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息子の学校も「在宅」に

今週から長男の学校(インターナショナルスクール)が休み、ではなく「At Home Learning」つまり、「在宅学習」モードに入りました。

何かというと、普段学校でやっている勉強を完全に家で実施し、通常通り宿題も出て、スナック休憩や昼休憩もしつつ、体育の授業もあったりして(ビデオを見てその運動をする、または60分間何らか体を動かして、何をしたか報告するようなかたち)、まー、本当に「在宅」で学校を継続している感じです。

在宅学習は突然に
まー、これは先週の安倍首相のあの発言から、翌日(2月28日)には通知が来ました。「来週からAHLになります。期間は今月いっぱいです。」とのこと。我が家的には「えー!?」という感じでしたが、普段利用している学校内SNSやテレビ会議システム(Google Meet)を使って、授業を観たり、担任の先生と面談したりと、本当に普段と変わらないような形で、対応してくれて流ようで、「あー、これであれば大丈夫かな」と。

(長男がGoogleに連動する学校のメールアカウントを持っていることは初めて知りました)

在宅学習の様子
そして、今週水曜から始まった「在宅学校」。朝8時半に担任の先生からのメッセージと午前中に行う授業のコンテンツが学校SNSのActivityというフォルダに送られてきます。(おそらく事前に用意しているものが、自動で配信される仕組みになっているのかと)

午前中は、Math(算数)と、ライティングとリーディングの授業。まずはそれぞれの動画の授業を観て、その後、課題をこなします。その後、終わった課題を写真にとって指定された場所にアップロードし、提出終了となります。

で、長男はリビングルームで在宅学習をしているのですが、リビングには、同じく幼稚園が休みの次男もいて、雑音が多いんです。雑音に弱い長男は、対策として授業を聞くときはヘッドフォンをつけて授業を聞き、課題をするときは集中するための音楽を聴くことで対応。うまいこと集中して課題をこなすことができました。

午後は、音楽や体育、アート、社会科といった科目の授業。これらの授業は、音楽は、動画を見てクイズを解く問題。また、アートは、お題が出て作品を作ってそれを写真に撮り、アップする。そして体育は、何でもいいから60分体を動かせ というお題。(うちの近所には大きな公園があるので、長男はそこで毎日体を動かしています。)

在宅学習を見ていての感想
まー、1日通して見ていると、とても楽しそうにやっていました。
あと、うちの場合は学校から徒歩圏内に住んでいるのですが、バス通学している同級生の子たちは「バス通学」から解放され、家で勉強できるというのは、早起きしなくていいというのは楽なんだろうな という印象です。

そして、コミュニケーションも密にとれる体制ができています。学校内SNSのメッセージング機能や、GoogleMeetのテレビ会議システムなどを使って、質疑応答などもまめに行える形になっており、親から見ても「学校頑張ってるなー」と感じました。

「クラウド」をうまく活用
ただ、そんな特別なツールやシステムを使っているわけでなく、中心にある仕組みは、「クラウドサービス」です。学校で利用しているSNSはSeesaw というEdTechのベンチャーが出しているサービスで、テレビ会議システムは、Google MeetZoom(中学と高校で使っているようです)を使っています。なので、それほどコストはかかっていません。

そして、長男の学校かどうかは分かりませんが、Webにて遠隔授業の様子が取り上げられていました


それって、日本の学校でもできるんじゃない?
それを知って、「これくらいのことであれば、思ったよりもコストかけずにできるし、日本の学校でも導入できるのではないか」と思いました。

私立の学校であれば、フルで自分の学校で独自のコンテンツを作らなければならないですが、特に公立学校であれば、教科書の内容を教えるような動画コンテンツを学習指導要項に基づき作成し、標準教材として各自治体の教育委員会から各学校に提供し、あとGoogle MeetやZoomのようなテレビ会議システムを使ったりすれば、それだけで授業は成り立つし、先生との面談は、ハングアウトのようなチャット機能を使えば問題なくできます。あと、質疑応答も、クローズドなグループ作って質疑応答を受け付けるようなやり方をすれば、それほどコストかからずにできるのではないかと思いました。

とはいえ、実際にできている学校は少ないです。

できない理由はなんだろう?
技術的にはできるけれども、日本で遠隔授業を実現するにはいくつもの「技術以外」の壁があるのではないかな と感じました。

パッと思いついたところでは、1)各生徒、家庭のITリテラシー、ならびに 2)  家庭でのインターネット、特にWifiの普及率でしょうか。あとは、3)新しいことをするための心理的な障壁 でしょうか。

1)に関しては、長男の学校は、IT教育がそれこそ入学してからずっと行われていました。今回長男が使っている端末は、普段長男が学校の授業で使っているiPadです。そのため、この普段使っているiPadを端末として、各家庭に持ち帰り、家でWifiにつないで、授業を行うことが簡単にできるような体制ができていました。(しかも学校で使う端末には、モバイルデバイス管理ソフトが内蔵されており、午前8時から午後8時までしか、アプリケーションが使えないように制御されています。これを使って勝手に動画を見たりゲームをしたりはできないようになっており、きちんと管理もできているな と感じました。)
日本の学校でもすべての生徒に端末を提供してITC教育を推進するという話がありますが、今、こういうことができる学校は一部の私立学校くらいしかないのではないでしょうか。(今回、静岡聖光学院がオンラインで授業をやっているのがニュースになっていました。)あと、普段使いから、紙で学校のお知らせを配るのではなく、メールやそれこそ学校専用のLINEなどを使って、保護者宛にお知らせを投げるようなことをしていれば、色々工夫もできるのでしょうけど、そういう意識のある学校は少なそうです。

  2)に関してですが、家でWifiが飛んでいる家ってどの程度あるのでしょうか。3年前の調査では、約86%の家庭には、Wifiが飛んでいるという調査結果がありましたが、スマホでしかネットをやっていない家庭では、Wifi飛んでいない家庭もありそうですね。この点をどうカバーするかは課題かもしれません。

とはいえ、最も大きいのは3)じゃないかと思います。ただでさえ、英語、プログラミング、ダンス などなど、新しいことをやらなければならない小学校の先生方に、今度は遠隔授業の対応もしろというのは、「そんな余裕はない!」と言われてしまいそうです。あと企業で年配の方がITC導入の障壁になっているかのように、教育委員会の年配の先生方がどんな反応するんだろうな というのは気になります。ただ、教育委員会によっては意外と話が理解できる方もいらっしゃるかもしれませんが、全国一律にできるようにするには、今後も色々課題は出そうですね。

最後に
  これを書いていると、「あ、これってペーパーレス化やIT化が進まない企業の課題とも共通点があるな」と、思い浮かんできました。結局は、「技術」の問題ではなく「人」と「組織」の問題で、上の意思で一気に変える覚悟といつでも在宅学習ができるようにする入念な準備(学校では随分前から準備をしていたようです)と、状況によってやることを変えられる柔軟性。そういったことが大事かなと思いました。
  正直、今の状況は「望まない状況」ではありますが、これを機会として、新しい「学び方」の形もどんどん普及していけばいいなと思います。「働き方」だけでなく「学び方」も自由になれば、親子ともに「住む場所」「時間」から自由になれ、学びたい学校、働きたい会社やプロジェクトに、どこからでも参加できる社会への第一歩になると思うと、この状況も「新しい社会づくり」に向けた第一歩になるのではないかと、少し「ワクワク」する気持ちにもなります。





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