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どこよりも早い第103回全国高校野球選手権千葉大会展望(後編)

 やあどうも、しゅうです(挨拶を変えてみました)。
 今回は前回の記事の後編となる、
・右上(成田、習志野)ブロック
・右下(千葉学芸、中央学院)ブロック
の二つと、個人的に注目している選手をまとめて書いていきますので、こちらも最後まで目を通していただけると幸いです。

前編はこちらからどうぞ↓↓

成田・習志野ブロック

Aシード:成田
Bシード:習志野
Cシード:木更津総合、日体大柏

出所元:https://chbf.or.jp/wp-content/uploads/2021/06/%E7%B5%84%E5%90%88%E3%81%9B%E8%A1%A8%E6%97%A5%E7%A8%8B%EF%BC%88%E5%A0%B1%E9%81%93%E7%94%A8%EF%BC%89.pdf

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 右上ブロックは結果的に「千葉の顔」が集まったブロック、と言ってもよさそうですね…笑
 Aシードは成田で2016年以来のAシードとなります。昨夏の独自大会を除き、2018年の夏以降、7季連続でベスト8以上に残る唯一の学校であり、今千葉県で最も安定した成績を残せる学校と言ってもいいでしょう。
 だからこそ、ここ数年なかなか勝てていない習志野、木更津総合と同じブロックに入ったことは、2010年以来の甲子園を目指すために、僕は運がいいと思っています。それだけの戦力が今年の成田には揃っています。

 守の中心は永名悠平井上裕貴牧太陽の3年生投手陣。
3人それぞれ右サイド、右オーバー、左スリークォーター(上記の名前順)とそれぞれタイプの異なる投手となっており、3人とも安定したゲームメイク力を誇ります。

 右サイドの永名はストレートの平均は120キロ中盤~後半ながらも、春準決勝の千葉学芸戦では、有薗・板倉コンビをストレートで押し切った球威があり、春は3試合19イニングで与四死球2と制球力も抜群。さらにはキャプテンとして夏もチームを引っ張ります。
 右オーバーの井上は登板イニングは少ないながらも、クローズ能力はチーム屈指。球速以上に速く感じるストレートや四隅を広く使える制球力を駆使しながら、夏もブルペンからチームを支えてくれるでしょう。
 春はベンチを外れた左スリークォーターの牧は、秋はエースでフル回転。突出した能力はないものの、ピンチを背負ったときのギアの入れ方と落ち着きようは、これまで僕が見てきたピッチャーの中でもトップクラスであり、夏もしんどい場面でも粘り強く投げてくれるはずです。

 ここに2年生で春に登板のあった右の高橋竜平、左の和田悠矢が絡んでくれば、さらに盤石になるでしょう。

 守備はチーム失策数が秋春共に、4試合で5個と平均的な数字ではありますが、敗戦となった秋の東京学館戦と春の千葉学芸戦はともに二遊間のエラーが決勝点に繋がってしまったので、夏は試合のポイントや終盤の得点圏などでいかに集中力を保って守り切れるかが大事になってきます。

 打線は上位から下位までどこからでも点が取れ、足を活かせる選手が多くいるのが最大の特徴。
 実際、秋春共に三塁打と盗塁数が試合数を上回っており、相手バッテリーだけでなく、内外野共に気の抜けない打線です。

 好打者が揃っていますが、注目は2年生ながら中軸に座る檜村圭吾
 インコースの捌き方が抜群に上手く、春はチームトップの4打点を記録。
三振が0で四死球も6個選ぶなど、数字上でもかなり優秀です。
 守備では、夏はおそらくファーストを中心に守ることになると思いますが、ショートバウンドの処理が非常に上手く、この夏も多くの場面でチームを救ってくれるはずです。

 安定感のあるタイプの異なる投手陣と、どこからでも点の取れる強力打線。11年ぶりの甲子園に向けて、まずは県内の強力なライバルたちに向かっていきます。

 Bシードは習志野。秋は地区予選敗退と高校野球ファンの方々にとっては衝撃があったかもしれませんが、春はベスト8としっかりBシードを確保。

 打の中心は1年春からベンチ入りをしている小林風太
春は11打数7安打で打率.727と1番打者として大暴れ。
 2番の乗松唯人、3番の竹内奏楽も共に打率5割越え、3人で4試合で15打点を稼ぐなど、上位打線の破壊力は今年も健在です。
 チーム犠打数も4試合で11個と、「らしさ」があり、夏も1点ずつ確実に取ってくる野球が見れるでしょう。

 対して少し不安が残るのが投手陣。1年春からベンチ入りをしている山根雄峰がベンチを外れていたり、小林監督の意図がどうなのかはわかりませんが、春に主戦を務めた2年生の鈴木颯太が準々決勝の専大松戸戦で13失点ながら完投していたりと、春は5人の投手がマウンドを経験しているものの、例年と比べるとやや劣る部分があるのかなとも思えます。
 夏に向けては、個々の能力もそうですが、チーム全体での投手陣の整備と総合力の底上げが必須となるでしょう。

 また、2年前の春のセンバツでチームを準優勝に導いた、竹縄・根本のWキャプテン制に倣い、この夏は杉山・乗松のWキャプテン体制で臨みます。

 Cシード一校目は秋の県優勝校の木更津総合
 野手では、1年夏からスタメン経験のある山中海斗大西智也や1年秋から上位に座る秋元俊太
 投手では、MAX144キロのストレートと183センチの高身長からパワーカーブを投げおろす、秋のエース・島田舜也など、例年同様タレント揃いで、選手個々のポテンシャルは千葉県トップクラスでしょう。
 秋の関東大会・常総学院戦では、記録に残らないような守備や走塁のミスが目立っていたので、一つ一つのプレーを細かいところまで詰めていけてるか、夏は注目したいと思います。

 Cシード二校目は日体大柏。秋春共にベスト16でチーム失策数も春は2試合で0と、堅実な守りが特徴です。
 チームの中心は、プロのスカウトに注目されるまでになった捕手のコッシ―オ・アダムカツ。マークが激しいからか、バットではまだ思ったような成績は残せていないはずなので、チームとして2012年以来の決勝進出へ向け、夏は彼の爆発に期待します。

 ノーシード校では、四街道流山おおたかの森八千代松戸六実茂原北陵を加えた県立の実力校が揃ったブロックは激戦必至。どの高校が抜け出すか注目です。

 さらには初戦を勝ち抜けば木更津総合と当たる暁星国際や、毎年身体の大きな選手を揃える敬愛学園

など、試合巧者ぶりを見せる高校が多く集まるブロックとなりました。

 シード校中心に展開されると思われますが、上記の高校が順調に勝ち上がれば、4回戦以降最も目の離せないブロックになりそうです。

千葉学芸・中央学院ブロック

Aシード:千葉学芸
Bシード:中央学院
Cシード:東京学館船橋、我孫子東

出典元:https://chbf.or.jp/wp-content/uploads/2021/06/%E7%B5%84%E5%90%88%E3%81%9B%E8%A1%A8%E6%97%A5%E7%A8%8B%EF%BC%88%E5%A0%B1%E9%81%93%E7%94%A8%EF%BC%89.pdf

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 右下ブロックAシードは、春の県優勝校である千葉学芸
千葉学芸について詳しくはこちらの記事をお読みください!!

 関東大会では準優勝した関東一高を、9回二死まで追い詰めるなど、千葉で見せた戦いぶりを存分に発揮したと同時に、悔しい結果ともなりました。
 夏はプロ注目のスラッガー・有薗直輝や千葉県屈指の巧打者・板倉颯汰をはじめ打線は万全でしょう。投手陣では、エースの北田悠斗を支えることの出来る投手がもう1~2人出てくれば、甲子園への道もはっきりと見えてくるでしょう。

 Bシードは中央学院。先日では高校野球ドットコムさんの方に特集動画が上がっていました。

 秋は2回戦の千葉英和戦で、9回二死からまさかの逆転負け。
しかし春は、初戦志学館に15-1の5回コールド。2回戦で再戦となった千葉英和にも5回コールド11-0と、破壊力の高さを見せつけました。

 投手陣は細谷怜央飯尾嶺糠谷翔大の3人が春は中心。
 中でも1番を背負った細谷は、3回戦の幕張総合戦で自己最速の150キロを計測するなど、プロも注目する本格派右腕。
 春は5回1/3しか投げておらず、夏は細谷中心に回っていくか、またストレートは素晴らしいものを持っているだけに、テレビで見れる機会があれば、変化球の質などにも注目していこうと思います。

 打線は1、2回戦で合わせて27安打25得点と破壊力は今年も健在。
特に、固定されていた1~6番の打率は全員3割を超えており、千葉英和戦では初回に9点を奪ってほぼ試合を決めてしまうなど、初回から気を抜けません。
 ただ、準々決勝で対戦した千葉学芸の北田には、散発5安打で1得点と抑えられており、この試合の9回には3失策が絡み3失点したため、夏に向けては好投手への更なる対応力や、試合終盤の集中力といったところも、課題となってくるでしょう。

 Cシード1校目は我孫子東。19年秋には望洋と1点差ゲームを展開するなど、近年は安定した戦いぶりが光ります。
 2年前に現地観戦した際には、ランナー三塁からのエンドランや、ゲーム序盤でのスクイズなど、機動力や小技を駆使して1点ずつ取ってくる野球を展開しており、守備でも9人とベンチメンバー関係なく、声で連携が取れていて、秋ながらかなりチーム力が高いなと驚きました。
 2年ぶりの夏、どれだけチームとして完成度を高められているか、注目です。

 Cシードラスト1校は東京学館船橋。1回戦の検見川、2回戦の一宮商相手に、共に1点差ゲームで競り勝ち、Cシードを獲得しました。
 毎年身体が大きく、強い打球を放つ選手が多いのが「ガクフナ」の特徴。19年秋には成田をあと一歩のところまで追い詰めた打棒を軸に、まずは16年以来の準々決勝進出を目指します。

 ノーシード校にも強豪校が多く集まっており、千葉黎明安房千葉商大付のブロックが大激戦になるのは言うまでもないでしょう。
 さらには、2000年に全国で準優勝して以来の甲子園を目指す東海大浦安は、瀬戸監督が2回目の夏でどのような野球を見せてくれるのか。

 その他にも、千葉敬愛佐倉多古市立千葉など、どの学校がベスト16に来てもおかしくないブロックになっています。
 また、旧・文理開成から校名変更してから初の夏に挑む鴨川令徳や、旧・聖徳大附女子が共学化となり、それに合わせて創部となった光英VERITASも初めての夏。この2校がどのような戦いを見せるのかも注目です。

しゅう的夏の注目選手

最後に、これまでの記事の中で名前を挙げてきた選手や、ほかに注目している選手を独断で書いていこうと思います。是非5回戦以降の現地観戦や、テレビ観戦する際の参考資料になったら嬉しいです。

  【投手】
北田悠斗(千葉学芸)
深沢鳳介、岡本陸(専大松戸)
永名悠平(成田)
荒井皐(県船橋)
細谷怜央、飯尾嶺(中央学院)
島田舜也、越井颯一郎(木更津総合)
木村旭(東海大市原望洋)
重安優樹(幕張総合)
長谷川瑛太(松戸六実)
渥美亮太(千葉経大附)
根本匠(東京学館)
松平快聖(市原中央)
  【捕手】
佐藤柊汰(千葉学芸)
加藤大悟(専大松戸)
中村虎太郎(成田)
片野優羽(市船橋)
橋本玖侑(習志野)
村山亮介(幕張総合)
コッシ―オ・アダムカツ(日体大柏)
  【内野手】
有薗直輝、板倉颯汰(千葉学芸)
石井詠己(専大松戸)
檜村圭吾、飯田大空(成田)
山口亮太(中央学院)
石原嵩大(市船橋)
竹内奏楽(習志野)
澤登悠幹(東京学館浦安)
大西智也、山中海斗(木更津総合)
渡邊大陸(流通経大柏)
浅野翔太(検見川)
柏木勇人(拓大紅陵)
二出川翼(千葉黎明)
粟飯原龍之介(東京学館)
  【外野手】
一戸大輝(千葉学芸)
吉岡道泰、苅部力翔(専大松戸)
尾島叶大、伊藤海凪(成田)
本橋隼人(県船橋)
門倉幹太(中央学院)
小林風太、飴谷廉広(習志野)
根本騎平(東京学館浦安)
秋元俊太、寒河江海月(木更津総合)
梅木颯太、堀川孝汰(東海大市原望洋)
稲員遼(我孫子東)
磯ヶ谷俐雄(千葉経大附)
寺澤拓生(志学館)
長岡大生(千葉英和)
岡田雅親(東京学館)

最後に

 今年の夏は2年ぶりの夏、まずはコロナに振り回されながらも通常開催、また5回戦以降のZOZOマリンスタジアムでの試合を有観客で行う、という決断をして頂いた千葉県高野連に敬意を表したいと思います。
 そして、球児たちも例年のように満足に練習や、試合の機会が1年間取れない中、必死に準備して夏を迎えます。
 我々高校野球ファンが出来ること、いや、やらなければならないことは、テレビ観戦や球場で観戦する中で、少しでも球児たちが全力プレーできる環境を整えてあげることだと思っています。ヤジや暴言なんてもってのほかです。
 昨年の独自大会は途中棄権しなければならないチームも残念ながら出てきてしまいました。是非、この夏は全170校157チームによる、全156試合が無事に消化できますように、我々も正々堂々、球児たちを応援しましょう。

 言葉足らずではありますが、今回はこの辺で。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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