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子どもの鼠径ヘルニア

ちょこっと小児医療をかじっているので、お話させてください。

鼠径ヘルニアは、おまたの足の付け根あたりが膨れる病気で、俗に言う「脱腸」です。子どもか、おじいちゃん・おばあちゃんによく見られる病気です。

子どもの鼠径ヘルニアは基本手術が必要とされています。ほとんどの子が手術を受けていくのですが、厳密に言えば手術が絶対ではありません。ひたすら経過観察でもダメじゃないんです。「カントン」に気をつけてさえいれば。

「カントン」は、「嵌頓」と書きますが、分かりやすく言うと、膨れたところがキンキンに腫れて元に戻らなくなった状態です。これを放置しちゃうと、膨れた中身が腐っちゃいます。腸(他の臓器の可能性もあります)が腐るということですので、これは大ごとです。ですのでお医者さんはそうなる前に手術しましょうと言うのです。

くれぐれも、膨れただけでは「カントン」ではありません。けれど、単に膨れただけか「カントン」かは、一般の人には区別は難しいですので、心配で夜間でも病院を受診する方はちょこちょこいます。赤ちゃんが多いです。「膨れたところがぶよぶよしてて、本人の機嫌がよかったら大丈夫ですよー」と説明してます。

深夜や休日であっても、かなり遠方から来られる方もいるので、何かの参考になれば。ただ、実際に見てみないとわからないこともあるので、あくまで参考程度にお願いします。

では、また。

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