。そんなママは大企業MW社の経営者であり"大きな支配力"を持った人物
この"支配力"が物語の重要ポイントだと私は思いましたね。

②薬漬け外科医夫婦、ロジャー&グレース
予告編でもお馴染み、ボーは劇中でパニパニパニックからの車にドカーン💥💥と跳ねられて外科医のロジャーとグレースに看病されます。(あの可愛い部屋)
この夫婦、なかなかクレイジー😱
一件普通の家族、家庭なのだけど何かがおかしいし違和感しかない。
そんな中でグレース(奥さん)はボーに意味深なことを言ってきます。
これは大きなポイントなので注目してほしい。

③初恋相手のエレイン
ボーが子供の頃にクルーズ旅行で出会った初恋相手のエレイン。彼女もなかなかクレイジー女です。
というかこの映画ほぼほぼクレイジーしか出てこないのだけど……
エレインは奥手で意見もまともに言えないボーとは正反対にズバズバ物を言ってくる気の強い勝気な女性。
うん、ちょっとまって。

こういう女性どこか身近にもいなかった?

そう考えるとこのエレインとの思い出、再開、恋を快く思わない人、絶対にいるよね???
これ大事⬆️


狂気と絶望の果てに見えたもの、それは…?

とにかく意味不明だらけの3時間
狂気も絶望も大量摂取した先に見えたもの
それは「母は強し」という言葉の重み。

この作品で重要なキャラクターであるママ。
このママは女手一つで一人息子のボーを育て上げます。
一見すればたくましい母親、だけどもどこか強すぎる…
それは愛が過剰なのだと勝手に考えます。
回想の中の発言的にママはいわゆる「理想の息子」を作りたかったのでは…?
しかし過剰な愛が束縛し続けた結果ボーは冴えない精神科通いの中年おじさんに…
これってママは理想に微塵もなれなかった息子へ復讐でもしたかったのでしょうか?
そういう色んな意味で「母は強し」という言葉の恐ろしさというか、
裏付けが見えてくるのかなと思います。


完全解説を読めば2度目の鑑賞もアリ!…かもしれない

なんと作品の公式Xより「完全解説」が投稿されたのをご存知だろうか?

映画鑑賞→考察→完全解説ページで答え合わせ
この流れをこなすと2度目の鑑賞をする気になれる気がするの、私だけですかねぇ…?
拷問のような3時間を再び体感したいと思えてくる私はアリ・アスターの世界観に無事洗脳され始めたのかしら

先月観た「哀れなるものたち」もそうだったけど、これは映画というより一種の舞台芸術作品だと思って臨まないと面白いと思えない気がする

くれぐれも鑑賞する際は心の下準備をしてから劇場へ向かいましょう!

【おわり】


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