手鏡に三度目の現実逃避 川柳十句

日時計がプールサイドに差しかかる

通信を拒む寺山修司の血

酢をふくむ口でささやく美人局

木苺に渦巻く悪意よろこんで

あとさき考えて砕け散るサラダ

手鏡に三度目の現実逃避

捻り出す無音の雲の術なげに

あしあとのしない子猫をだきよせる

走り書き 光の量の調節を

だらしない舌と舌とで成し遂げる


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?