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私小説「”骨髄移植”経緯」~28~

28.「なんともなかったようですね。でも気を付けてください。」
112日間身分証明書として護ってくれていた腕輪が外されて、1週間が経ちました。実感したのは、ただただ体力の低下です。仏壇に手を合わせた後立ち上がれない、階段の上り下りが夜になると足が上がらなくつらい、平たんな道すら小石に躓く、などなど。
極めつけは退院した翌日の月曜日、自転車に乗ろうとして転倒、左手、右ひざをすりむき頭をブロック塀で強打、こぶを作ってしまいました。その日はあちこちに買い物に行き、その疲れもあってか翌日はぐったりしておりましたが夕方から頭がジーンと鈍く痛み始め、不安に。結局水曜日浜の町に行き、主治医に報告し(荷物を持ち上げようとしてバランスを崩したといいましたが)念のためCTを撮ってもらいました。結果は何ともなく表題の言葉をかけられました。ついでに木曜日の予定だった診察と薬の処方を。今は手足の傷もほぼ治り、こぶは引っ込んだものの内出血で紫色になっています。
入院前はいていた太ももぎりぎりのスリムフィットジーンズ、今日試してみると何の抵抗もなくむしろ余裕をもってはけました。それだけ筋肉が落ちて足が細くなっているようです。

あ、ふろでの歌も再開しましたが、大きな問題が二つ。一つは大きな声と高音が出なくなったこと、もう一つは入院前20分風呂に浸かって歌っていたのが今はそんなに長く入ってられないこと。心拍が上がって大変なことになりました。
人ごみを避け、生ものを口にせず、できるだけ甘いものを控えてはおりますが、しんどいものです。最低でも半年くらいは自重せねばならないのでしょう。その後は状況を見ながらカラオケに行きたいものです。
朝晩の空気がかなり冷たく感じられるようになりました。皆様もどうぞご自愛ください。