見出し画像

君は信頼してもらえない!!! 〜語学がなくてもサッカー留学できると思っているあなたへ〜

 

【はじめに】

「語学がなくても、サッカーできれば大丈夫でしょ」
 
 これからサッカー留学をしたいと考えている人の中でそんな気持ちで留学を考えている人はいないだろうか。
 
 それでは、留学ではなくサッカー付きの観光をしただけで終わってしまう。
 
 プロになる。
 
 そんな強い気持ちで留学を考えているのであればサッカーはもちろんだが、語学を勉強するベきである。話せるようになってから留学に行った方がいいという意味ではない。出発まで時間があるのなら今から勉強すべきだし、現地に行ってもしっかり語学学校に入って学ぶべきだ。

 2015年当時、ドイツの新聞で100人近い日本人がアマチュアリーグなどに挑戦していると言う記事を見た。
 そのうちの何%がしっかり語学を学んでいたか分からない。
 私がいた地域でも、実際のところドイツ語を学んでいる人は少なかった。

 海外でサッカーをするなら語学をしっかりマスターすべきだ。

 その理由を体験を交えて説明したいと思う。


【①ドイツアマチュアリーグからプロを目指せるか?】

答え:無理ではないが、かなり難しい

●理由:4部と5部の壁の分厚さ

 ドイツサッカーのリーグでは、大体この4部、5部くらいからリーグを渡る壁が分厚くなってくる。

 サッカーだけをして生計を立てているということをプロとする。ドイツの場合、一番下のリーグからブンデスリーガまで繋がっているのでアマチュアの区切りが難しいところがあるが、だいたい4部リーグくらいからプロリーグと言える。4部リーグであればほぼサッカーで生計を立てられる選手が多いのではないかと思う。しかし、4部リーグの壁は厚い。私のいた地域でも4部リーグに所属していた選手はかなり少なかった。つまり、多くの選手が5部以下のチームに所属して活動していた。ほとんどがこの状態であった。

 それはなぜか…
 将来有望な若手(16歳から20歳ぐらい)であれば、可能性がある。そのくらいの年齢で実力があれば将来性を買われて4部リーグに行く可能性は大きい。もしくは、助っ人外国人としてチームを助けてくれるような選手が4部リーグへ行けるだろう。


 しかし、大学を卒業して22歳や23歳からドイツでアマチュアリーグからスタートし、4部以上のリーグを目指すなら相当な覚悟が必要である。ドイツでは23歳以下の選手しか取らないと言った方針を持っているクラブもある。普通サッカークラブであれば22歳、23歳であればクラブの中心選手として活躍してほしいと思っているはずだ。その年代でアマチュアリーグからスタートするとなるとかなり厳しい。余程優れた選手でなければならない。
 そして、それを狙っているのは日本人だけではない。世界中の選手がもっと上のレベルを目指している。
 
 
 サッカー留学サイトでは、プロになれるともちろん書いているだろう…
 しかし、実際アマチュアの下位リーグからスタートして毎年評価を上げて3部以上に所属し、プロになるのはとても厳しい道である。

 

【②サッカー留学する際の語学はどのくらい重要か?】

答え:必須

●理由:発言できない選手は認められない

 私はドイツへ行った当初、ドイツ語を話せてはいたが流暢ではなかった。それでももちろんチームメイトやスタッフとはコミュニケーションがとりたい。どうするかというと、バカなことをして笑いを取り、注目を集めていた。
 最初はそれで良いと思っていた。

 しかし、ボールロストして僕のせいだと言ってきた時や自分から戦術的な指示を出したい時、言葉が喋れなければ何もできない。その当時は監督やコーチやチームメイトから戦術的な相談を受けるよりは、指示をされることが多かった。

 それが一人で試合を決めてしまうような選手であれば別だ。Jリーグへ来たブラジル人など外国人選手を想像してほしい。彼らはそんなに言葉が喋れなくても一人で試合を決めれる能力を持っている。彼らはそれで良いのだ。一人で試合を決められる。
 では、逆に4部、5部でどの試合も一人で決めれるような実力があれば良いだけと安易なことを考える人がいるかもしれない。
 先述したように4部、5部は甘くない。もし、それほど実力があるならばJリーグから声がかかっている。
 
●モデルケース:長谷部 誠 (フランクフルト)
 ここで、フランクフルトの長谷部選手を思い浮かべて欲しい。Jリーグにいた時はもっと攻撃的な選手だった。しかし、ドイツへ行ってからプレーも選手としての価値も大きく変わった。ドイツへ行ってからドイツ語を勉強し、チームメイトを食事に誘い様々なことを話していた。試合中も多くの指示を出し、審判とさえコミュニケーションを取れる。普段からチーム内でもコミュニケーションが取れているのがよくわかる。チームメイトやクラブからも信頼されているのがよくわかる。

 何が違うか。もちろん長谷部選手の人間は素晴らしいし、誰でもできるわけではない。しかし、彼はドイツ語を学ぶという努力を怠らなかった。
 外国語、特にドイツ語は難しい。あそこまで話せるようになるのはかなりの努力があったと思う。

 それから、私もドイツ語をもっと使ってチームメイトや監督、コーチともコミュニケーションを取るようにした。ミスを私のせいにしてきても言い返したし、ドレッシングルームでも発言した。チームメイトと遊んだり、みんなで旅行に行ったりもした。
 別に遊びに行ったから仲が良いわけではなく、ドイツ語でしっかり自分の考えを伝えられるようになったから一人の選手として認められたと思う。

 最初、ただふざけていただけでは本当に認められていた訳ではなかった。
 ドイツ語を話し、コミュニケーションをしっかり取って、発言をするようになったからだと思う。

 これからドイツへ、もしくは海外でプレーをしたいと思ってる人に1番言いたいのはここである。

 発言できるようにすること。

 それには、必ず外国語が必要だということ。

 この厳しい環境で勝負する中で、本当にプロになるという覚悟があるならば…
 外国語を身につけることくらい簡単なことだ。

 一人で試合を決められる選手でないならば、選手同士を繋ぐことのできる選手だったりチームを動かす選手として活躍していけば良い。
 
 しかし、それにはコミュニケーションの能力も必要だが、外国語が必要になる。

【③どのようにドイツ語を身につけるか?】

答え:語学学校

●理由: ビザ、発音、会話

 ・ビザ
 ドイツには日本のパスポートを持っているならば90日滞在できる。しかし、その後は基本的には観光ビザを延長するのは難しい。
 語学学校に入れば、ビザも観光ビザよりも長い語学留学ビザになるため、安心して留学生活を送ることができる。

 ・発音
 外国語、特にドイツ語は発音が大事である。日本語のように平坦な発音ではないため、ただ文字を読んでいるだけでは通じない。だから、独学で勉強することは難しい。語学学校でしっかりと教えてもらう方がいい。

 ・会話
 独学で学んでいるうちはライティングだったり、読解、文法などが身につくだろう。しかし、結局は会話が重要になる。言いたいことを伝えるには外国語を話して、相手の言うことを聞かなければならない。 独学で学んでストリートで話す方法もあるが、言い方を間違っても相手は直してくれないし、教科書に載っている言い方は話し言葉では使わない表現も多い。語学学校では教科書の言い方の他に、普段の表現の方法も教えてくれる先生が多い。そして、一緒に習う生徒と話すことも大事である。特にヨーロッパ系の人は会話力が高いので新しくならう外国語もどんどん話してくる。その環境に身を置くことによって自分も会話力が高くなるし、モチベーションも高まる。


 以上のことから語学学校には通った方がいい。特に現地にいる場合は特に。語学ができるようになれば現地の大学にも入ることができる。そうすると自分の能力を高めることはもちろん、ビザもまた安定して伸ばすことができる。外国人にとってビザは大きな問題なので、それが安定するとサッカーにも集中できるようになってくる。


ここで一つ日本にあるドイツ語学院を紹介したい
●ドイツ語学院ハイデルベルク
東京の代々木駅から徒歩5分にあるドイツ語学院
私はここに通っていた。
詳細は別の記事で紹介したいと思う。


【終わりに】
 

前回、サッカー留学ならドイツがオススメという内容のnoteを書いた。それに比べて今回は厳しい面も書いてある。

 言いたいのは、ドイツへのサッカー留学は今でもオススメするが大学卒業後、そこでプロを目指すとなるとかなり難しい。そして、語学勉強を怠るとそれはもっと厳しくなる。
 環境が厳しいから行かない方がいいということではない。留学してサッカーしたい。海外で勝負したい。その気持ちを折りたいわけではない。

 本当に勝負するなら、強い気持ちがあるなら語学に力を入れた方がいいということだ。

 薄っぺらいコミュニケーションでも良いし、自分で言いたいことを言えなくても良いならば別。しかし、これほど戦術が発達しどの選手にも戦術的な動きが求められている中で、しっかりとしたコミュニケーションができないというハンデを背負って勝負するのはあまりにも無謀である。そして、そのハンデをモノともしないほどの選手であればとっくにJリーグにでも引っ張られているであろう。

 アマチュアリーグからスタートする。その現実を深く考えて、しっかり語学を身につけて発言ができる準備をしていくべきだと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?