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映画『さかなのこ』 によせて

早い。もう9月だ。
撮影していたのは、去年の5月くらいだったから、いつの間にか、映画はできて、気がつけば、今日公開した。

映画撮影の苦労は、実は、あまり映らないらしい。
できたものが面白ければ、それでいい。
過程は知らない。
むしろ知りたくない。
でも、「さかなのこ」は、かつて自分が関わった作品の中でも、一番を争うほど、大変だったと思う。
ずっと海にいるような感覚だった。
体は重く、泳いでも泳いでも、前に進まない感覚。
溺れかけたことも、強い波にさらわれたこともあったし、また、逆に、過ぎ去った嵐の後に、美しい虹を見るようなこともあった。
海のようだ。
さかなクンは、イメージよりも、ずっと逞しい気がする。
海の男に通じるものがある。

自分はどちらかといえば、山の人だと思っている。
海の青ももちろん好きだが、木々の緑が好きだ。
海に馴染みがない。埼玉の森で育ったからだろうか。子供の頃に、釣りに行ったようなこともあまり記憶にない。飯能の湖に、ニジマス釣りに行ったことがあるくらいか。
だからか、生きた魚を触ると、まるで子供のように、はしゃいでしまう。
沖まで泳ぐと、不安になる。
海に馴染みがない。ていうか、怖い。
前に、さかなクンに、「どんな魚が好きですか?」と聞かれ、「そうですね、鰻が一番好きです」とか、食べる前提の話をして、笑われてしまったことがあった。
そんな自分が、海ばかり出てくる、この「さかなのこ」という映画をよくぞ作ったと褒めてやりたい。
でも、海がでてくる映画が好きだ。
憧れがあるのだ。
将来は、イタリアのカプリ島の小さな家を買って、レコードをかけて、美女と一緒に、踊って暮らすんだい。

映画は今日から勝手に一人で歩いていく、らしい。
できるだけたくさんの、老若女男(のんさんがこっそり書いてた!)の皆様に観てもらいたい。そして、できれば、この映画が大漁であることを願いたい。
魚が大好きな人はもちろん、あんなもの、グロくて、触れないという人も。
刺身、食べれませんっていう人も。
スーパーの魚コーナーで、生きてる魚見ると、つい、はしゃいじゃうあなたも。
イカは宇宙人だと言い張るキミも。
シャコの都市伝説に震えるあなたも。
肉の方が好きだという、ふとっちょさんたちも。

魚を一度でも、食べたことのある人は、全員観にきてください。

ギョギョーーー!!!!

おさかなさんの夢を見る、沖田

どうぞ、「さかなのこ」をよろしくお願いします!

今日から公開です!

https://sakananoko.jp




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