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ヒロアカにハマった。

またジャンプの王道モノに心を掴まれてしまった。我ながら簡単すぎると思いつつ、魅力と好きになったポイントをできる限り伝えていきたい。

ネタバレは避けていますが、魅力を伝える上でどうしても、序盤の展開には触れてしまっています。

主人公がやばい

意味分かんないと思うが、主人公の緑谷出久(デク)がやばいのだ。勿論、良い意味で。今まで見たどの主人公とも違う類のキャラクターで、観れば観るほど惹かれる。大雑把に説明すると、彼には個性(能力)はなく、オールマイトというNo.1ヒーローから個性を譲渡されるのだ。

たまにかっこいい、アツい、冴えないの三拍子でグッと心を掴まれる。弱々しい主人公に注がれる強大なパワーと尊敬する大英雄からの信頼と期待、大いなるプレッシャーを背負っているわけで、保護者目線の一抹の不安を抱えてしまう場面も少なくないが、彼の芯の通った考え方と、いざという時の躊躇の無さや眼に宿る光はまさにヒーローのそれで、本気の本気で応援したくなるヒーロー、それがデクだ。

余談ではあるが、ルフィやデクを見てると「あ、案外負けるんだな…」と思ってしまう瞬間が度々ある。ジョン・ウィックやイコライザー、ジェイソン・ステイサムに慣れすぎである。

話を戻そう。デクを見て、真っ先に頭に思い浮かんだのはかの有名なキャプテンアメリカだ。だが、彼ら2人は似て非なる存在だと僕は思う。2人とも「弱者だが心の中にはしっかりとヒーロー性が存在している」というスタートラインは同じだ。

超人血清注入後、即座に強くなれたのがキャップだが、対するデクは「力を手に入れた」だけなのである。No.1ヒーローの能力を弱っちい無個性な少年が手に入れたので当たり前ではあるが、ハイリスクでとても扱えない力なのだ。調整が効かず、自分の器をオーバーしてしまう強大な力を手に入れたことを「強さ」と言えるだろうか。個人的には言えないと思う。ヒーローにおける強さとは、「どれだけの力を持っているか」ではなく「力で何を為し得たか」だと思う。デクはまだ、強さと弱さの狭間にいるのだと考える。

だがそれは、能力における強さだ。精神的な、つまり心の強さは2人とも既にヒーローそのものと言えるだろう。キャップは純粋で真っ直ぐな気持ちから、デクはオールマイトへの憧れからその純朴で濁りのないヒーロー的精神を創り上げている。尤も、ヒーローといえど完璧ではない故2人とも葛藤は絶えない。だがそこも含めて、彼らの強さを形成していると言えよう。

ヒーローの「弱さ」

劇中に登場するヒーローにはそれぞれ「弱さ」が垣間見える。絶対的なヒーローとされるオールマイトでさえ裏では、弱り切った、今にも死んでしまいそうな姿をあらわにする場面が幾度となくある。

今作におけるヒーローの能力はアイアンマンやバットマン、キャプテンアメリカやスパイダーマンのような後天的な事故や技術開発によるものではなく、いわばミュータントのような先天的な特殊能力で、それは「個性」と呼ばれる。そんな本作の主人公はというと、前述したが、無個性なのである。

もはや個性を持っていない方が珍しいとされる劇中社会において、彼は無個性なのだ。だがそんな彼の前にオールマイトが現れ、色々あって彼の個性を引き継ぐのだ。その色々は省略するが、アツいのでぜひ作品を見てほしい。

オールマイトの風貌はスーパーマンを意識したものだが、後継者であるデクからはスーパーマン的要素は見受けられない。弱点がクリプトナイトしかない元祖超人ヒーローのスーパーマンではなく、虚弱で何の力もないが、ヒーローの素質を見込まれて力を与えられた弱者、まさにキャプテンアメリカなのである。

まとめ

ここまで読んで頂けると分かると思うが、僕はヒロアカをMCU(厳密に言えばキャプテンアメリカ)と重ねて観ていた。というかどうしても重なってしまう。初めて憧れたヒーローが、スーパー戦隊でも仮面ライダーでもない、アイアンマンやアベンジャーズの面々だったが故の捉え方なのかなと思う。
MCUで描かれ続けてきた「ヒーロー哲学」を拡張できる作品であるとも考えている。また、登場するキャラクターも様々で、大きな自尊心を抱えた者や自分に自信の持てない者、複雑な過去を持った者だと多種多様でMCUと通ずる部分も少なからずある。
以上の理由から、MCUが好きな人、あの作品群が描き続けてきた哲学やヒーロー論に興味を幾らかでも持てる人にヒロアカをオススメしたい。

最後に

執筆中も、推敲した後の今も「おすすめするって難しいな…」と思っている。誰か興味を唆られた人が1人でもいてくれたらめちゃくちゃ嬉しいし、読んでくれるだけでも幸せだ。1話20分前後と、ブルックリン・ナイン・ナインと同じくらいの長さ(こっちは最近サボっちゃってる)なので気軽に観れると思う。是非鑑賞してみてください!!


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