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第103回全国高校野球選手権千葉大会展望振り返り&秋以降の展望

(ヘッダー画像引用:自分)

 やあどうも、しゅうです。
 少し間が空いてしまいましたが、第103回全国高校野球選手権千葉大会は専大松戸高校の劇的なサヨナラ勝利で優勝を決め、幕を閉じました。
 他県ではコロナ関連で出場辞退せざるをえない高校が出てきてしまった中、千葉大会では全チーム全試合、雨という敵に全チームかなり悩まされましたが(?)、無事に消化できたことに一ファンとして嬉しく思いますし、有観客で予定されていた試合もすべて実施され、こちらも嬉しく思います。

 今回のnoteでは、優勝校・専大松戸、準優勝校・木更津総合を始め主なシード校やベスト8進出校と気になった高校の振り返り、個人的なベストナインの選定、また甲子園大会の展望と県内の秋以降の展望についても書いていこうと思います。
 少し内容的には長くなるかもしれませんが、最後まで見ていただけたら嬉しいです。

優勝 専修大松戸高校

2回戦   vs西武台千葉 14-0(5回コールド)
3回戦   vs木更津 10-0(6回コールド)
4回戦   vs千葉経大付 8-1
5回戦   vs東海大市原望洋 1-0
準々決勝 vs千葉明徳 2-1(延長11回)
準決勝  vs八千代松陰 7-2
決勝   vs木更津総合 10-6(延長13回タイブレーク)

 「大本命」と称されていた専大松戸が、2015年以来6年ぶり2度目の甲子園出場を果たしました。組み合わせの時点では、一部から「初戦からきつそうだな…」という声がちらほら見えた(?)ようでしたが、なんのその。
 初戦(2回戦)、3回戦とコールド&完封勝ち。4回戦の千葉経大付戦はコールド勝ちまではいきませんでしたが、好投手・渥美亮太を打ち崩し8得点。
 5回戦、準々決勝は共に投手戦となりましたが、圧倒的な投手力を見せつけ接戦をものにします。
 打線の低調が不安視されていた準決勝では、安定感のあった八千代松陰投手陣を前に、先制・中押し・ダメ押しで着実に得点を重ね快勝。
 決勝の木更津総合戦は序盤から追いかける展開となりましたが、千葉県屈指の好右腕・島田舜也から相手のミスにも乗じて5回に逆転。8回に追いつかれましたが、延長タイブレークに入った13回、表の守備を0点で乗り切ると、裏に無死満塁から吉岡道泰の劇的なサヨナラ満塁優勝決定ホームランが飛び出し、優勝を果たしました。

甲子園に向けて

 先日行われた抽選会によって、専大松戸の初戦の対戦相手は大分県代表・明豊高校に決まりました。今年のセンバツ準優勝を果たした優勝候補です。
 個人的に専大松戸のこれまでの甲子園の初戦は、夏初出場時が花巻東、センバツ初出場時が中京大中京と、きちんとした野球をしてくる手ごわい相手が続いてきましたが、ここでより手ごわい相手に初戦であたったと言っていいでしょう…。笑
 しかし、今年の専大松戸はベスト8に入る力は間違いなくあると確信していますし、初戦をいい形で勝てれば一気に優勝候補に名乗りをあげてくるのではないかとも思っています。

 投手陣では今や高校野球ファンの8割以上が知っているであろう、
深沢鳳介岡本陸の2枚看板。春に岡本とともに台頭してきた中舘宙の登板が無かったのが多少の気がかりではありますが、基本的にこの二人が本調子で甲子園入りできれば問題ないでしょう。
 守備では7試合で3失策、それも一人によるものなので安定していたと言えます。点を取られてはいけない緊張感のあった望洋戦や千葉明徳戦でも、ここぞの守りで集中力の高さが光っていました。
 ただ、決勝ではホームに投げなくていい場面で投げて、そのフィルダースチョイスが同点につながるなど、防げた失点、取れたアウトがあったのも事実です。甲子園では例年に比べて小規模ではありますが、吹奏楽が入るので県大会以上に指示の声などが通りにくくなるかもしれません。
 しかし、そこは組織力と甲子園での経験も兼ね備えている専大松戸なので、初戦までに確実に修正してくれるはずなので、大丈夫でしょう。

 攻撃面では7試合で犠打15、盗塁が19と破壊力を感じた春に比べてかなり1点を大事に取ってきているなと感じました。
 準決勝からは固定していた上位打線を少し組み換え、2番を打っていた吉岡道泰を1番に、恐怖の9番打者として躍動していた苅部力翔を2番に上げた結果、準決勝の7打点はすべて3~5番が叩き出すと、決勝では吉岡・苅部合わせて7打点と、この打線組み換えは大成功となりました。

(春終了後にしていた個人的な願望がここまでハマるとは思っていませんでした笑)

 おそらく甲子園でもこの形がベースに、調子のいい選手が上位に並んでくるでしょう。センバツでは無得点、今大会では打線の爆発にも期待です。

 初戦は8月12日(木)、大会4日目第2試合、大分代表・明豊高校との対戦が決まりました。テレビやラジオなどの前でぜひ応援しましょう!!

準優勝 木更津総合高校

2回戦   vs暁星国際 3-0(7回降雨コールド)
3回戦   vs船橋北11-0(6回コールド)
4回戦   vs佐倉東18-0(5回コールド)
5回戦   vs成田9-2(7回コールド)
準々決勝 vs習志野6-2
準決勝  vs中央学院12-3(7回コールド)
決勝   vs専大松戸6-10(延長13回タイブレーク)

 春は3回戦で東京学館浦安に競り負け、Cシードで夏に挑むこととなった木更津総合。抽選会では成田と習志野のいるブロックに入り、5回戦以降で戦った相手校のネームバリューは近年でも圧倒的だったと言っていいでしょう。
 その中でも攻撃面では先頭打者本塁打2本を含む3本塁打を放った秋元俊太や、チーム最多の11打点を挙げた大西智也など下級生から着実に経験を得てきた上位打線を中心とし、チーム打率は.372、長打の数は7試合で驚異の32と、打線のつながりは今チームでも県内随一でした。
 投手陣では春は手術明けで不調だった島田舜也が見事に復活。

 その島田の代わりに春に1番を背負った右サイドの神子史温はチーム最多の3先発、2年生の越井颯一郎もリリーフで複数回140キロ以上を計測するなど、投手陣の質は専大松戸に匹敵するものがありました。こちらも千葉でなければ…といった、全国で見たいチームの一つでした。

 新チームは、投手陣では上記の越井と金綱伸悟の二人を軸に、野手では菊地弘樹中西祐樹など、春夏を経験したメンバーが多く残ります。
 一次予選では順当に勝ち上がれば、代表決定戦で千葉黎明と対戦するという見ごたえのある組に入りました。どう勝ち抜いていくか注目です。

ベスト4 八千代松陰・中央学院

 ベスト4は八千代松陰と中央学院。
 八千代松陰はCシードからの勝ち上がり。制球力抜群のエース・二瓶大紋を中心とした守備と、どこからでも点の取れる打線で、県船橋や日大習志野といった、今大会で勢いに乗っているチームに対し、安定した戦いぶりと得点の重ね方が印象に残りました。
 下級生では主将・一色徹也の弟・健也がマウンドに上がり、6試合中5試合でサードのスタメンを張り、専大松戸戦では深沢からチーム唯一のタイムリーを放った藤平愛也など1年生の活躍も目立ち、新チームも楽しみです。

 中央学院は春から注目されていた細谷怜央飯尾嶺の2枚看板が揃って本調子でない中、2年生の糠谷翔大が5試合登板のフル回転でチームを救いました。
 打線は6試合でチーム打率.427、本塁打6本と破壊力は今年も健在、特に千葉黎明戦で見せた逆方向に放り込んだ二発は、今年の中央学院を象徴していたように見えました。スタメン野手8人全員がOPS.900という、千葉県屈指の打線でした。

ベスト8 千葉明徳・習志野・日大習志野・千葉黎明

 千葉明徳はエース・水野源章を中心とした堅い守りで堅実に勝ち上がってきました。初戦も当初の予定から8日遅れ、2回戦でCシードの流経大柏と当たるという厳しい日程ではありましたが、準々決勝の専大松戸戦では王者を本当の崖っぷちまで追い込んだ試合巧者ぶりは見事でした。

 習志野は秋の地区予選敗退から、春夏連続ベスト8とさすがの立て直しを見せました。3年生の主軸小林風太乘松唯人飴谷廉広はいずれも打率4割超、出塁率も5割超と打線を牽引。下級生も多く残りますので、新チームは秋からの躍進に期待です。

 日大習志野は創部史上初のベスト8進出。エース・小椋勇虎と強打の捕手・廣田悠斗を中心に鉄壁の守備陣と接戦を勝ち抜く集中力は、私を含む千葉の高校野球ファンを大いに沸かせてくれました。特に4回戦の市船橋戦では最少失点で凌ぎながら、7回に相手のミスに付け込み逆転、逆転してからは3回ノーヒットで抑えるなど持ち味を最大限発揮して大金星。今年の千葉を大いに盛り上げてくれたチームの一つでした。

 6年ぶりにノーシードから夏に挑んだ千葉黎明は初戦、実力校の安房に勝つと、4回戦では今夏もう一つの本命と見られていた千葉学芸に対し、序盤で大会最注目左腕・北田悠斗をマウンドから降ろすと、15安打8得点と打線爆発。最後は2点差まで追い上げられましたが、逃げ切りました。
 千葉黎明戦と中央学院戦で先発した2年生の伊東賢生は新チームでも注目の右腕、一次予選では木更津総合と当たる可能性があるので、短期間でどのように仕上げてくるか注目です。

惜しくも敗れた注目チーム、選手たち

 Aシードで臨んだ県船橋と成田は共にベスト16で敗退。
 県船橋は初戦から3試合コールド勝ちと打線が絶好調、特に4回戦の銚子商戦では本橋隼人がサイクルヒットを達成。主将の筒井俊介安東大輝らで形成された上位打線の迫力は今大会でも屈指でした。
 守備ではエースの荒井皐、秋春の正ショート・越智晴紀を欠きながら、Wエースの一角・中園遼太郎や1年生の三上光が台頭してきたのは新チームに向けて明るいニュースだったでしょう。秋にどんな新しいチームを作ってくるか気になります。

 成田も初戦から3試合連続コールド勝ちで3試合合計46得点と断トツの数字。4回戦の四街道戦では2回までに7失点と苦しい展開ながら、2回途中からリリーフした主将でエース・永名悠平の好投で流れを変えると、最終的には18安打17得点と打線大爆発で逆転でのコールド勝ち、地力の高さと劣勢での反撃力は近年のチームの中でもトップクラスでした。特に1年生の加古陽輝が2打席連続で初球を捉えタイムリーを放つなど、1年生らしからぬ活躍でチームを救いました。
 加古は軟式出身ながらバットコントロールはすでにチーム屈指のものを持っており、ここからさらに身体が出来上がってくれば、今後千葉を代表する巧打者になってくるでしょう。

 春県優勝で関東大会では、関東一高をあと一歩のところまで追い詰めた千葉学芸は4回戦で千葉黎明に惜敗。
 プロ注目のスラッガー・有薗直輝は3試合で5四球と警戒されながら、打率.500。一発は出なかったものの、守備でも3試合無失策とこれからの活躍にも目が離せません。
 初戦の市川工戦で2本塁打を放った板倉颯汰を始め、スタメン野手8人全員が打率3割超。千葉黎明戦の最終回に見せた驚異的な追い上げは、今年の千葉学芸の魅力というものを最大限見せてくれたと思います。

 Bシードの市船橋と東京学館浦安はそれぞれ4回戦と5回戦で惜しくも敗退。しかし市船橋は左腕・森本哲星と強肩・強打の片野優羽のバッテリー、学館浦安は根本騎平澤登悠幹の上位打線コンビや投手と外野を兼任する千葉飛猿などと、春夏を経験した主力の下級生が多く残り、新チームから期待がもてます。市船橋においては、一次予選で拓大紅陵・千葉学芸・成田という予選における一番激しいブロックに入ったので、どのような戦いを見せてくれるか注目です。

 プロ注目の選手ではまず東京学館の粟飯原龍之介。チームは3回戦で千葉経大付相手に惜敗。大会前に足のけがの影響もあり、打撃では本調子とはいきませんでしたが、守備は2試合無失策、初戦の志学館では3盗塁と持ち味は存分に発揮しました。すでにプロ志望を表明しており、大型遊撃手として今後どのような選手に育っていくか目が離せません。

 幕張総合のスラッガー・村山亮介は、初戦で市原中央相手に9回2アウトから追いつく驚異の粘りを見せたものの、延長戦の末惜敗。
 村山自身は6打席中3打席で四死球と警戒されながら、先制された後の8回に同点に追いつくタイムリーを放ち、4点を追う9回には押し出し四球を選び同点に繋げるなど、ここぞの場面での落ち着きと集中力はピカイチ、捕手としても難しい試合展開の中、4投手をリードしました。
 村山もプロ志望を表明しており、千葉学芸の有薗とともに千葉県産のスラッガーとしてどのような進路を歩んでいくのか注目です。

 日体大柏のコッシ―オ・アダムカツは初戦の千葉東戦で待望の一発。
全4安打中3本が長打と、夏はバットで魅せ、2本塁打を放った蓮本稜とともに4試合で31得点を挙げた打線を牽引。捕手としても全4試合で
スタメンマスク、3回戦では自らマウンドに上がり試合を締めるなど、投打にフル回転の活躍でした。

 今大会目立った好投手では、まずは東海大市原望洋の木村旭。5回戦の専大松戸戦で先発すると、強力専大松戸打線に対しストレートやフォーク系のボールをゾーンで上手く散らしながら、散発6安打、6奪三振無四球と堂々たるピッチング。チームは惜しくも敗れたものの、6奪三振中5つが3アウト目という味方に勢いを持ってくる、エースとしてお手本のような投球でした。

 千葉英和の柳川陽翔は背番号19ながら初戦の袖ヶ浦戦でノーヒットノーランを達成。3回に出した四球が唯一出したランナーで89球で投げ切り、球数100球未満で完封する「マダックス」も成し遂げました。
 対する袖ヶ浦の波多野龍星も11安打を浴びながら粘り強く投げ、こちらも99球1失点で完投。二人ともまだ2年生なので、秋以降が楽しみな投手です。

 個人的に一番目に留まったのは東海大浦安の川崎健也。初戦の姉崎戦で最終回に登板すると、力のあるストレートで2奪三振。4回戦の千葉敬愛戦では先発し5回1失点と完璧なゲームメイク。大会前の登録変更でメンバー入りしした選手でしたが、姉崎戦で投げていたストレートにはかなりの衝撃を受けました。仮にこの先もどこかで野球を続けるなら、ぜひもう一度見てみたい投手の一人です。

番外編:「魅せに魅せた」市原中央

 天気に悩まされ、試験期間も重なり中々試合が消化できなかった大会序盤、千葉だけではなく多くの高校野球ファン(?)を沸かせてくれたのは、間違いなく市原中央でしょう。
 初戦の成田国際戦では序盤のチャンスを中々ものにできない中、5回終了時で3点のビハインド。その後シーソーゲームとなり延長に入ると、12回に相手のミスに付け込み3点を取り勝利。3回戦の幕張総合戦は一転6回まで0-0のロースコアの展開、7回の先制を皮切りに9回には表裏で4点ずつを取り合い再び延長戦となるも、11回表に勝ち越し2試合連続で3時間超のゲームを制しました。惜しくも4回戦の市柏戦では敗れたものの、終盤でまた逆転するのではないか、という面白い試合を魅せてくれました。
 今大会で話題となった右アンダーハンドの松平快聖はまだ2年生。新チームでも投打の軸になりそうですが、というのも今夏かなり投げましたので、秋は松平以外の投手の台頭にも必須になってくるでしょう。

 打線では4番の境澤佑斗が3試合でタイムリー4本と無類の勝負強さを発揮、成田国際戦では同点追いつくタイムリー、幕張総合戦では決勝のタイムリーを放つなど、ここぞの場面でのポイントゲッターとしてチームを救ってくれました。彼もぜひこの先のステージで見たい選手です。
 何かと毎年明るい話題を提供してくれる市原中央、新チームでもどのような試合を魅せてくれるのか、滝田優司監督の手腕にも注目です。

しゅう的ベストナイン

 ここからは今大会のまとめとして、僕なりに今大会のベストナインを選出させていただきました。選出にあたっては、


・4試合以上に出場したベスト16進出校の選手から選出(野手は12打席以上、投手は16イニング以上を規定とする)
・3年生からの選出

を基準に選ばせていただきました。選考は以下の通りです。

投手   深沢鳳介(専大松戸)
捕手   中村虎太郎(成田)
一塁手  今田大智(八千代松陰)
二塁手  飯室優輝(千葉明徳)
三塁手  鈴木拓海(中央学院)
遊撃手  大西智也(木更津総合)
左翼手  吉岡道泰(専大松戸)
中堅手  秋元俊太(木更津総合)
右翼手  本橋隼人(県船橋)
指名打者 片山晴登(中央学院)

 専大松戸の二人は異議なしでしょう。深沢は5試合登板で3完投、31イニングで奪三振38、与四死球8は驚異的な数字。防御率1.45、WHIP(1イニングあたりの許出塁率)0.87と、紛うことなき今大会No.1右腕でした。
 吉岡は決勝でのサヨナラ本塁打がインパクト絶大ですが、打率・得点数・安打数・四球・OPSがいずれもチームトップの数字。恐怖の核弾頭として甲子園でも期待です。

 今大会は強打の捕手が多く目立ちましたが、今回は成田の中村を選出。
全試合6番に座ると、打率がチームトップ、打点がチーム2位とクラッチヒッターぶりを発揮。惜しくも敗れた5回戦の木更津総合戦ではタイムリー二本で、チームの全打点をたたき出し奮闘。捕手としてもタイプの異なる4投手をリードしながら盗塁阻止率も.400を記録するなど安定した守りを披露。
前チームの正捕手・古谷将也(現・立正大)の穴を、お釣りがくるほどの活躍で見事に埋めてくれました。

 八千代松陰の今田は全試合クリーンアップに座ると、打点がチーム最多の7と勝負強さを発揮。個人的に投手戦になるだろうと予想していた準々決勝の日大習志野戦では、好投手の小椋から初回ながら試合をほぼ決定づける先制3ラン本塁打で勝利に大きく貢献。昨年の独自大会、準々決勝で劇的な逆転サヨナラ本塁打を放った西澤慶悟が付けていた背番号3が、今年もバットで魅せてくれました。

 今大会ノーシードで1回戦からの出場となった千葉明徳からは飯室を選出。守備では全6試合で無失策と堅守でチームを牽引。打撃では好カードとなった2回戦の流経大柏戦で中押し、ダメ押しとなる本塁打を二本。5回戦の学館浦安戦では犠打を3つ決めるなど、小技から一発長打まで幅広い役割を果たしました。

 県船橋の本橋は4試合で打点がチーム断トツトップの12と圧巻の数字。
4回戦のサイクルヒットを記録し、4安打5打点の大暴れ。5回戦の八千代松陰戦でも先生のタイムリーヒットを放つなど、打率6割超の主将・筒井とともに今年の県船橋の躍進を打で支えました。

 木更津総合と中央学院からはそれぞれ二人を選出。
 まず木更津総合の秋元と大西は共に1年時から主力として試合に出ており、集大成の夏。秋元は3回戦の船橋北戦で今大会第一号が飛び出すと、5回戦の成田戦と準決勝の中央学院戦では、共に衝撃の先頭打者弾が飛び出し、試合序盤のチームの火付け役となりました。1番打者として四球数もチーム最多の7、センターとしても広い守備範囲と的確なポジショニングで数々のピンチを救いました。
 大西は3番打者として打点がチームトップの11、出塁率が5割を超えていた1、2番を確実に返す打撃でチームに貢献。また5回戦の成田戦、準決勝の中央学院戦でともに2打点、決勝の専大松戸戦では深沢から放った3ラン本塁打を含む3打点と、相手が強くなるごとに上がっていった集中力も見事でした。

 中央学院の片山は全6試合中5試合が4番でスタメン、猛打を誇った中央学院打線の中でも打率・安打数・OPSがチームトップ。準々決勝の千葉黎明戦では4回に待望の先制弾。ZOZOマリンスタジアムに逆方向でぶち込んだ一発は度肝を抜かれました。
 鈴木拓海は6、7番でのスタメンが中心だったが、打点9はチーム最多。
佐倉南・四街道北の連合チームとの3回戦では3番に座り、本塁打を含む3安打5打点の大暴れ。彼が上位中軸とのつなぎ役を完璧にこなしたことで、中央学院打線の脅威がより一層増していたことは間違いないでしょう。

 以上が選出させていただいた選手とその理由です。どう打順を組むかは、これを読んでいる皆様に一任させていただきます。笑

秋以降の千葉展望 ~新チームにも好右腕がズラリ??~

 さてここからは軽く秋以降の展望に入っていきます。もう少しで終わるので、一度小休憩を入れてから読んでいただくことをお勧めします。笑
 秋以降の千葉県内には、今夏と同じぐらい楽しみな好投手が揃っています。

 これは大会序盤にさせていただいたツイートですが、今夏を経験した1,2年生ピッチャーも非常に多く、秋からの活躍が期待されます。
 上記のツイートに名前のない選手だと、2年生では春準々決勝の学館浦安戦で先発を務めた成田の和田悠矢と習志野の大野真太朗はともに大型左腕。
昨秋に主戦として秋4強を経験した千葉英和の滑川和馬や、今大会でエース・岡澤剣士郎との見事な投手リレーを見せた千葉黎明の伊東賢生など6地区に好投手が目立ちます。
 1年生では今大会チーム内最多登板数の県船橋・三上光に八千代松陰の大型左腕・一色健也。専大松戸の渡邉翼は大会前の登録変更でベンチ入りとはなりませんでしたが、こちらも秋のデビューが期待される大型左腕です。
 もちろん、今夏が初参戦だった光英VERITASと鴨川令徳は全選手が1年生。夏の経験がどのような成長につながっているか注目です。

 野手でも名前を挙げたらキリがないほど楽しみな選手が多く揃っていますが、個人的なイチオシは成田の檜村圭吾
 今夏は春に比べてタイミングの取り方をかなり模索していたように見え、思うような打撃はできなかったかもしれませんが、春は出塁率・打点がチームトップの数字で本来は得点圏に強い中距離ヒッターで、夏前の練習試合では多くの試合で4番も任されていました。
 守備でも内野全ポジションを守ることの出来る攻守の柱なので、新チームでは天才的な内角打ちを武器に、更なる活躍を期待したいです。

 先日、秋季千葉県大会の一次予選の組み合わせが発表されました。今大会は地区ごとではなく全チームごちゃまぜで、1ブロック4~5チームから1チームが県大会出場を決めることが出来るという仕組みで、現段階で敗者復活戦もあるようです。
 注目はなんといっても市船橋・拓大紅陵・千葉学芸・成田が揃ったブロックでしょう…。笑
 各チーム1年時から主力として試合に出ていた選手も多く、戦力的には拮抗しているのでどこが突破してきてもおかしくないでしょう。
 その他では千葉黎明木更津総合のブロック、流経大柏西武台千葉の4地区の実力校が入ったブロックや日体大柏東海大望洋のブロックに、夏の再戦の可能性のある日大習志野千葉商業が入ったブロックなど、無観客開催なのが残念過ぎるほど見ごたえのあるブロックが多くできました。
 どのチームも未完成なまま予選に臨んでくることになると思うので、「ここが絶対勝つだろう」というのは秋にはまずありません。まずはこの一次予選を突破した36チームがどのような顔ぶれになるのか、非常に楽しみです。

終わりに

 ここまで非常に長くまとまらない文章となってしまっていますが、最後まで読んでいただいた皆様、ありがとうございます。
 秋季千葉県大会一次予選は8月17日から始まります。予選は無観客での開催がすでに決まっていますので、もどかしいですが自宅から声援を送ってください。
 県大会以降に関しては未発表なので、高野連の発表を待ちましょう。
 また、9日からは2年ぶりの夏の甲子園が始まります!こちらも無観客での開催が残念ではありますが、僕自身も専大松戸だけでなく、49の代表校が久しぶりに見れるのが楽しみですし、注目選手も多くいます。テレビや携帯、ラジオの前から声援を送りましょう!また、全49校48試合がすべて消化されるように願います。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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