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FF16を(私にとっての)神ゲーにするにはどうするべきか?

先日ようやくFF16の一周目をクリアしたので、感想と個人的に思う「もっとこうだったらなぁ」を書き留めておきます。(若干のネタバレを含みます)

ちなみに、私自身はかなりFF好きだと思っており、ナンバリングタイトルはFF2とFF11以外は、FF10-2やFF13-2などの派生作品や、FF14(6.0まで)も含めて一通りクリアしていますので、その上での感想だと理解していただければ。ちなみに好きなシリーズはFF12>FF5>FF7で、FF12はインターナショナル版、PS4リマスター版合わせて500時間くらいはプレイしています。がっかりしたシリーズはFF13とFF15ですが、FF13-3(ライトニングリターンズ)は結構ドはまりしましたし、FF15も「やっぱ、つれえわ」には不覚にもウルっと来たりしています。FF16に関しては、一周目のサブクエスト、リスキーモブ、アクセサリ取得はすべて消化済みになります。

中盤までとてつもなくヒキの強いストーリーと脳汁の出ない育成システム

そんな私にとってのFF16の感想をひとことで言うと、見出しの通り「中盤までとてつもなくヒキの強いストーリーと脳汁の出ない育成システム」です。

まずはストーリー。これは体験版をプレイして驚きましたが、とてつもなく続きが気になる作りになっています。体験版をプレイした後の、製品版の待ち遠しさと言ったら尋常じゃありませんでした。仕事しながらも「ああ、早く製品版やりたいなぁ」と思うレベル。正直、私自身はRPGにおいてそこまでストーリーを重視しておらず、過去のプレイ作品においてもほとんどの場合、カットシーンで決定ボタンを連打して、なんとなくは眺めるけど、ほぼスキップということをやりがちでした。しかし、FF16においては、ひとつひとつのカットシーンから目が離せない。正直、体験版以降の部分は若干緩急もあり、パワーダウンする箇所もありましたが、それでも「次どうなるのよ?」というので、プレイを止めるのが難しかったです。ただし、最後の大陸に行くまでは・・・ですが。これは各所でも書かれていることだと思いますが、終盤になると急によく見るJRPG的展開になり、それまでの登場人物の思惑が交錯する展開は息をひそめます。もちろん、細かいヒキはあるので、まったくつまらない、ということではなく、それまでの展開に比べるとなぁ。という意味ではありますが・・・。
一方で、それ以上に不満があるのは育成システム。ただ何も考えずにプレイしていても武器はちゃんとその時点での最強状態には簡単になりますし、何より、アクションフォーカスモードであってもレベル上げ作業をしなくても攻略に詰まることはまずありません。結果として、「もっとこうしよう」のような脳汁が出るような瞬間が、最初から最後までほとんどありませんでした。

”ストーリードリブン”の作りはリスクが大きすぎる

今回のFFは、プロデューサーである吉田氏が各所で発言されていますが”ストリードリブン”で作られているそうです。その発言の通り、各種のゲームとしてのメカニクスは”最後までストーリーを体験してもらうこと”を主眼に置いて最適化されていると感じます。ストーリーフォーカスモードも含めた各種オート系アクセサリもそうですし、比較的一本道で迷わないマップもそうです。各イベントも特にレベル上げ等の強化を行わくても、誰でもクリアできるようにデザインされています。また、複雑な要素も出来るだけ排除しようとしているようにも感じます。例えば、”属性”の概念が無かったりします。(ストーリー上は属性の概念が存在しますが)結果として、ストーリーはサクサク進めることが出来ます。なので、「よりスムーズに攻略するために、今度はああいうことをしてみよう」というような脳汁が出る体験というのは、上で書いたようにほとんど体験することが出来ませんでした。若干のアビリティの組み換えは存在しますが、戦闘中にアビリティが組み替えられない&組み替えなくても、リスタートでのごり押しで勝ててしまうため、ここの工夫余地も限定的です・・・。これは”あえて”のゲームデザインだとは思いますが、これを本当に成り立たせるためには”ストーリーが最初から最後までめちゃくちゃ良い”という前提が必要だと思いますが、少なくとも私にとっては”最後までめちゃくちゃ良い”が担保出来ていなかったので、余計に工夫の余地の狭さが、不満として残りやすい構造になっていたと考えています。
考えてみれば当然ですが、ストーリーだけに特化した娯楽である”映画”や”ドラマ”においても腐るほど駄作が生まれていることを考えると、”ストーリーが最初から最後までめちゃくちゃいい”というのを、ある程度の顧客に対して担保するというのは、ハードルがめちゃくちゃ高いわけです。その点、ゲームはそこにインタラクティブ性のある要素をいくつか埋め込むことによって、”例えストーリーにハマれなくても楽しい”という状況を各プレイヤーに提供することが出来る娯楽なのが良いところなわけで、ここの幅を狭めてしまう”ストーリードリブンすぎる”ゲームデザインはリスクが大きすぎるなぁとあらためて感じたわけです。

FF16は「ファイナルファンタジーモード」を見直すだけで、懐の広い神ゲーになれる。と個人的には思う。

一方で、FF16は現時点から、大きくゲームの構造を変えなくても、ちょっとした(?)アップデートでさらなる進化を遂げることが出来るのでは?という気が個人的にはしています。ストーリーは終盤、若干ありきたりになるものの、全体を通した満足度は非常に高いですし、召喚獣やアビリティの組み換えが面倒なため、戦いの幅が固定化されがちですが、アクションの手触りはめちゃくちゃいいです。なので、ここにもう少しだけ、工夫と探索の余地を加えてあげるだけで、様々な楽しみ方を受け入れられるのではないかと感じています。具体的には「ファイナルファンタジーモード」に以下のようなアップデートが入れられると最高だと思っています。

 1.一周目クリア後の最終地点から「ファイナルファンタジーモード」に変更可能にする

 2.レア武器・レア防具の強化素材を見直す(必要数・種類を増やす)

 3.モブがレア武器・レア防具の強化素材を確率でドロップするようにする

 4.リスキーモブを時限で再出現させ、2回目以降の強化素材は確率でドロップするようにする

 5.同じ周回中のリプレイモードでも宝箱を復活させる。ただしアクセサリが入っている宝箱は確率での入手にする。

 6.召喚獣に(ゲーム上での)”属性”の概念を付与する

 7.レア武器に(ゲーム上での)”属性”の概念を付与する

 8.モブ・リスキーモブに”弱点属性”の概念を付与する

 9.風の大陸を”晴れ”に出来る設定を追加する

まず、1に関しては、個人的にぼちぼち2周目を始めていますが、”最初から”はダルすぎます。ストーリーがウリの作品で、ネタバレしたストーリーをもう一度追うのはちょっと・・・。もちろん2周目ならではの気づきはありますが、最初の召喚獣を倒したところで、そろそろ別のゲームに浮気したくなってきています・・・。なので、1周目の最後の地点でファイナルファンタジーモードに変更できるようにしてほしいです。
 2,3,4、5に関しては、各地を探索する楽しさを付加するためのものです。ぶっちゃけ、一周目のプレイでは最後の大陸の雑魚敵は、ほぼすべてチョコボでスルーしてしまいました。それはやはり、倒してもいいことがたいしてないから・・・に帰結してしまいます。そこを改善するためには、ある程度、確率でのレアアイテム取得の概念を入れてほしいです。実際には、プレイヤーとしてはクソめんどくさいわけですが、そのあたりを脳死しながらもポチポチやるのが、RPG好きのおっさんゲーマーというものです。笑
 6,7,8は、いかに装備やアビリティを工夫する楽しさを付加するか?という観点で書いてみています。やはりせっかく召喚獣が各属性そろっているのですから、属性を使って戦いたいですよね。あの敵にはこの召喚獣とこの武器で・・・みたいなことをやりたいわけです。アルテマウェポンがオールラウンダーに強い。は別にいいのですが、少なくとも火属性に弱い敵には、フェニックスとフレイムタンが最強!みたいに出来ると、アルテマウェポン以外への収集欲も同時に高まります。
 9は単純に、辛気臭い世界に長時間居たくありません。笑

これらの変更はもし入れるとしても、上に書いた通り「ファイナルファンタジーモード」の中だけで良いかなと思います。一周目のエンディングまではオリジナルのコンセプトである「ストーリードリブン」はある程度機能していると考えており、ここに大幅に手を入れる・・・というのは逆に悪手だと思っています。が、クリア後のお楽しみ要素としては、こういうのがあっても良いのでは?と思う次第です。

FF16はもっと浸っていたくなるような良作

と、まあ素人がつらつらと書きましたが、結局振り返ってみると、FF16はもっと浸っていたくなるような良作であるということなのだろうと思います。つらつらと書いた改善点を見返すと、結局は、”だらだらとプレイ時間を引き延ばすためだけの方策”なんですよね。笑 それぐらい各マップの景色もいいし、アクションも楽しいし、キャラクター(特にサブキャラ)にも愛着があります。でも、本当にびっくりするくらい、試すことがすぐ無くなっちゃうんですよね。長く浸っていたくても、やることがない!その一方で、すみずみまで探索したわけではないので、やり切った感があんまりでないのです・・・。なので、おそらく開発チームでも議論の末にドロップされた要素だらけなのだろうな。と、思いつつ、自分が何に物足りなさを感じているか・・・を可視化するためにあえて書いてみました。もしかしたらリヴァイアサンのDLCが来るかも?という噂もあったりしますので、FF17も含めて気長に待ちたいと思います。開発チームの方々頑張ってください!!

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