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交渉に役立つ考え方やテクニック

●対外交渉の考え方

 対外交渉では、当事者双方の説得の繰り返しによる、妥協・妥結のためのプロセスを言います。相手が理解しようとする意志をもてるような信頼関係のもと感情的ではない、客観性理論性が必要です。

●交渉する際の留意点

(1)お互いの主張や要求を整理し、共通点、相違点を明確にする
 交渉は論点が刻々と変化していくことが一般的です。冷静に論点を理解し、相手の主張や欲求を整理することによって、お互いの交渉内容の明確化に努める。
(2)交渉相手を理解する
 相手の個性をや特性を理解して、その人に会った説得を行うことが大切です。猜疑心が強く常に反対ばかりする人には、相手の冷静な判断をもたらすということを期待して、あえて相手の反論に異論を唱えない交渉方法もあります。
 権威主義的な人には、公的機関や有識者などの見解を添えると、相手の納得度が増し、交渉が進めやすくなる場合があります。
 交渉の相手方が説得する側を信頼していないときに、説得内容とは逆の意見を抱いてしまう現象をブーメラン効果などといいます。
(3)交渉材料としてネガティブな情報も開示する
 ネガティブ情報を開示することで交渉が客観的な資料に基づく冷静なものであることを相手に示すことができます。

●交渉で役立つ心理効果

・スリーパー効果
信頼性の低い情報源から得た情報でも、時間の経過とともに信頼性の低さがもたらすマイナス効果が薄れ、コミュニケーション内容そのものの記憶にだけ印象が残ること。
・返報性の原理
人から利益や行為を受けた時、「お返しをしなくては申し訳ない」というような気持になるよう心理作用をさします。
交渉の場合は、許容の範囲内で譲歩することにより、有利に交渉を進めることが期待できます。
・単純接触効果(ザイオンス効果)
何度も繰り返して接触することにより、好感度や評価が高まっていくという心理効果です。あまり好きでない人でも頻繁に目に触れる機会があった場合、その対象への警戒心や恐怖心が薄れ、良い印象を持つようになると言われています。

●交渉のテクニック

・ローボール・ハイボール
 厳しい条件を提示し、徐々に緩めるテクニック。
・グッドコップ&バッドコップ
 1人が厳しく、もう一人が優しく対応する。2人で行う交渉。
・ウエイ・オプションズ
 「イエスかノー」の二者択一を迫るテクニック。
 交渉がとん挫するリスクがある。立場に強弱がある場合に使う。
・ボギィ
 幽霊のようなつかみどころ無いという意味。それほど価値がないものを価値があるかのように装うテクニック。
・囚人のジレンマ
お互いが譲歩をする方が譲歩しないよりも有利な結論になることが分かっていても、相手の譲歩に対する信頼が欠けていたり、自分自身が抜け駆けを考えていたりすると相互不信が生じて、最悪の事態に陥ること

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