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スクラッチシール最強!! ますます重要になるまさかのときのケータイ・パソコンのアクセス引き継ぎ問題

スクラッチシールの威力

今回は、終活に有効な”スクラッチ シール”の活用方法について書きたいと思います。スクラッチシールは普段秘密にしておいて大事なときだけ使えるようにするのに最適なツールなのです。スマホやPCなどのパスワードを書き残すにはうってつけです。


葬儀の段取り、遺産の整理で残された大切な人に大変な思いをさせないために。

 まさかのとき、残された家族や友人が葬儀のときにすぐに取り掛からないといけないことの1つに、訃報の連絡があります。
 SNSの普及に伴い年賀状のやりとりをやめる人も増えてきました。残された人が何の手がかりもなく故人の交友関係を把握し、もれなく連絡を行うのは難しくなってきています。
 突然の訃報に対し、お世話になった人々に心残りなく故人を見送ってもらいたい遺族にとっては、自身も突然の出来事で動揺する中、スマホやPCなどの手がかりもなく知らせもれがないようにするのは難しいことなのです。

デジタル資産相続のリスク

 また、相続を考えたときに、デジタルな遺産、特に最近では暗号資産については、暗号資産を管理するいわゆる「ウォレット」の秘密鍵の管理が問題になります。暗号資産は秘密鍵の情報を紛失してしまうと、永久にアクセスできなくなってしまいます。
 もし故人が暗号資産を保有していて、遺族に適切に引き継がれずに放置した場合、遺族が暗号資産にアクセスできないにもかかわらずその相続に関する申告義務だけは残り、申告漏れを問われることにもなりかねません。

エンディングノートを残すのが一番ですが。。

 こうした備えとして、「エンディングノート」を準備し、家族や友人で共有するが一番です。しかし、ついつい先延ばしにして用意できなかったり、用意できても最新の情報に書き換えしていなかったりします。

スマホ・PCへのアクセス許可が鍵

 デジタル全盛の現代では、なんといってもケータイ・スマホやパソコン・タブレットの情報にアクセスできるのが故人の連絡先や交友関係を知る一番の手段です。遺族にとって訃報連絡の手がかりになるのはもちろん、その後の相続事務や財産調査にも必要な情報となります。

 ですが、スマホやパソコンのアクセスを、普段からまさかの事態に備えて、パスワード(パスコード)を残して家族と共有しておくのは、プライバシーやセキュリティの観点から抵抗があります。 

そこで、情報引き継ぎ用カードを作るのも一案

もしものとき 訃報連絡・相続事務用情報連絡カード(弊事務所作)


 名刺大のカードやエンディングノートに、パスワード(パスコード)を残し、そこを市販の「スクラッチシール」を貼ります。
 スクラッチシールは一旦貼ってしまうと、コインなどで削らないと中身を見ることができません。生前にパスワードが誰かに見られてしまうことを防止できます。カードやエンディングノートで管理し定期的なチェックもかかさないようにすることが必要です。

カードには、どういう機器、SNSか、という種別と、パスワード(PIN、パスコード)を書き込み、パスワード部分にはスクラッチシールを貼ります。
中身を確認するには、スクラッチシール部分を削るしかありません。

カードは預金通帳などと安全な保管場所に

 スクラッチシールを貼ったカードやノートは大事に預金通帳などと保管しましょう。ただし、定期的にパスワードが漏洩していないか(スクラッチ部分が削られて中身が覗かれていないか)確認する必要があります。
 こうした備えをしておけば、自身に万が一のことがあった場合でも、自身のスマホやPCの中身から、家族や身近な人に必要な連絡先を見つけてもらえることでしょう。
 これはまさかの事態に直面し動揺する遺族・友人に対し余計な手間やストレスをかけさせない故人の配慮、思いやりでもあります。

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