BANANA FISH 感想


そういえば友人から勧められていたな、暇だし見てみよう。となんとなく見始めたBANANA FISH。
こんなに救いがなくて、歪んでいて、愛に溢れている作品だと思いませんでした。
アニメ版最終話まで完走した後に1番最初に感じたのはうまく言い表せない程の喪失感。

あんな激動の戦いの中で、死ななかった男が、最後……。手紙を読んでどこか安心したような表情をしながら(おそらく)息を引き取ったシーンは忘れられません。

ストーリーを追うごとに、救いを求める自分がいて、この話に出てくるみんなが幸せに暮らす未来はないのかと願ってしまいました。

じゃあ私の思った幸せってなんなんだろうと。
アッシュの幸せは、エイジが世の中の黒い部分をこれ以上見ずに感じずに普通の生活を送る事?
エイジの幸せは、アッシュがもう思い悩まず生きていける事?
それとも2人が誰にも介されず、2人の空間で穏やかに暮らす事?
シンは?ユーシスは?ショーターは?

もうガチガチの戦闘思考で、敵対する相手をなぎ倒している瞬間が幸せだったのかもしれないし。
争いの緊張から遠のいて、ふと仲間たちと過ごす一瞬が彼らの何にも変え難い幸せで、それの為に生きてたのかもしれないし。
日陰の世界から抜けていわゆる普通の、例えば、一般企業に勤めて結婚して子供ができて…みたいな生活を望んでいたのかもしれないし。
そこは想像の範疇を抜けない部分ではあるんですが。
幸せの形は人それぞれで、彼らの幸せが何だったのかは、ずーっと思い考えていく事なのかもしれません。

同性とか異性とか関係なしに様々な愛の形幸せの形があって、それは第三者がどう言おうと、どう介入してこようと、当事者同士の中だけで通じ合って認め合えてればいいんだな。と、感じました。

自分の中で、『BANANA FISH入門編 完』みたいな気分です。
淡々と感想を書いてはみましたが、言葉にすると薄っぺらいように思えてきますね。
言葉では言い表せないくらいのはちゃめちゃにデカい感情は抱えています。
喪失感が落ち着いたら、もう一度アニメを見直して、余裕があれば原作を購入したいなと思いました。原作舞台は1985年。インターネットがさほど普及していなくて、スマホのない世界線で、どうやって彼らのやり取りが行われていたのか、BANANA FISHの謎に辿り着くまでの過程はどう描かれているのか、などなど色々知りたいです。

何年後か数ヶ月後かはわかりませんが、またBANANA FISHの感想を綴る時がきたら、その時は自分の文才がもっと豊かになってますように。
はちゃめちゃデカ感情を伝えることができてますように。


おわり

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