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日本の神々の始まりの話①

昔々の話です。
46億年前に地球ができ、300万年前に日本列島ができ、4万年前に日本に人が住み始めたころの話。
キリスト教もイスラム教も仏教もなかったこの時代、日本人はどのように「神」を感じたのでしょうか。

#01自然の偉大さと人間の小ささ



それは多分、自然の営みを目の当たりにした時だと思います。

朝に上り、夕方に沈む太陽。
風や雨や雷、夜に見える月や星。
人が造りようもない高い山や大きな木や岩。

「スゴイ!ソシテウツクシイ!」
「ワレワレノナントチイサイコトヨ」

綺麗で偉大で意のままにならず恐ろしい大自然。
人智を越えた自然や自然現象は十分に崇拝の対象になったでしょう。
人が一番最初に崇めたのはキリストでもアラーでもなく、自然そのものでした。




自然崇拝 自然物や自然現象を対象とした崇拝のこと 当時は自然という概念はないため、自然そのものを崇拝するのではなく自然の営みそれぞれを個別で崇拝したと思われます



#02不思議な力



時は流れ今から3000年前、日本人は稲作を始めました。
狩猟一辺倒の時と比べ生活に余裕が生まれ、人は自然の不思議についてより考えるようになりました。

太陽が朝に上り、夕方に沈む理由は?
風が吹き雨が降り雷が鳴る理由は?
夜に月や星が見える理由は?
高い山や大きな木や岩が存在する理由は?
種もみから稲が実る理由は?

「ナゼダロウ?」
「ナゼカシラ?」

自然の営みの原動力を考え抜いた結果、太陽に雨にも岩にも、全ての物に何らかの力が宿っているとの答えを出しました。
そしてその力を「霊魂」や「精霊」と呼びました。




アニミズム 全てのものに霊魂が宿っているという考え方のこと 精霊信仰とも 言葉に宿った霊魂は言霊(ことだま)、もののけ姫のこだまは木の精霊、アンパンマンはパンや菌や丼に精霊が宿ったアニミズムの世界 アニメーションの語源はアニミズムから

#03神の誕生



万物に宿る霊魂の中でも特に人と密接な関係のものはやがて「神」と呼ばれ、大いに尊ばれ大切にされました。
太陽は「アマテラス」、月は「ツクヨミ」、「雷神」や「風神」や「水神」などなど・・・。
キリスト教やイスラム教などの一神教とは違い、古代の人々は「神は唯一絶対の神」とは考えませんでした。

「コレハカミ!」
「コレモカミ!」

稲は太陽だけでも水だけでも育ちません。
古代の人は太陽にも水にもそれぞれ神を感じました。
それぞれの神はみな尊く偉大でそしてありがたい。
神はたくさん存在したのです。




多神教 自然崇拝やアニミズムに基づき自然発生的な存在を神々と呼んだ民族宗教のこと 日本では神道といい教典も教えがないのも特長 ここでいう神とは「GOD」ではなく「KAMI」であり、唯一絶対の神でなく八百万の神




#04神を呼ぶこと



さらに時代は進み、西暦200年の卑弥呼の時代。
このころになると神はただ崇めるだけでなく、地上に呼びコミュニケーションを取ろうとし、その声を基に政治や軍事や農業を行うようになり、その役目はシャーマンと呼ばれる祈祷師や巫女でした。
例えば卑弥呼は巫女でしたし現代だと恐山のイタコや沖縄のユタや幸福の科学の某総統が有名だったりします。

神は常に地上にいないと考えられており、神を呼べるシャーマンはいわゆる召喚士やポケモントレーナーであり、また神と人とをつなげる存在でもあるのでUber Eatsや出前館でもありました。
神だけでなくシャーマンも崇められ、尊敬されたことでしょう。

では神をどこに呼んだのか??
高い山や立派な木や大きな岩や鏡や剣でした。
「高い山」だと、浅間大社のご神体での富士山や日本最古の大神神社の御神体の美輪山が有名ですし、「立派な木」は、御神木と呼ばれあらゆるところにありますし、「大きな岩」だと、4~9世紀の古代祭祀跡が残り世界遺産の沖ノ島(一度行ってみたかった…)や映画「君の名は」の神社のご神体が巨石でしたし、「鏡や剣」だと、三種の神器(伊勢神宮の八咫鏡・熱田神宮の草薙剣・皇居の八尺瓊勾玉)が有名です。




シャーマニズム 神を呼び神の声を聞くことができる祈祷師や巫女などのシャーマンを中心とした民族宗教のこと 卑弥呼は尊敬され初の女王となりました



#05自然崇拝とアニミズムと多神教とシャーマニズム



自然を敬う「自然崇拝」、全てに霊魂を感じた「アニミズム」、たくさんの神を尊ぶ「多神教」、神々の声を聞く「シャーマニズム」。
この4つの信仰は、世界中に自然を神格化した神話があり霊魂観が存在し多くの神々がいていろんな形のシャーマンが残っていることを見ると、日本だけでなく世界共通の古代の宗教行動だったと思われます。




神話 古事記や日本書紀に書かれた日本神話だけでなく、ギリシャ神話も、エジプト神話も、ローマ神話も、北欧神話も、インド神話も、北欧神話も、中国神話も、ケルト神話も、ハワイ神話も、バビロニア神話も、ペルシア神話も、シュメール神話も、昔はどこの国にも神話がありたくさんの神様がいたようです。

※画像はスタジオジブリのフリー素材を使わせていただきました ありがとうございます

②へ続く

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