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不採用

副業を仲介してくれた先輩とは、新卒で入った会社で30年ほど前に金融市場関連の職場で一緒に仕事をしていました。先輩はその後退社し経営コンサルタントとして活動しており、上場を控えた会社の監査役も勤めていました。Facebookで緩く長く繋がっており、時折投稿に対してコメントし合う間柄でした。

新型コロナ禍が落ち着いてきた頃から、一度飲みにいきましょうとこちらから誘い、25年ぶりにリアルで再会。SNSでたまに言葉を交わしていたことから、あまり久しぶりという感じはありませんでした。先輩行きつけの酒場で昔話から今の仕事など、ひとしきり話をした後、住んでいる所の話題になったところで驚きの事実が発覚。なんと、お互いの家の距離は500メートルほどで、よく行く地元の神社への道から少し横に入ったところに先輩は住んでいました。先輩は持家、私は賃貸ですが、10年同じ物件に住み続けていながら気づかなかったことになります。

ビックリしたことがもう一つ。その酒場の常連さんで先輩とも顔見知りの方と名刺交換したら、たまに仕事上で連携していて最近退職した同じ会社の人の父上であることが判明。ありきたりの言葉ではありますが、世の中狭いなと思うと同時に、人の繋がりというのは面白いなと再認識しました。

ご近所さんということもあり、先輩とはその後もたまに地元で飲みに行くようになりました。ある時先輩からスタートアップ企業のCFOをやってみないかとの誘いがあったのですが、高校生の子供がいることもあり、さすがにリスクが高いなと考え一旦は謝絶。その後、副業で参画することは可能かどうか打診したところ、資金面は固まっており、銀行借入も無いので十分可能とのこと。そこで正式にエントリーをして、職務経歴書を初めて作成し提出、社長面接ののちメールで勤務条件などを詰めていきました。

ひょんなところから年頭の目標が達成できそうになり気分は高揚。やる気も盛り上がり、勧められたIPO実務者検定試験の教科書を購入して読み進めていた時に、先輩から急ぎ知らせたいことがあるとの連絡が入りました。社長との直近のメールのやり取りにややトーンダウンの気配を感じ一抹の不安を抱いていたのですが、それが現実となりました。

あったのは不採用の連絡。理由は、固まっていたと思っていた資金面で大問題が発生したことから、資金ショートの懸念も浮上し、フルタイムでないとCFOは務まらない状況になったということでした。季節は進み、7月になっていましたが、副業探しは振り出しに戻ることになりました。

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