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私小説「”骨髄移植”経緯」~4~

4.点滴管
「はい、では局所麻酔を打ちまーす。」
午後2時少し前に処置室へ。左に傾けた顔の上に、処置箇所だけ穴の開いた防菌用の青いシートを掛けられた。担当の女医さんは静脈の位置をエコーで確認した後、そういって慎重に針を刺した。チクり、チクリとまず二か所。打ち終わるとを何やらゴソゴソ。続けて一か所。それからしばらくガサガサと音が続き「押さえますよ」と言って血管に管を入れている様子。首のあたりがモゾモゾとし、ぎゅっと押えられて痛かったり違和感で軽く吐き気があったり。40分ほどで終了、血圧が下がっていたのでしばらく休んで病室へ。休む間もなくレントゲンとCT検査。ふらついて転ぶといけないからと、介護の人が押す車いすで移動。終わって部屋に戻ると3時半。
見舞いのために横浜から来てくれた娘と妻は、処置の間一旦カフェへ。終わったことを伝え、二人が病室に戻ってきてしばらく談笑。もっぱら娘のところの娘、つまり孫娘の話。それと彼女より1か月遅れで生まれた息子の娘の話。写真を見るとどちらも無邪気で可愛い。

この子たちをもう一度抱きしめるためにも、早く回復せねば。