セリエA【考察】 ブレッシャvsナポリ
【はじめに】
今回はセリエA ブレッシャvsナポリを考察する。
中でも特にナポリのビルドアップ、ポゼッション変化について詳しく記述したい。
●試合の流れ
試合のほとんどの時間でナポリがボールを保持しながら攻撃の糸口を探していた。
ブレッシャは守備時、センターラインに構えて、真ん中に入れてきたパスを奪おうとしていた。プラス、ゴール前に人数を揃えて守るというのを合わせていた。ボールを奪ったら人数と手数をかけずにナポリゴールへ攻めていた。
その中で前半ブレッシャはカウンターからコーナーキックを得て、ゴールを奪う。
しかし、後半に入るとナポリを攻勢を強めて2点を奪い逆転。
試合終盤になるとブレッシャは前からプレッシングをかけたが、ナポリが逃げ切り試合終了
● 結果
ブレッシャ1−2ナポリ
スタッツは以下の通り(Goal.comより引用)
ブレッシャ 1−2 ナポリ
ポゼッション 28%:72%
総シュート数 10:10
枠内シュート 1:4
パス成功率 72%:91%
デュエル成功率 80%:29%
デュエル勝利 39%:34%
空中戦勝利 16回:7回
1対1成功数 6回:8回
インターセプト 8回:9回
【ナポリ前半のポゼッション、ビルドアップ】
基本的にナポリはMFとDFのライン間のパスを狙っていた。
ブレッシャ自体もそれをよく理解していて真ん中をとても硬く守っていてコンパクトを保ちながらサイドには人数を多くは割かなかった。
その為、ナポリはこのライン間になかなかパスは出せなかった。
●前半10分のシーン
ブレッシャはかなりコンパクト。
守備時はほとんど4−4−1−1。
ブレッシャはナポリCBマノラスとMFデンメにマンマークをつけて、中盤を経由して、サイドを変えさせないようにし、ナポリを左サイドに閉じ込めていた。
縦にボールが入ってきたらスライドをして挟んでボールを奪ったり、前を向かせないようにして中盤に簡単にボールを入れさせないようにしていた。
●前半13分のシーン
ナポリがブレッシャをゴール前に押し込んでも、ブレッシャは真ん中をかなり硬く守っていた。サイドには多くの人数を割かず、中央に人数を揃えていた。これは、ナポリが中央突破を仕掛けてくることをよくわかっていたからだと考えられる。
ナポリはサイドの崩しからクロスを狙うよりは、中央突破を多く狙っていた。これは、ナポリのFWにはフィジカル的な選手が少なく、技術的な選手が多いからだと考えられる。このため一か八かのクロスを入れるよりボールを動かしながらゴールへ迫るという選択をしていた。
このようなブレッシャに対してもナポリは中央からの突破を狙っていた。それ以外の選択肢はなかったように感じた。時々ブレッシャの選手が少しサイドに出て来た時はクロスを入れていたがその回数も多くはなかった。
結局ナポリはボールを保持するものの、中央には入れずコの字型でボールを回すことになり、シュートまでいけず、途中でボールを奪われてカウンターを喰らってしまう。そこからのコーナーキックで失点してしまう。
【ナポリ後半のポジションチェンジ】
後半、ナポリはビルドアップの時、デンメとファビアンルイスが多くポジションチェンジをすることとなる。これは前半11分のシーンでもあったのだが、デンメが高い位置を取り、ファビアンルイスが下りてくる。
デンメが中盤の底にいる時ではマンマーク気味に相手選手につかれているのでなかなか前を向けない。
しかし、デンメとファビアンルイスがポジションを変えることによって一瞬ファビアンルイスが中央で前を向いてプレーできるので、そこからキーパスを通す機会が多くなった。
●後半46分のシーン
このようにポジションチェンジをすることによって真ん中で前を向ける選手ができた。これにより前半よりスムーズにライン間にボールを運んだり、逆にブレッシャが中央に引っ張られすぎてサイドからブレッシャの最終ラインと対峙することが多くった。
ファビアンルイスは左利きなのでマリオルイの左サイドからのパスを右足で止めて前を向くと人数が多い左サイドにボールを素早く出しやすい。加えてボールを受ける選手は右利きの選手が多いのでボールを受けてからコートの左側から中央に切り込みやすく、コンビネーションを狙いながら中央突破がしやすい。
ブレッシャが前からプレスをかけるようになるまで、このパターンで何度も相手の第一プレッシャーラインを突破してMFとDFのライン間に後半は多く入り込めていた。
【サイドの崩しのパターン】
ナポリは中央突破を狙っていたが、それだけではなかなかゴールに近づくことはできない。サイドからの攻撃があるからこそ中央突破が効いてくる。
特にサイドでボールを持った選手に対してサポートをしていたが、そのサポート方法を変えればもっと効果的に攻撃ができたと思う。
ナポリはサイドで相手と対峙した時、間で受けるかオーバーラップするかどちらかが多かった。スペースをつきながら相手の背後へ飛び出す動きが少なかった。そこにインラーラップを増やしていくべきだと感じた。
サイドでボールを持った時、相手SBが対峙している。そうすると相手SBとCBの間にスペースができる。そのスペースをもっとついていく攻撃を加えるべきである。
そのスペースに向かって走り出すことによって、そのままフリーでボールを受けてサイドから中央に向かって攻撃をすることができる。他にもその選手に相手CBが反応してついていけば、中央が薄くなり、クロスやパスを出すチャンスも増える。もしMFがそのインナーラップの選手についていけば中央にスペースが生まれ、最終ラインの前でフリーでボールを受けることができる。現にその形からゴールが生まれた。
●54分のシーン
この相手CBとSBの間のスペースをもっとついていくことで相手の最終ラインを混乱させることがより簡単になる。
サイドでポリターノが持った時にロレンツォはポリターノの外側をオーバーラップばかりしていた。ポリターノもラインギリギリで受けているので相手CBとSBの間にスペースが相手いたのでそこをもっとつければサイド攻撃のバリエーションが増えて、中央攻撃が行いやすくなったのではないかと思う。
【終わりに】
今回はセリエAブレッシャvsナポリの試合を考察した。
ナポリはサッリの時から変わらずショートパスを繋いでなんとかゴールをこじ開けようとしていた。
ナポリは現在6位。
監督がガットゥーゾとなり、シーズンの終盤のこれからの戦いが楽しみだ。
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