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仕事が無いなら地方議会議員に立候補するの?っていう、疑問

「定職につけない若者は失うものなど何もないのだから地方議会議員選挙に立候補して議員になればいい」という話があります。

数年前の地方選くらいから遂に目立ち始めた論調です。
私はこのことについて半分賛成、半分反対という微妙な立ち位置です。

急にこんな話を書くのにも私なりにキッカケがある

いま、ギリギリでぺーぺーの若い衆扱いをされる年頃の私。
今後は徐々に若い人の立場ではお話ができなくなるから。今思いつく限りのことを書く必要があるよな、と思った次第です。

まず、この内容について代表的な考え方を広く知らしめたのは、かの「東京で消耗しないように高知に移住した、当時最先端のインフルエンサー氏」です。

議員に立候補するからには、資質が問われるでしょう?

一口に地方議会議員といいますが、町議・市議・県議ではレベル感もだいぶ異なります。

当然の事ながら、地方議会議員は地方行政を左右する立場で地域住民の代表、ってことになります。
非常にざっくり言うと、支持基盤のある地域の代表者として選挙戦を戦う構図になりやすい、というのが日本全国津々浦々同様だと思われます。

地域住民からのニーズを汲み取りつつ、地域というミニマムな単位ではなく町や市というひとまわり大きな単位での舵取りもどうすればいいのか、考えていく必要がありますよね。

「立候補するのはいいけれど、当選した暁には議員をやれるだけの能力があるや否や」についてはあまり語られていないよね、という部分が気になります。

真面目にやっている地方議会議員さんも、ちゃんといる

私がよく知っている、某地方議会議員さんは一般質問で行政に対する質問を本当にちゃんと調べて準備しています。

自らの自営業のこともありますから、1日全てを議員として使うわけにもいきません。

行政サイドからはかなり煙たがられていますが、地方議会議員ってある程度煙たがられないのならば「単に議会の椅子に座るだけのお仕事」になってしまいます。

よく調べる、ということは時間も労力もそれなりにかかるということだし、よく調べた情報を元にどういう施策をすればいいのかまで考えなければならない。

ただ単に考えればいいというわけではなくて、無論のことながらモアベターな道筋が付けられないのならば仕事になりません。

自らが準備した活動がスムーズに進めばそれにこしたことはないのですが、そこは議会ですから。自分以外の議員もそれぞれに支持者や地盤地域を背景とした立場があり、目指すべきものがあります。

若さ、勢いを頼っての出馬でいいのだろうか?

選挙ですから、出てはいけないということはありません。出馬することも自由ですし、形ばかり出馬した結果、泡沫候補として供託金を支払いたければ「どうぞご自由に」というしかありません。

地方議会選挙の場合、過去の選挙結果を数回分見ていけば有権者数、総投票数、ギリギリ最下位で当選した人の得票数、までが見えてきます。
逆算してどの程度の票を取ればいいのかがわかります。

「では、その票数を取ってしまいさえすればいいのかよ?」って話なのです。

元兵庫県議・野々村竜太郎というモデルケース

私に近しい世代で選挙戦といえば…やはり代表的なのは西宮維新の会でしょうね。

https://diamond.jp/articles/-/90409

あれだって最初からおかしな人、ダメな人って断定はできないわけですよ。

凄く極論を言えば、政務調査費なんて使用用途は情報開示でもしなければ明るみにでないものです。仮にそれが政策立案に必要な飲食費、出張旅費だとしたら悪くいわれるいわれもない。

本当にやる気があって、他県の優良事例を視察研修してきた、なんてことになりますとそりゃあ経費だってかかりますよね、という話です。

ただ号泣議員みたいに「公私混同、選挙戦で一発当てていい暮らししたいなー」というのは、ちょっと違うんじゃないのって思うのですよ。順番が逆といいますか。

既に、色々とおかしなことになっとる

あまり書くと色々と身バレしかねないのでぼかして書きますが、ある地方都市の市長選で若者候補陣営のマクリが凄まじかったことがあります。

立候補の表明、選挙戦開始前はあまりのテキトーっぷりに「大差がついて負けるだろう」と誰もが言っていました。

ところが、蓋を開けると…
なかなかきわどい戦いになっていました。

現役市長と対立してきた閥のおっさんたちが支援した上に、若者の支持者達?が展開したと思われる怪文書(というかあからさまな大嘘)が連日飛び交い、選挙カーからはその大嘘をガンガン吹聴して回るという地獄絵図がありました。

この若者は本当にギリギリのところで落選しました。
で、振り返ってみると、地域住民にとっては若いって事以外に何かバリューがあるんでしょうか?
もし当選していたらこの嘘八百の勢い野郎が舵取りをする市政っていったいどうなったのでしょうか。

地方政治に参画することを試みるだけならば色々言いませんが、当選したいがために選挙というルールを無視して暴れまわることは違うと思いませんか?

誰だっていいわけじゃないけれど、当選してしまう人が出てしまう

市議くらいまでならば実態としては本業が別にあってある時は自営業者、ある時は地方議員というハイブリット型が多いようです。

ロクな仕事がないから、めっちゃ小さい町のタウン誌を運営している自称編集長みたいな人も、最近の市議選では当選していました。

彼は1度目の出馬でけんもほろろに落選。2度目の挑戦で晴れて市議さんになったのですが。

誰も読まないタウン誌を細々と発行する人が、利害調整をしながら市という単位の政治を動かしていくことなんてできるのでしょうか?

なり手不足だから誰だっていいってもんじゃないでしょう、と私は思うのです。

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