SNSのマイナス面、著作権とか 往復書簡#18
画家 小河泰帆さんとの往復書簡18回目ですよ。
前回に引き続き、作家活動とSNSについてのお話です。
SNSはいろいろな使い方ができるので、悩ましいですよね。
私自身、確固たるポリシーがあるわけでもなく何となく日々使っているので、小河さんの文章を読んでだいぶ整理できた感じがしました。
マイナス面として挙げられていた著作権トラブルは、巻き込まれると本当に面倒だし深刻なので、できることなら一生煩わされることなく過ごしたいですね。著作権は著作物すべてに自動的に発生する権利ですけど、そもそも何を守るためにうまれた概念なのかとか、文化の発展とはどのような経緯でなされてきたのかとか、何をもって複製とするのかとか、法的にはセーフでも心理的にアウトとか、判例は時代とともに変わるし、ケースバイケースすぎて判断がものすごく難しいです。
特徴的な手法による表現をする二人の作家がいたとして、もし二人が争うことになったとしたら、どちらが先に発表したのかが争点ですよね。それを考えると、自衛の意味でも日頃から自分の作品とステートメントをWEB上にアップして、認知度を高めておく地道な努力は大切なのかもしれません。
ただ、二人の作家がそれぞれ別のところからのアプローチで結果として偶然似たような表現にたどり着くこと、普通にあると思うんです。抽象画だって、同時多発的に世界のあちこちで成立したわけですしね。悪質な行為なのかどうかの判断はどうやってしたらよいのか、さっぱりわからないですよ。
私がSNSで一番利用しているのはTwitterで、なるべく1日1Tweetをこころがけてます。宣伝のつもりではじめましたが、いつの間にかただの生存報告になってますね。
展示が近くなるとFacebookとInstagramにも投稿しますが、普段はわりと放置してしまっています。多分Twitterの言いっぱなしの距離感が自分にあっていたんだと思います。人のTwitter投稿をみるのも楽しいし、よい刺激をいただいてます。
プライベートと作家活動の露出バランスに関しては、その時の気分でスタンスがブレブレなんですけど、もともとあまりオープンマインドな性格ではないせいか、見返してみると大したことは言ってないぽい?
SNS経由の傷害事件や空き巣狙いなど怖いし、20代の頃、深刻な事態には至らなかったものの待ち伏せ被害にあったことがあるので、在廊予定以外の行動はあまり明かさないでおく習慣はできてます。居場所が特定できるようなつぶやきは、その場を立ち去った後にしてますよ。
お庭の写真、楽しんでもらえて嬉しいです!
写真は構図の勉強にもなるので、気晴らし兼ねてちょこちょこ撮ります。つい夢中になっちゃいます。
小河さんは、好きな写真家はいますか?
映画や小説、漫画などもふくめ、絵画作品以外で影響をうけたり参考にしている作家や作品あったら教えてください。
私が好きな写真家はソール・ライター。構図がかっこいいんですよ。