歓びと鬱(1) 

流水に削れる顔のモーニング

トーストにこんがりと「運命」とある 

珈琲の紫焔に舌を焦がすのみ

歯を磨く まじないは今かけられる

髭を剃る 明日の夢が思い出せない

服を着る 閉じられるこころの所在

必要な書類を駆け抜ける悪寒

家を出る背中にいってらっしゃいを

道端の「無題」の花におはようを

いちまいの空を剥がしてみたくなる




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