入院14日目
いままでの入院記録を振り返って粗末ながらも画像などを添えていたら、それだけで疲れてしまって、今日の分を書く元気が底を尽きてしまった。まあいいや、絞り出して書く。
寝れないのをむしろ利用して、枕元の照明で本を読むこと深夜1時。
窓際の爺さんの廃液交換には起こされなかったが、それでも4時半にはおめめぱっちり。そこからいままで一睡もせずなにかしら活動しているので、さすがに今日は眠れると思う。
朝一の採血、採尿、体重測定はお手の物で、それらがすべて6時前に終わると良い一日のスタートを切れた気がして清々しい。
9時ごろ、レントゲンに呼ばれ外来病棟まで下りるが、正味2分で終わる。
午前中の回診で、主治医の先生に気になっていたことを訊く。
「…ここ最近ずっとお茶か水しか飲んでないんですけど、コーヒーって飲んでもいいんですか?」
「いいよ」即答だった。「あ、でも一日一杯までね、あとはブラックでお願いねー」
地下にスターバックスがあるのは、入院前日に散策したのですでに把握していた。数日前、隣の爺さんが誇らしげにスタバのカップを持ち帰ってきたのを見て、少し羨ましく思ったのだ。本当はなんたらフラペチーノみたいなのが飲みたかったが、当然のごとく釘を刺された。サイズもショートかトールかで悩んだが、偉いのでショートにした。
地下から外のスロープを伝って、病院前のベンチでしばらくそれを飲んでいた。本来は外出禁止なのだが、冷え込んだ外気のなかで飲むほうが断然美味い。
日も暮れるころ。
病院前は小さなバスターミナルのようになっている。妊婦さん、子ども、研修医。いろいろな人が僕の前を横切る。
午後の回診で、血液検査および尿検査の速報値が届いた。数値は悪くなっていないが、相変わらず横ばいとのこと。ANCAの値に関してはカンストしてて減っているんだか増えているんだかわからない。先生からはここで年を越すのが濃厚になってきた、と言われた。
覚悟はしていたつもりでも、やはり年越しとか言われるとショックである。僕の頑張り次第、というところはあるのだろうけれど。
とりあえず、木曜日の腎生検で病名を確定させて、手堅い治療を続けてもらう。いまはただそれだけである。
そのための準備として、看護師さんから「(腎生検後は仰向けのまま動けないため)床上排泄の練習をしますか?」と言われた。ショウジョウハイセツという響きに一抹の不安と興奮を覚えたが、結局忙しかったのか、今日はその練習は実現しなかった。
それでも、たとえ入院期間が延びたとしても、それはまだこの『精神と時の部屋』でやることが残っているということである。給料の3分の2は引き続き補償されるはずだし、むしろ謳歌してしまえばよい。
…そうは思うが、食後はなにもやる気がおきなかった。
期限が延びると、そのまま作業自体も間延びしてしまうのが自分の悪い癖である。それではイカンと、気力で画像を貼り付けたり、どうでもいい作業で気を紛らわせて、いまに至る。
あー、いい感じに眠いぞ、これは寝れる。みなさま、さようなら。
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