クラッシックギターの好きなTarregaguitarです

以下、略歴です。

山陰の漁村の近くで生まれ高校まで過ごす。幼少よりクラシック音楽に親しみ、就学前は、オルガン、小学生時代はヴァイオリン、中学生時代は吹奏楽でトランペットを吹いていた。中学時代から独学でギターを弾く。当時,市内にギター教師がおらず,中学校においてあったギター雑誌が唯一の情報源であった.そしてその雑誌に付録で付いていたレコードを聴いて小原聖子先生のアルハンブラの想い出やイエペスの演奏したソルのエチュード「月光」を聴きながら,トレモロ奏法の弾き方も知らずにいた.しかし、イエペスの2枚組のレコードを,その当時、市内に唯一一件あったレコード屋で購入.アストウーリアス,グラナダなど近代スペイン国民学派の一人のピアノ作曲家兼演奏家であるアルベニスの作品を知った.この頃,NHK教育テレビで「クラッシックギター講座」と称した番組がスタートして初めてトレモロ奏法やアルペジオ奏法を会得することになる.
大学時代、大バッハが作曲した器楽曲からミサ曲に至る幅広い楽曲の数々を知ることになり、この偉大なバロック音楽の作曲家に傾倒し、また、グレン・グールドの独特な演奏スタイルに驚いた。ギターは20歳を過ぎてから初めて地元のギター教師に師事.新設だった某大学に入学してしてギターやマンドリンを弾く仲間を集め、ギター部を新設し合奏や重奏を行い、毎年定期演奏会を開催するに至る。部設立当時のメンバーは同級生数名と,マンドリンを弾いていた学生数名からスタートしたが,自身の大学院進学から学位取得と何かと忙しくなった時期が重なり,グループでの活動がままならなくなった.師から勧められた学生ギターコンクール出場の話もいつの間にか消え去ってしまっていた.

大学には10年間在籍,博士論文作成の合間に,シャコンヌやアルハンブラの想い出を公開発表会でソロで弾かせて頂いて,その時の録音が私の財産となっている.シャコンヌはこの時が後にも先にも人前で演奏したのは一回きりである.就職のため上京してからはほとんどギターに触れてもいなかったが、のちに,アメリカでの研究員生活の最後の半年間,過去を思い出したかのように再開し、タルレガが作曲したアルハンブラの想い出を中心とした演奏は,当時,ラボのチーフである方にラジカセにてテープに録音し献呈した.アルハンブラの想い出は、人生の節目に相当する度に弾いてきた.最初は高校の演劇部の夕日が沈むシーンでBGMとしてつかってもらい,また,卒業式で最後に体育館で全校生を前に弾いた記憶があり,大学に入ってからも入学式後のオリエンテーションで新入生代表でアトラクションとして大勢の前で弾いたことを記憶している.現在の師であるYK先生の門下生による演奏会でも最初のソロステージではこの曲を弾いている.それほど,この楽曲は私にとって大事な存在ではあるが,その美しい旋律はギターという楽器を超えて普遍的な楽曲として今後も人々の記憶に受け継がれていくのではないかと常々思っている.YK先生がその昔,渡世されて、ギターを学んだ留学時代に、作曲者タルレガの高弟であったE.プジョール先生から直接指導を受けたという事実を初めて知ったとき、アルハンブラの想い出はますます私を虜にしている.

2005年頃より原因不明の肩こり,足がもつれてしまうなどの体に異変を感じ,難病を抱えていることが判明した.
私Tarregaguitarはこの10年来,病魔に侵され,指先の自由な動きを失ってからギターを弾くのも大変になってきた.作曲家でもあったタレガも晩年,リウマチや脳梗塞で体が麻痺してギターが弾けない苦しみがあったと聞く.晩年の作品ははよりシンプルな曲が多い.

以下、追記(2021年9月)

最近,タルレガの晩年の作品にはギターでのみ,より心に響く曲が多いと感じています.病弱であったタルレガの心境がこの頃よくわかるようになったと思います.また、ギターという楽器の本質が何であるかも。タルレガが青年期を過ごしたヴァレンシア地方では,有名なギター制作家がいて、彼のギターをタルレガが弾くと素晴らしい音色だったそうです.私が所有している楽器もその当時、ヴァレンシアにいた製作家によるもので、楽器のサイズは全く同じで、いわゆる「トーレスモデル」と呼ばれています。エレキギターでイバネス・サルバドールというブランドがありますね.あの初代の製作家の楽器です.単に大きい音が出るとか、そういった性格のものではありません.かの、有名なギター演奏家、ジュリアン・ブリームが指を故障した時に一時期、同じ製作者の楽器を使っていたそうです.他に、セゴビアが使っていたハウザー一世とか、フレタ一世とかの音は知っていますが、今の私の体には負担が大きいのです.早くガンガン弾けるだけが、いい演奏ではありません.一音一音に心がこもっていてそれでいて耳障りにならない、そんなハーモニーが出る楽器と演奏を体が欲しているんだと思います.ここで皆さんにおきかせしているニ重奏とか、タルレガのpurelude第五番とかは、この楽器で演奏しています.一方、心身ともに元気なニ重奏の相方の楽器はフレタ一世です.

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