友情絶望

とにかく今日という1日を納得した時間にする。今はそれしか考えていない。この目の前にある24時間だ。月曜日は映画『茜色に焼かれる』を見た。これは大正解だった。

大いなる刺激を受けた。かなり職人肌の監督だ。夫を交通事故で亡くしたシングルマザーが主人公。13歳の息子と二人暮らし。公営住宅なので家賃は2万7千円とか。

スーパーと風俗で働くダブルワーク。気になるのは彼女の思考方法だ。夫が死んでしまった。高齢者が運転でアクセルとブレーキを踏み間違えたことでその犠牲になった。

これって池袋で起きた実際のできごとを想像させる。冒頭、その運転手の葬式のシーンで彼女は香典、1万円を持って列席した。遺族からは嫌がらせかと強く反発される。

「顔が見たかった」と平然と言い切る彼女。賠償金とかはすべて拒否。一切、受け取らなかった。相手方の弁護士がまたえげつない。クール。ドライ。人間的感情のかけらもない。

この映画は極めて露悪趣味だ。全編そうだ。ディテールの表現に意地悪さを積み重ねていくのだ。剥き出しの下品さというか。しつこい。くどい。すべてそれも計算済みだ。

そういう意味では統一感がある。腕がたしかだ。なんだか「毒を食らわば皿まで」という諺。あるいは「毒には毒をもって制す」。そんな言葉をつい連想させる。

毒と夕焼け? そうだよな。そこに性の問題を絡ませる。その剥き出し感。露骨。読後感に例えるとよろしくない。それが監督の狙いか。俺は完全にハメられたよ。

やられた。さて、この日はVoicy「風の声ラヂオ」の収録日。13時00分、神田の貸しビルに行く。お題は四つ。そのうちの三つは相方の柴田が考えてくる。

私は何も考えない。残りの一つはその場で決める。全部、出たとこ勝負。台本なしなのだ。男女の性差についてどう思うか? ターザンが精子保存したらどうなるの?

そんな質問なのだ。ちょっとヤバいぜ。面白いけどね。みんなその時の思い付きで喋るだけさ。関係ない。あっという間に1時間が過ぎる。いつもそうだ。

火曜、木曜、土曜、月曜日に発信する。いいペースだ。社会不適合者に向けてね。俺たちがそうだから。21世紀は社会不適合者の時代なのだ。適合することはストレスにつながる。

悪だ。みんなそのことに気が付いてきたんだよ。俺はやるぜ。収録が終わるとサンマルクカフェで雑談。90分。これがまた楽しい。大したこと話していないんだけど。

心地いい。彼と別れると錦糸町に移動。映画を見るつもりが見たい映画がなかった。終わっていた。退散。帰宅すると思索の時間。アントニオ猪木について考える。

土曜日、26日、古舘伊知郎さんとトークショー。それに備えてだ。猪木ーアリ戦があった日だから。あと友情論。キケローの『友情について』を読破した。

友情よりも生き方論。人とは生き方しか問われない。その先に死に方がある。友情とは実は絶望のことなのだ。そこまでいかないと本物とは言えない。それが哲学。

きょうの“四字熟語”は友情絶望。


ターザン大陸より)
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