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今年の成田高校野球部~桐山/永名世代の魅力と課題~

こんにちは、しゅうです。
4月24日から春季千葉県高等学校野球大会が始まりましたが、昨年の秋季大会に続き出場校の部員の保護者のみが入場と、原則無観客の状況が続いております(千葉県野球場と浦安運動公園野球場に関してはそうとは言えませんが…)。

私はあるご縁があり、昨秋から成田高校野球部の関係者として試合を見させていただいてます。今回は成田の試合を見れてない方々に少しでも今チームの魅力を知っていただくべく、注目選手とともに課題と並行させて書いていこうと思います。
(今回は前編として攻撃編を書きます。)

攻撃編~カギは2年生?~

まず初めに、秋と春の打撃成績を掲載しておきます。(見にくかったらゴメンナサイ。)

秋季(https://baseball.omyutech.com/CupHomePageTeamPersonBatting.action?teamId=11701&cupId=20200027291&tpFlag=p)

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春季(https://baseball.omyutech.com/CupHomePageTeamPersonBatting.action?teamId=11701&cupId=20210034059&tpFlag=p)

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数字からも見てとれるように、今チームの「打」の中心は主に
尾島叶大(1番打者)
桐山優 (2番打者)
飯田大空(3番打者)
伊藤海凪(4番打者)
の三年生となっています。この4人に限らず、今の成田はファーストストライクからスイングをかけられ、追い込まれてからもファールで粘ったり右打ちなどで進塁打を打てる打者が多く、例年以上に「厄介な」打線と言えると思います。

さらに、この4人はもちろんなのですが、今チームは足の使える選手が多く、チーム盗塁数も秋春両大会それぞれ4試合で7つ決めるなど、足でも相手投手にプレッシャーをかけることが出来ます。
また、尾島監督の好み(?)でランナー一塁からのエンドランが多く、それに打者の右打ちの技術の高さも相まって、成功率がここまで(恐らく)6割は超えていると感じています。

そして、成田伝統(?)の集中打によるビックイニングも健在であり、今シーズンの県大会8試合中3得点以上上げたイニングが7イニングあり、ほぼ1試合に1回ビックイニングが生まれるという見ていても非常に楽しい打線です。(笑)

ただ、課題を挙げるとなるとビハインド時やいい投手と当たった時に、打開策が少ないという印象が見られるところでしょうか。好投手と対戦するとなると、ヒットはおろか四死球も簡単にもらうことは難しくなります。そこで、できるだけ粘り球数を投げさせようという作戦は悪くはないのですが、早いカウントでボールを見てしまい、先に追い込まれてしまうといった場面が多く見られました(主に対千葉学芸・北田悠斗)。

幸い、今年の打線は足が速い打者が多いので、相手守備陣のポジショニングを確認しながら両方向にセーフティバントなどで揺さぶりをかけるといったアクションを起こしてみる、というのも面白かったかもしれません。
千葉学芸戦では相手バッテリーに打者陣が初球からなかなか振ってこない、という傾向に気づかれてしまった感じがあり、ストレート系のボールで簡単にストライクを取られてしまっていました。

夏は初戦から毎年140キロ前後のスピードボールを投げる投手を複数枚そろえる千葉明徳や、秋に対戦し関東大会でもその片鱗を見せつけた根本匠を擁する東京学館などといった強豪校と対戦する可能性が十分あり得ます。
夏に向けて、打てるボールを増やしその確率を高めていくのはもちろんですが、各好投手との対戦に向け各自がどれだけて「手持ち」を用意できるか、というところも大事になってくるでしょう。

夏の千葉県を制覇するにあたって、僕は二人の2年生をキーマンに上げたいと思います。

一人目は主に5番を打つ内野手の檜村圭吾です。この「檜村」は皆さん一度は目や耳に入れたことのある苗字だと思います。
そうです、彼は木更津総合~早稲田大~Hondaで今も現役で活躍している
檜村篤史選手の弟にあたる選手です。秋の大会は主に三塁コーチャーを務めており出番が少なかったのですが、冬の間に身体も一回り大きくなり、兄譲りの勝負強さにも磨きがかかり、今春は全試合5番に座り打率.364、OPS1.133、打点と四死球の数はそれぞれチームトップの4と6と一気に主軸打者とへの成長を果たしました。

打席での雰囲気や佇まい、選球眼などはすでに3年生の主軸と遜色ないものを持っていますが、一番の持ち味はインコース打ちだと感じました。
準々決勝の東京学館浦安戦では、インコースに食い込むシンカー系のボールを持つ右ピッチャーに対し、1点ビハインドの3回に少し高めに浮いたそのシンカーを腕をたたんで引っ張り同点タイムリーを放ち、1点を返された直後の7回にはこれまたインコースのストレートをうまく三遊間に運び、試合を決めるダメ押しの2点タイムリーを放つなど、最高の「イン潰し」として春は躍動してくれました。

成田の3年生上位打線(上記の4人)は高い出塁率を誇っており、夏も恐らく得点圏での場面が増えてくるはずです。その中で厳しいインコースを一発で潰し、打点を荒稼ぎしてくれる5番打者として中軸に座ってくれたら、頼もしいことこの上ないです。

夏に向けて打撃面ではもう一段階左投手への対応力を上げることが出来れば、さらに嫌な打者になると思っています。
守備面では、春の背番号は4でしたが彼が一番上手い(というか一番適性がある)のはファーストの守備であり、特にショートバウンドの処理は福岡ソフトバンクホークスの中村晃選手を彷彿とさせるものがあります。尾島監督の方針もありセカンドとして(練習試合ではショートも守っている)いくのか、ファーストとしてやっていくのかはわかりませんが、個人的には「安心感」のあるファースト守備にさらに磨きをかけ、夏に向けて準備していってほしいです。
夏はぜひホームランが見たい!頑張れ!
(ちなみにマネージャーの誕生日に率先してケーキを買いに行ってくれる超優男くんです。)

二人目の2年生は主に下位打線を放ち二遊間と外野全般の守備をハイレベルでこなす中橋巧喜です。
彼の持ち味は、いわゆる「0歩目」と(これはチーム全体に言えることなので後編で)軽快な足捌きを活かしリニューアルした千葉県野球場の芝の上でポジショニングできる守備範囲(スローイングが軽くイップス気味で安定しないので、ここでは守備が上手いとは言わないでおきます)と、小柄ながらも130キロ前後のストレートならしっかりシバけ、ただの9番打者と思いこみ前進守備を取った外野の頭を超す長打が打てるバッティングです。

中橋は秋と春で背番号がともに二桁ではありましたが、実力は紛れもないレギュラークラスです。守備では土でも芝でも一歩目がしっかり切れ、打球に対して細かいステップを刻め、捕球までの「間」を作れるといった能力に関してはチームトップだと感じました。
打撃に関しては、下位打線にありがちな小さなスイングで逆方向を狙うバッティングばかりではなく、甘い球を引っ張ってライトの頭を超すパンチ力や長打力もあり、送りバントも早い準備で丁寧にこなすことの出来る巧打者です。
今春は大会途中で持病の腰痛の症状が出てきたこともあり、満足のいくスイングが出来なかったようですが、万全の状態で夏に臨めれば秋のように中軸並みの数字を残す恐怖の9番打者として躍動できるはずです。

夏に向けて、守備では上記の通りスローイングの安定感を出すこと。イップス気味なのを改善するのは簡単ではないかもしれませんが、捕球までの動作に影響してる場面は幸いにも見られなかったので、腰と向き合いながらじっくり改善していけば夏はもっと安定したものが見れると思います。
打撃では、やはり「2年生で下位打線」を打つバッターなのでストレートが速くなったり、変化球の質が良くなったりすると対応が遅れてしまい、あまり粘れずに凡打になってしまうといった場面が多く感じられました。
あと二か月でいろんなボールをヒットにしろ、というのは難しいので、カウント毎に打撃スタイルを変え、今の思い切りの良さは残しつつくさいボールはカットし、なかなかランナーが出ない展開で四死球を勝ち取れる打者になってくれれば、上位中軸に得点圏で回せるイニングが増えてくると思います。

ここでは二人の2年生を挙げましたが、まだ「2年生」です。夏は頼もしい3年生に助けてもらいながら、よりノビノビとプレーしてもらいたいです!
(後編では守備編と、秋春で気になった選手や東京学館、千葉学芸について簡単に紹介していこうと思います。お楽しみに!)

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