【6日目】室内温度

 なぜ、洋服屋で暖房をつけるのか。いや、暖房に限らず、なぜ空調をつけるのか。

 洋服は、季節によって推し出す商品が違う。洋服屋は天気予報とにらめっこをして、ストックを右往左往しているのだろう。店頭には、その季節に合った商品が並べられ、「よろしければ試着もできますので」という、もちろん知っていることを伝えてくれる。まあ許可ももらったし、と試着をお願いすれば、店内でその商品が着られる。今の時期なら例えばダウンを買ったりするので、試着室までいかなくてもなぁ…と思いながら、逆らえずついていく。

 と、ここで問題が発生する。店内が暑い。試着するのはダウンなのに。保温性の高さが裏目に出る。そして店員さんに話しかけられる。私は緊張しいの汗っかきなので、まだ買っていないダウンに汗がついてしまわないか心配になる。そして余計に汗が出る。こうなると、ダウンにマイナスイメージがついてくる。寒いからあったかいものを買いに来たら、あったかくて嫌になる。

 こういうときに、頼むから試着室は露天風呂みたいに外の空気の中で着させてくれればいいのに、と思う。冬だけじゃない。春夏秋も、露天試着をさせてくれれば、「今日みたいな花冷えの日にも、体温調節がしやすいです」とか言いやすいだろう。店員さんの接客トークも説得力が上がるってもんだ。

 また、空調をつけないことで、店員さんの格好も外気温に即したものになる。冬なら、ダウンを着て接客が出来る。マネキンに着せるのもいいけれど、店員さん自身が着てみせるのが一番アピールになるんじゃないだろうか。

 空調をつけない服屋、ぜひ誰か検討してほしい。

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