私小説「”骨髄移植”経緯」~2~
2.点滴
「右首から点滴を入れるようになります。」
昨日医師3人、看護師、コーディネーターを交えた施術前面談で主治医から告げられた。でも、首からってどういうこと⁈
「点滴液の濃度が濃いので首の太い静脈を使いたいのと、できるだけ心臓に近いところから薬剤を入れたいので。」
そういえば売店に買い物に行ったとき、エレベーターの中で首から管が出てる人を見たことがある。そういうことだったのか。
来週後半から始まる抗がん剤の影響で粘膜がやられるので口の中が荒れて物を食べづらくなり、歯磨きすらもできないくらいになることもあるとか。でも口の中は清潔にしておかなければいけないので、うがいだけでもするように、と。
移植後1年以内に亡くなる方がかなりいらっしゃって、その原因は感染症と合併症だと。移植は着地点ではなく“始まり”の段階の終わりであり、長い目で見れば”長期ケアの始まり”だということです。
退院してからも無理せず養生が大切のようです。
入院してから日に3度の検温・血中酸素濃度計測・血圧測定・聴診器での調音。昨日はヘモグロビン値を7(通常は13.7~16.8)近くに保つため2回目の輸血。輸血は今後頻度が上がるとのこと。
たまに気晴らしで病棟内のラウンジに行きます。。埠頭に近いので大型客船を眺めたり離発着の飛行機を眺めたり。雨の日のかすんだ荒津大橋もいいもんです。