「Todoリスト作成」では何も変わらなかった人におすすめしたいこと。

明確な目標を持ち、それを定量化し、Todoリストに落とし、毎日毎日コツコツやっていく。これは確かに何かしら達成したいものがあるときに有効な手段だ。

ぼく自身、この方法には幾度も助けられてきた。特に勉強関係だとこの手法が非常に相性が良い。大学受験もそうだし、英語学習や海外大学院用の勉強などにもこのシンプルな方法を適用していた。

一方、この「目標を立ててコツコツ頑張るやり方」について、みんながみんなできるわけでもないのもわかる。それに、ぼく自身もこのやり方には限界を感じることが増えてきた。

目標を決めてコツコツがんばるの、キツい

結婚して娘ができたり、経営という漠としたフィールドで戦っていく中で、「これ!」と明確にゴールを決めてコツコツやっていく、という今までのベストプラクティスが「効く」感じがあんまりしなくなってきた。

とかっこつけてみたものの、シンプルに加齢による体力や集中力の減退、20代のときのような「やらなければ人生が終わる」という切迫感の欠如、そこらへんが本当の理由な気もする。「じゃあがんばれ」という話でもあるのだが、「じゃあがんばれ」でがんばれるほどぼくは強くない。昔はコツコツパワーが非常に強かったと思うのだが、最近は諸々三日坊主率が高くなり、自己嫌悪に陥ることも増えてきた。よくない。

おそらくだが、同じように「コツコツできない(もしくはできなくなった)」「三日坊主ばかり」という状況に苦しんでいる人も少なくないのではないかと思う。実際、めちゃくちゃに基礎能力が高い人か、広大な土地を持っていて黙っていてもお金が振り込まれる人以外は、ある程度良い方向性にがんばらないと、徐々に可能性が狭まっていってしまう。

とはいえ、「なかなかがんばれない状況」というのもある。「甘え」と言われてしまうかもしれないが、がんばれないときはがんばれない。そんなときに「目標を明確に、定量化してTodoリストに落として毎日コツコツがんばれ」と言われても、それこそまた三日坊主で終わるのが関の山だろう。

Todoリスト→やらないことリスト

ぼくは最近考え方を反対にしてみた。ガッツリTodoリストを作ってやるべきことを毎日コツコツこなすのではなく、「やめるべきこと」を明確化して、それをやらないようにしている。

具体的には、

  • スマホを寝室に持ちこまない→ここ2週間ほど、おかげで一日のスマホ平均時間が1.5時間程度にまで落ちた

  • お酒を飲まない→これは結婚後から続いている

  • 人前で不機嫌にならない→なかなか難しいけど…

  • お腹いっぱい食べない→食べ放題に行くときは例外

大したことがない「やらないことリスト」で恥ずかしいし、もう少しいろいろと加えたいなと思うんだけれども、これがけっこう効果がある。少し前に健康診断があったのだけど、ここ数年で見たことがないレベルの体重に落ちていた。運動ももちろんしていたが、「お腹いっぱい食べない」というシンプルな「やらないことリスト」が功を奏したように思う。

なぜ「やらないことリスト」が効果的なのか?

「何かをやる」というのは結構シンドい。特に肉体的、精神的負荷がかかるものは、やり始めたらすぐ終わると頭ではわかっていても、なかなか動き出せない。そうこうしているうちに、他のやらなくてはならないことが山積みになっていき、さらに動き出すのがおっくうになり、どんどん自己嫌悪が加速していく。そしてメンタルが削られ、さらに「何かをやる」ということができなくなる。

逆に「何かをやらない」は、「何かをやる」に比べれば相当に簡単だ。今までやっていたことをやらないのだから、論理的にはエネルギーの節約になる。何かをやるときは「えいやっ」と気合を入れなければならないのだが、何かをやらないときは「あーーーそうだそうだこれやらないんだったな」と"ふと思う"だけで事足りるのだ。

そして、今まで時間を吸い取っていたり、健康を害していたり、人間関係を損ねていた悪しき習慣を「やらないもの」として定義すると、いつの間にか自分の時間が増えていたり、健康が増進していたり、良い人間関係が築けるようになる。そして、そのように余裕が出てくると、今まで三日坊主で終わっていたことも、徐々に徐々に続けられるようになっていく。

知らず知らずのうちに自分を害している「よくないこと」を見つけ、まずはそれを「やらないことリスト」に追加する。それで自分のコンディションを徐々に整え、そこからまた「やっていく」という順序がいいのではなかろうか。ぼくもあまり無理はし過ぎず、「やらないと決めたことはやらない」だけ、頭の隅に置いて毎日過ごしていきたいなと思う。

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