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第75回秋季千葉県高等学校野球大会 準決勝プチ展望

 やあどうも、しゅうです。ご無沙汰してます。
 夏の振り返りのnoteをサボってしまったので、久々の投稿となります。
さて、千葉の秋は4強が決まりました。私は秋も成田中心に見ているわけですが、有難いことに主要チームもほとんど見ることが出来ています。
今回は準決勝2試合のプチ展望を書いていきます。久々に文章らしい文章を書くので、リハビリ的なものと思って見て頂けたら嬉しいです。(笑)
 それでは見ていきましょう。

第一試合 専修大松戸(昨夏V)vs市立船橋(今夏V)

 左側から勝ち上がってきたのは昨夏王者の専修大松戸と今夏王者の市立船橋、いたって順当な組み合わせと見ていいでしょう。まずは両校の勝ち上がりから。

専修大松戸
予選1回戦 vs船橋北 16-0(5回コールド)
代表決定戦 vs東京学館船橋 12-1(7回コールド)
県大会1回戦 vs敬愛学園 8-2
   2回戦 vs千葉北 6-0
   3回戦 vs千葉経大付 11-7
   準々決勝 vs 木更津総合 7-2

市立船橋(予選および代表決定戦は甲子園出場により免除)
県大会1回戦 vs東邦大東邦 10-0(6回コールド)
   2回戦 vs習志野 9-8
   3回戦 vs行徳 11-1(8回コールド)
   準々決勝 vs志学館 11-3(8回コールド)

 2年ぶりの秋関東を目指す専大松戸は夏を経験した選手たちが「個」を活かし躍動。コールドこそ無いものの、全試合で安定した戦いぶり。3回戦の千葉経大付戦は序盤で4点のビハインドを追いかける展開となるも、すぐさま逆転し逃げ切る形に、準々決勝の木更津総合戦は終始投打で圧倒する展開となりました。

 野手では上位に座る清水友惺(小金中)と中山凱(白山中)の1年生コンビが好調。初戦ではそれぞれ1本ずつタイムリーを放つと、2回戦では中山が2本の犠牲フライ。序盤から4点を追いかける展開となった3回戦では、中山が初回に先制ホームラン、清水は3出塁3得点とそれぞれ活躍。準々決勝ではこれまた初回に中山がフェンス直撃の先制タイムリー、清水は2出塁2得点とそれぞれ「出る」「返す」の役割を確実に果たしているという印象。
その他では3試合で4番に座った太田遥斗(鎌ヶ谷中)が3回戦ではホームランを含む3本の長打で3打点の大暴れ、準々決勝でも9回にダメ押しとなるホームランを放つなど中軸としての働きを見せると、全試合1番に座る主将の大森准弥(上一色中)は初戦で3安打2打点、3回戦以降は少しバットは湿っているものの2試合で3得点と1番としての役割は十分に果たしていると言っていいでしょう。
3回戦からは夏の千葉英和戦で満塁ホームランを放った吉田慶剛(高崎中)が4番に戻ってくるなど、上位~中軸の充実ぶりは関東でもトップクラスだと思います。

 確認できるだけでも9人前後がベンチ入りをしている投手陣では、背番号1を付けた青野流果(上一色中)が右サイドから高校生離れした変化量を持つスライダーを武器に1~3回戦で好リリーフ。さらに特筆すべきは、夏に150キロを計測し一躍話題になった平野大地(新利根中)。大会直前のメンバー変更でベンチ入りすると、大一番となった準々決勝の木更津総合戦で満を持して初登板。本人曰くスピードは意識していないということだが、常時140キロ台中盤~後半のストレートとキレのあるスライダー、さらにカーブも上手く散らしながら9回8奪三振で完投。バットでもホームランを含む2安打3打点の活躍で夏のリベンジを果たしました。
夏以降、調整が主だったために中5日となる市船橋戦ではどのような起用になるかはわかりませんが、投打にキーマンとなるのは間違いないでしょう。

 対する市立船橋は甲子園を経験した選手たちが躍動。県大会からの登場で、初戦は東邦大東邦相手に完勝。2回戦で実現した習志野との好カードでは、終盤にかけて猛烈な追い上げを受けるも辛勝、3回戦以降の2試合はいずれもコールドで勝ち上がってきました。4試合で41得点は拓大紅陵と並んでトップタイです。

 打線では全試合で4番に座る主将の篠崎大耀(習志野六中)がここまで大暴れ。2回戦の習志野戦で2本のスリーランを放つと、3回戦の行徳戦ではコールドを決める満塁ホームラン、準々決勝ではホームランが出ればサイクルヒットという3安打2打点の活躍。最低でも彼の前に出していいランナーは一人まででしょう。

その篠崎の前に座る大野七樹(鎌ヶ谷四中)も甲子園を経験した1年生。
特筆すべきは出塁率とアジャスト能力の高さ。特に3回戦以降の2試合では、10打席で8出塁、三振が0と驚異的な数字。夏は異常なまでの得点圏への強さを見せたこともあり、さらに攻略が難しくなった打者になった、という印象です。

上位打線では、こちらも甲子園で打席に立った田中淳弥(みつわ台中)が直近2試合で5安打と好調。1番に座るハレグザッドノア(打瀬中)と合わせて大野・篠崎の前にどれだけ出塁できるかが、準決勝では間違いなくキーポイントにねってきます。

 森本哲星・坂本崇斗のWエースがいなくなった投手陣では、背番号1を付けた稗田真都(三田中)が台頭。初戦と準々決勝ではそれぞれ先発で試合を作ると、習志野戦では1点差での好リリーフと、前でも後でも安定感のある投球。
春の決勝、銚子商戦で先発に抜擢され3回途中無失点の好投を見せた工藤将祐(花園中)は習志野戦に先発。7回に集中打を浴びるも、それまでは2失点に抑える投球。専大松戸戦もこの二人を中心に、継投になると予想します。

 現段階で千葉のTOP2が激突する事となった第一試合。球場で見ても両校ともベンチの雰囲気がかなり良く、ノビノビとプレーしているなという印象でした。試合展開としては、延長12回の死闘となった19年秋の習志野vs木更津総合、この試合に近い展開になるのではないかと予想しています。
それぞれ先発・リリーフの安定感があり、打線では上位が出塁し中軸のコアが確実に返すという、強いチームの特徴が共通点として挙げられます。
その中でも専大松戸は投打ともに圧倒的な「個」の強さ、市立船橋は甲子園での経験を活かした足も絡めながらのスピード感のある野球と、違ったカラーも見えます。
このうち関東への切符をつかむのは一校のみ、「個」か「経験」か、千葉県内だけでなく全国が注目する一戦となるはずです。

第二試合 成田vs拓大紅陵

 右側から勝ち上がってきたのは、2006年以来16年ぶりに秋関東出場を目指す成田と、2年連続の出場を狙う拓大紅陵。まずは両校の勝ち上がりから。

成田
予選1回戦 vs鎌ヶ谷 9-0(7回コールド)
代表決定戦 vs成田国際 12-5(8回コールド)
県大会1回戦 vs我孫子東 6-0
   2回戦 vs木更津 11-0(5回コールド)
   3回戦 vs茂原北陵 6-4
   準々決勝 vs八千代松陰 2-1

拓大紅陵
予選1回戦 vs千葉英和 10-0(6回コールド)
代表決定戦 vs千葉工業 11-6
県大会1回戦 vs流山南 10-0(6回コールド)
   2回戦 vs四街道 10-0(5回コールド)
   3回戦 vs船橋 12-3(7回コールド)
   準々決勝 vs東京学館浦安 9-2(7回コールド)

 伝統的な組織力の高さと巧みな試合運びがこの秋も光っている成田は、そこに「個の強さ」が加わり勝ち上がってきました。1,2回戦はホームの大谷津で共に完勝。3回戦の茂原北陵戦は最後2点差まで追い上げられたものの、点差以上にどこか余裕が感じられた試合展開、戦前の予想通りハイレベルな投手戦となった準々決勝は、8回のワンチャンスをものにして逆転勝利。特に準々決勝の粘り勝ちはこの先に大きく活きてくる一勝だと思います。

 打線の中心は1年夏からレギュラーで出場を続けている加古陽輝(酒々井中)。初戦でタイムリー一本、3回戦では3安打を含む4打席で全出塁、準々決勝の八千代松陰戦では7回までほぼ完璧に封じ込められていた、相手先発の水谷鑑人から値千金の同点タイムリーを放つなど、全試合で上位としても中軸としても120点の働きを見せています。

1年生ながら4番に座る鹿児島大輝(大宮中)は初戦、3回戦で共に猛打賞、準々決勝では決勝だとなる一打を放つ(記録はエラー)など、変化球を逆方向に持っていくのが非常に上手いクラッチヒッター。2回戦から5番に座る津留崎翔大(鎌ヶ谷五中)は3回戦で完璧なスリーランホームランを含む4打点の大暴れ、1年生の鈴木晴仁(成東中)にも長打が期待でき、切れ目のない打線が最大の特徴。ここ2試合1,2番の出塁があまり出来ておらず、決めきりたいところでコールドに出来ない、という試合があったため(八千代松陰戦は1番大野の唯一の出塁が逆転に繋がった)、準決勝は出塁へのこだわりが鍵を握ってきそうです。

 投手陣ではこちらも1年秋からマウンドに立つ齋藤悠世(緑が丘中)が大黒柱。右サイドから常時130中盤~後半の重さを感じるストレートと空振りの取れるスライダーを武器に、初戦が無四球完封。八千代松陰戦では初回に失策がらみで1点を失うも、2回以降は連打も浴びず9回無四球8奪三振で完投と昨秋のリベンジを果たしました。

2番手に躍り出たのは長島光来(大和田中)。3回戦の茂原北陵戦で今大会初先発すると、最速138キロのキレのあるストレートを武器に7回までほぼ完璧な投球を披露。疲れの見えた8回にスリーランホームランを浴びて降板となるも、決めにいったボールの威力は終始齋藤と並ぶものがありました。

 相手が強くなると初回に少し浮足立ってしまう場面が目立つ成田ですが、このチームは八千代松陰戦では先制された直後にダブルプレーで切り抜けるなど、立て直す力もかなりあると思います。準決勝は上位の出塁率と立ち上がりの切り抜け方、この2つがポイントになると思われます。

 対する拓大紅陵はここまで圧倒的な「打力」で勝ち上がってきました。
代表決定戦以外は5試合全てコールド勝ち。4試合で41得点は4チーム中トップタイ、4試合で5失点という数字も4チーム中トップタイと数字上では4強の中でもリードしています。

 打線は夏を多く経験した選手たちが中心。昨秋から上位に座る俊足好打の菰田朝陽(御宿中)は今や関東を代表する外野手に。初戦では1安打2四球、2回戦~準々決勝までそれぞれ2,3,2安打を放つなど驚異の核弾頭として牽引。彼を出してしまうか抑えられるかで失点の確率も大きく変わるでしょう。

夏からレギュラーだった黒田陸(妙典中)も3試合で6安打と好調。その後ろに座る永嶋七海(東金西中)は4試合で8打点と、こちらも上位が出塁し中軸でしっかり返すことが出来るという印象。打線全体で見て出塁率が高く、四球も選べるため、準決勝はより足も使っていければ得点の確率が上がってくるでしょう。

 夏の3年生3本柱が抜けた投手陣は、ここまでほぼ継投で勝ち上がってきました。初戦は諸星大翔(須賀中)-加瀬幸也(旭二中)-佐南康介(山内中)の完封リレー、2回戦は背番号1を付けた竹内界翔(足利西中)が完封。3回戦は諸星-加瀬-宮川育(木更津二中)、準々決勝は佐南-福田夏蹴(白井中)のリレーで、ここまで計6人の投手を使い勝ち上がってきました。3回戦以降、竹内がベンチ入りしていないのが気がかりな部分ではありますが、準決勝も複数人での継投が予想されます。

 ここまで4試合全て大差で勝っているだけに、接戦に持ち込まれたときにどのような粘り強さを見せてくるか。「秋の紅陵」はここ数年安定した強さを見せているだけに、この打線のレベルなら早めにビッグイニングを作る、というところがポイントになると思います。

 右側からもそれぞれ持ち味を発揮しながら順当にこの2チームが勝ち上がってきたな、という印象です。後半勝負持って来いの成田と、なるべく序盤で決めてしまいたい紅陵のカードは、第一試合以上にチームとしてのカラーが前面に出てくる試合になると予想します。成田のチームトータルで見た組織力、紅陵の打線のつながりはそれぞれ関東でも通用するレベルにあると思っています。しかし、関東への切符をつかめるのは一校のみ。
「組織力」か「打」か、要注目です。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。準決勝2試合は10/1(土)に千葉県SC野球場で行われます。準々決勝までと違い当日券販売は予定されていないので、前売り券を購入し、「スタンド」で観戦しましょう。
(噂によれば4校ともブラスバンドが来る…?というような話もあたりなかったり)
現地に来ることが出来ない方も、今年は千葉テレビで放送予定があるのでそちらで観戦されるのもいいと思います。
関東への切符は二枚!決勝が行われる2日も含め天気が持つことを祈りつつ、今回はここまでにします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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