隣の席の男が

新幹線に乗っている。
名古屋で、「鮭なら死んでるヒヨコたち」という芝居に出演するためだ。

隣の席の男がさっそくパソコンを取り出して仕事を始めた。それはいい。
ログイン画面に、ばっちり本名が出ている。名字は普通だったのですでに忘却の彼方だが、名前が「りあむ」くらいは珍しいので見えた瞬間に覚えてしまった。

こういう事態に遭遇すると、すぐ、これは謎解きに使えそう、と思う。

ただ、謎解きに使えそう、と思ったものは使えないことが多い気がする。謎解きには使えなそうなものにこそ、アイデアは眠っているのではないか。

でもそういうのは、もっと頭のいい人に任せたい。

今日からさっそく稽古だが、台詞はまだほとんど入っていない。本番は25日だ。大丈夫、今年の頭に出演した「グランダルメの寵児」より台詞は少ない。たぶん。

とはいえインプットの日々になるだろう。
同時進行でまだ詳細が言えない謎解きの仕事もある。ほんとにそんな余裕があるのか?


昨日、沖縄から帰ってきたら、嫁が手に入れてくれていた。なかなかしっかりした内容で、なかでも、巻末の妖怪クイズが本気だった。

ひとつめ小僧が持っている豆腐を食べるとどうなる?

大人なら当然知っている内容なのでこたえは書かないが、子供向けにしてはなかなかの知識を問う問題ではないだろうか。

あと、水木しげる御大の絵なので、ちゃんと怖い。可愛らしくデフォルメされた生ぬる妖怪に慣らされた令和の子どもたちに、是非本物を教える一助となってほしい。本物ってなんだよ。

袖引き小僧、かわいいよな。


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