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「初めての開催、そして2000万円以上の赤字に」 のその後 vol.3

2010年のTAICOCLUBを様々な視点で振り返っていきたいと思います。この年は外的な要因によってTAICOCLUBが注目される事になるタイミングでもあります。まずは皆さんも少し覚えているかもしれないあのドラマのお話です。

モテキ

2010年4月26日(月)に制作会社であるオフィスクレッシェンドさんから事務所に連絡が入り、ドラマのフェスティバルのシーンを実際にお客さんがいる中で撮影できないかと。

最初に連絡をいただいた時の感想としては

『 面倒臭そうだな。。。 』

自分がお客さんの立場だったら近くに撮影のクルーが大勢いて撮影とかしてたら嫌だし。と思い監督の大根さんに会う前はお断りしようと考えていました。しかも開催まで1ヶ月くらいしかないし。

その後お会いして話を聞いて、こちらの条件も受け入れてもらえた事もありやりましょうという事になりました。ポイントになったのは以下です。

1. ライブの撮影時は最少人数で、楽しんでいる人の妨げにならない自然な撮影方法にしてもらう事。
2. こだまの森の認知度が上がる要素が多分にあった。
3. 監督の大根さん自身もフェスが好きで文化を理解してくれていた。
4. TAICOCLUBの楽しさを広告では無い方法で知ってもらえるチャンスだと感じた。

実際にドラマが放映され、新しいお客さんにTAICOCLUBを知ってもらうきっかけとなりました。結果として、フェスティバルが楽しそうと感じる機会が生まれ、実際に”行く”ハードルが少し下がり動員にも繋がったと思います。オンライン上で興味を持っている人を現場に連れてくるのは本当に難しいので、とても効果的なプロモーションになりました。

また、撮影時もモテキの公開前であったので、主演の森山未來さんにも殆どの人は気付かず自然なフェスティバルシーンになっていたので、会場に来ていた方々も不快な思いや、煩わしさがなかったのも大事な事かと思います。

そんな撮影時、2010年のタイムテーブルは以下の通りです。ドラマとは対照的なTAICOCLUBならではの演出がありましたので、思い出してみましょう。

野外の特徴を最大限に生かした真っ暗闇のライブ

2010年のAutechreのライブはステージ上、ショップ、導線、本部などできる限りの照明を消し、野外での暗闇を作り視覚情報をカットした状態でのライブ演出を行いました。真っ暗にする演出はもちろんアーティストサイドからの依頼です。

この真っ暗闇という環境をフェスティバルの会場で実施できたのはスタッフ、暗闇にする事で確実に売上が下がってしまうショップの皆さん、暗闇を楽しんでくれた来場者の方々が理解して協力してくれた結果です。1時間以上の間、真っ暗闇でTAICOCLUB開催時で過去一番の寒さを記録したこだまの森は想像していた以上に不思議なフェスティバル会場となりました。

そして、唯一暗くできない空には綺麗な星がたくさん見えていました。これはライブハウスやクラブでは経験できない野外での演出となり、記憶に残った方も多かったのではないかと思います。

結果として、コントロールできうる規模感での開催がもたらした演出だったのかもしれません。

そして、新たなキャンプフェスの開催も、、、

2009年に年2回開催の難しさを実感していたにも関わらず、また無謀にもチャレンジをしてしまいます。(本当に色々と勘違いしてたな)

2010年の9月開催は川崎から舞台を新潟県の中魚沼郡に移し、
TAICOCLUB Camps'10 @ニュー・グリーンピア津南を開催致しました。

開催に踏み切った理由は3つあります。

◆ 関東/関西圏外からの来場者の少なさ
キャンプ泊に加えてホテル泊も可能な会場
2度目の9月開催

1つずつ考察してみましょう。

関東/関西圏外からの来場者の少なさ
関西及び関東から比較的アクセスがしやすい、6月開催のこだまの森は東北及び新潟周辺からの来場者は殆どおりませんでした。ですが、潜在的なお客さんはアクセスの悪さからこだまの森まで来ていないのではないかという仮説を立て、こだまの森と変わらない距離感の関東圏及び東北/新潟の来場者を見込み、フェスティバルが成立すると想定しました。

キャンプ泊に加えてホテル泊も可能な会場
キャンプ泊や小さなお子様がいらっしゃるために来場を躊躇していた方にも参加しやすい環境を提供できるので、「初めてだけど行ってみよう」「また行ってみようかな」と一歩踏み出してくれるお客さんが増えると考えていました。

◆ 2度目の9月開催
自分達の描いていた結果とはなりませんでしたが、2009年にも9月開催している経緯がありTAICOCLUBが9月にも開催されるという周知ができているので昨年と同等の集客は可能であり、場所のポテンシャルを踏まえると上積みできるとみていました。

その時のライブ映像をどうぞ ↓

しかし、この年もそう簡単には来場者数は伸びませんでした。

環境の素晴らしさ、都心部からの距離感、認知度はクリアできていたと考えていたのですが、この場所まで人を連れてくるには足りていない部分が実は多かったのです。

今、その当時の結果を踏まえて再度開催をしたとしても来場者数を増やす事ができるかと言われると難しい気がします。年2回の開催で成功するには細かい条件を1つずつクリアする必要性もありますが、一番大事なのは圧倒的な『独自性』を持ったフェスティバルである事です。独自性はマニアックであるとかアンダーグラウンドであるとか、そういった狭義の意味合いではありません。

会場、ラインナップ、運営方法、コンテンツ、空気感、スタッフ、来場者。これらの要素をどの側面から切り取って見た時でも『〇〇ぽいね』と感じられた時に独自性が確立できるのだと思います。この独自性を同じ冠の元に年2回開催するのは難しかったという事でしょう。

この9月の開催でまた1500万円近い赤字をつくることに。6月で黒字を生み、9月に全て無くなる。経営には全く向いていないのだと改めて感じる日々を過ごすことになります。それでもTAICOCLUBは続いていく。。。

次回は2011年の振返りを!その前に今現在の話もできたらと思っています。

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現在進めている新しい場所作りの支援も引続き行なっていますので、以下のリンクから是非ご支援よろしくお願いいたします。
https://taicoclub.weebly.com/

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Taro Yasuzawa

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こいのぼり株式会社/TAICOCLUB Founder 2006年より12年間に渡りミュージックフェスティバルTAICOCLUBを主宰。日本有数の音楽フェスティバルへ成長させ、2018年にその幕を降ろした。今後は芸術性︎を社会に浸透させていくための仕組み及び場所を運営していく。