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映画「子供はわかってあげない」プロダクションノート

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カントク沖田の妄想プロダクションノート 全部嘘です。嘘じゃないかもよ。
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2020年12月の記事一覧

#14 オーディション

さて、沖田が死んだなんて冗談はさておき 台本は、書き直しつつ、撮影の準備はしていかなくてはいけない。ここから、主に、キャスティングとスタッフィングをしていくことになる。誰が出て、誰と映画を作るのか。まず、何はなくとも主役である。主人公の美波は、オーディションという形をとった。いろいろな可能性の中から、美波を選びたかった。来てくれる女優さんと直接、話をして、それで決めることができるなら、それが一番だと思ったのだ。 ただこちらも、のべつまくなしに集めるのではない。出演した作品を

#15 もじくんのオーディション

さて、この映画に出てくる、もう一人の若者。それは門司(もじ)くんである。門司くんは、書道部で、絵も上手。繊細だが、内に秘めた力強さも持っている。さて、一体この役を誰がやればいいのか。美波と同じように、こちらもオーディションで選考することにした。美波と同じように、こちらもオーディションで選考することにした。 募集をかけたところ、まず、書類が2万通ほど届いた。そこから、だいたいざっと目を通して、軽く1万人くらいにふるい落とす。そして、その1万人に、今度は東京ドームまで自費で来て

#14(の裏) 地獄にて1

橋の上で、ドローンを操縦している骸骨がいる。帽子をかぶり、りんごのマークの電子機器に囲まれている。この地獄の風景を、だいぶ高い所から俯瞰で撮影しているようだ。恐る恐る話かけてみた。物静かだが、聡明な感じの人だった。オズさん、という名前らしい。オズさんは、昔、映画の仕事をしていて、生前はかなり低い位置にカメラを据えて撮っていたので、その反動から今はこっちの世界で、すっかり、ドローンにハマってしまったのだという。ドローンのオズさんに映画のことを話すと、ぜひ参加したいと言ってくれた