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第87回日本ダービー(GⅠ)

 今年のダービーは2強対決の様相ですね。クラシックの前哨戦で2頭が勝ち残り、2強対決で皐月賞を迎えるというのは、クラシック路線を甲子園に例えるのであれば、まさに決勝戦。いやがうえにも盛り上がる。その2強で皐月賞が決まったので、リターンマッチとなる日本ダービーでいよいよ雌雄を決する、今年のダービーはそういうレースですね。

 ただ2強並び立たず、ということも競馬の世界ではよく知られた話。お互いに当然意識しあい負かしに行くから、よほど2強の力が抜け出ていない限り、余計な力を消耗して第3の馬の台頭を許しやすい。そして第3の馬が皐月賞で台頭してくれば、ダービーでは3強になる。

 もう30年近くも前にも関わらず、未だに3強のダービーといえば名前が挙がる1993年のケースがまさにそう。ウイニングチケットとビワハヤヒデの2強対決と見られていた皐月賞でナリタタイシンが見事な追い込みを決め、ダービーでは3強対決となった。いや、実際はダービー前でもウイニングチケットとビワハヤヒデの2強対決で、あの直線での3強の叩きあいがあって初めてみんなが3強と認識したのだったけど。

 では皐月賞で2強対決となり、そのまま2強で決まったケースはどうか?そのようなレースは馬連の配当が安く決まるわけで、馬連の最低配当ランキングを調べればいい。1位は今年のコントレイル&サリオスで660円。では2位はというと2000年のエアシャカール&ダイタクリーヴァで720円だった。あれ、でもエアシャカールとダイタクリーヴァって2強だったっけ?といって2000年のクラシックを思い出すと、あの年はフサイチゼノンがいたのだった。1番人気確実のフサイチゼノンが直前で脚部不安を発症し回避。なので、2強ムードではなかったのですね。

 低配当ランキング第3位は2001年のアグネスタキオン&ダンツフレーム。でも、これダンツフレームは3番人気。対抗格はジャングルポケットだったけど、まあこの年のアグネスタキオンは本当に強くて、単勝の払い戻しは130円(支持率59.4%)。今から振り返るとこの世代はクロフネ、ジャングルポケット、マンハッタンカフェと強い世代という評価ですが、もしアグネスタキオンが無事だったら、ダート部門のクロフネはともかく、ジャングルポケットやマンハッタンカフェは、それこそリンカーンやウインバリアシオンあたりの評価だったのかもしれませんね。リンカーンに乗った横山典騎手は「生まれた時代が悪かった」といいましたが、ましてや一生に一度しか出ることのできないクラシックでは「生まれた時代」はとても重要なのですね。

 もっと時代を遡れば、メイズイ&グレートヨルカとか、タニノムーティエ&アローエクスプレスとか、トウショウボーイ&テンポイントとか、シンボリルドルフ&ビゼンニシキとかいろいろ出てくるのだけど、馬連が導入されたここ30年では前評判通りの2強でそのまま決まった皐月賞というのは本当にレアなケース。。。と、いってふと冷静に振り返ってみる。今年の皐月賞は本当に2強の前評判だったのか? と、皐月賞、サリオスは3番人気だったじゃないか! 馬連もコントレイルーサトノフラッグの方が人気を集めていたじゃないかと。

 皐月賞は相対的に気楽な立場で自分の競馬に徹することでサリオスが力をフルに発揮できた。それに対して今回明確に2強と位置付けられたサリオスは、確実にコントレイルを負かしに行く競馬をせざるを得ない。となれば、もし、コントレイルに跳ね返された場合、2着をキープすることは果たしてできるのかどうか。

 結局、今回のダービーはコントレイルの1強、という考えに立つことにして、であれば相手はどう探すか。だとすればここ最近の内枠の健闘ぶりは光る。府中の2400メートルは一般的には枠順の大きな有利、不利がないコースといわれてきたが、ことダービーに関して言えばCコース変わりもあり、明確に内枠有利であることは間違いない。過去10年の1枠(白帽)の連対率が30%というのは相当のものです。

 ということで、結論はコントレイルを軸に1枠と2枠(ワーケアも入っている)と、一応皐月賞3着馬で川田騎乗のガロアクリークまで抑えることにします。無観客のダービーというのは願わくば今年が唯一であってもらいたいもの。だからこそ、無観客なりに今年のダービーを楽しみたいと思います。

 






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