見出し画像

中国語の検定試験【HSK】ネット試験、その概要や受験方法まで、全部説明します。

こんにちは、中国語コーチングthe courageの伊地知(@taroijichi)です。

中国語の資格試験であるHSKには紙試験の他にネット試験(HSKibt)がありますが、このHSKネット試験については意外と知られていません。

日本でHSKの紙試験とネット試験両方の試験監督経験があるのは2020年現在おそらく私だけなので、この記事ではHSKネット試験について、その概要や受験方法など、日本国内で受験する場合について、なるべく詳細にお伝えしていきたいと思います。

▼HSKの詳細についてはこちら▼

1.HSKには受験方法が2つある

中国語の検定試験であるHSKには紙で受験する紙試験と、会場に置かれたパソコンで受験するネット試験の2つの受験方法があります。

紙の試験はイメージしやすいかと思いますが、ネット試験というとイメージが湧きにくいかもしれません。以下の動画の通り、会場にパソコンが並んでいて、その画面に表示される問題に答えていくスタイルです。

2.HSKネット試験と紙試験の同じところ

ネット試験と紙試験は、どちらを受験してもHSKの資格の有効性に違いはありません。また中国の運営元が同じなので、各級の問題形式や難易度だけでなく、基本的には試験の開催日時、受験料についても、全て同じです。

3.HSKネット試験と紙試験、6つの違い


ここまで受験方法以外は全て同じと書いてきましたが、実は大きく6つの違いがあるので、それをを紹介します。

①回答方法が違う

ネット試験はパソコンを使った試験なので、パソコンに解答を入力します。リスニング(听力)、読解(阅读)問題は、画面上に問題と解答選択肢が表示されるので、選択肢から解答を選んでクリックしたり、カーソルを移動させたりします。作文(书法)問題はキーボードで中国語(ピンイン)を打ち込んで回答します。

また、リスニングは、受験生全員で同じ音源を聞くのではなく、ヘッドフォンをつけて、パソコンから流れる音声を聞きながら回答します。

②受験できる級が違う

日本国内において、ネット試験も紙試験も試験の開催日は同じですが、紙試験は開催日や会場によって受験できる級が決まっています。ネット試験の場合は毎月どの会場でも全級受験することが可能です。

③申込みの締切日が違う

紙試験は基本的に申込の締切日は試験日の1か月前ですが、ネット試験の申込締切り日は試験日の10日前の午後17時までと、試験直前まで受け付けています。ただ、試験会場が定員に達すると申込みができなくなるので、希望の受験会場がある場合は早めに申込みをした方が良いです。

④試験結果の確認時期が違う

紙試験では成績照会ができるのは約1ヶ月後ですがネット試験では基本的に試験の2週間後に成績照会ができるようになります(HSKKは1か月後)。

発表時間は「未公表」なので、何時から確認できるようになるはわからないのですが、今までの傾向から、成績発表日の午前中には発表されているようです。確認可能になり次第、事務局のHPやSNSで通知がされているので、HSKのTwitterなどフォローしておくと良いですね。

「申込は10日前まで可能」で「2週間で結果が出る」ので、試験結果を見てすぐに次の月の受験を申し込めるのは良いですね。

⑤受験票の準備方法が違う

紙試験では受験票が郵送されるのですが、ネット試験では試験日までに自分で汉语考试服务网(http://www.chinesetest.cn/index.do)にユーザー情報を登録をして、個人ページの画面から自分で受験票をダウンロードする必要があります。試験日当日に身分証明証とともに試験会場に持参します。受験票の提示がない場合、受験が断られてしまうので、受験票は必ず持っていきましょう。

⑥試験中の時間管理が違う

紙試験では時間管理を自分で行うために時計を持って行った方が良いですが、ネット試験は、試験会場のパソコンにログイン後、時間はパソコン画面に表示されるので、時計を持っていく必要がありません。

4.HSKネット試験のレベルについて

HSKレベル-min

HSKの試験のレベルは全世界で統一されており、紙試験でもネット試験でも同じです。

合格基準も全世界統一で、1~4級は全体の6割以上の点数で「合格」ですし、5級と6級は合否表記はなく、6割である180点以上の点数を取ればその級の能力を有していると認められます。

5.HSKネット試験はどこで受けられる?

HSKネット試験会場-min

2020年10月現在、日本全国に5都市8箇所の試験会場がありますが、実際に受験する際は必ず公式サイトで確認をしておきましょう。

6.HSKネット試験の申し込みから受験までの流れ

実際申込から受験までどういった流れになるのか見ていきます。

①申込み
HSKネット試験の申し込みは、日本HSK/YCT試験事務局のHPの申込み画面(http://www.hsk-ibt.jp/HSK)から申込みます。
情報をすべて入力し、写真もアップロードしたら[次へ]ボタンをクリックします。

②受験料の支払い
申込み画面で[次へ]ボタンをクリックすると支払い画面に移動します。
支払方法は「クレジットカード」と「コンビニエンスストア」から選択できるので、希望の支払い方法を選択し、支払処理を行います。
※支払いを完了しない限り申込は完了とならないので要注意です!

③申込受付及び手続完了メール受信
申込みを終えると「HSKネット試験 申込み手続き受付と受験料お支払いのご案内」というメールが届き、受験料の支払いが終わると「HSKネット試験 受験手続き完了のご連絡」のメールが届きます。(つまり、正常に処理が完了するとメールが2通届きます。)

④受験票取得
申込締め切り日(試験10日前)の翌日、事務局から送られる「受験のご案内」メールに受験票の取得方法、試験当日の注意事項、試験結果についてが記載されていますので、案内にそって受験票を取得します。

受験票の取得方法の流れについては、事務局のホームぺ―ジ「受験票の取得方法」を参照してみてください。

受験票をダウンロードしたら、受験票に記載してある内容(氏名、性別、国籍等)に誤りがないか確認しましょう。入力内容に間違いがある場合は、早急に事務局へ修正依頼をお願いしましょう。

⑤試験当日
試験当日は「受験票(准考证)」「身分証明書(申込時に登録したもの。原則として顔写真付き)」「イヤホン、ヘッドフォン(ご自身のものを使用したい方のみ)」を持って会場に向かいましょう。

7.試験当日の流れ

試験会場受付

試験会場に到着したら受験票と身分証明証の提示を求められます。特にモバイル機器で受験票を提示する場合は予め画面を出しておくとスムーズです。受験票と身分証明証の確認後、IDとパスワードが書かれている紙を渡され、座席の指示がありますので、指定された場所に着席します。

試験開始まで

受付が終わったら、試験開始の30分前からパソコンにログインができるので、時間になったらログインします。

ログインから試験開始までの流れは以下のようになっています。

①ログイン
②試験システムの画面操作や説明文の言語を選択
③受付時に渡されたIDとパスワード入力
④受験者の情報が画面上に表示されるので内容を確認([次へ]をクリック)
⑤音声がパソコンからきちんと流れてくるかの音声チェック
⑥試験監督から試験の注意事項や説明を受ける
⑦試験開始1分前に画面がヒアリングの画面に自動で切り替わる
⑧試験開始

8.その他知っておくと良いこと

HSKネット試験知っておきたいこと

試験本番での中国語入力ソフトについて

HSKネット試験では、中国語を入力するソフトは搜狗(sougou)というソフトが使われるので、予め家でもこの搜狗(sougou)をダウンロードして作文の入力練習をしておくと良いです。

■搜狗(sougou)のダウンロードサイト:https://pinyin.sogou.com/

なお、搜狗の機能に手書き入力機能がありますが、試験中は手書き入力は禁止です。

パソコンでの受験を体験する方法

ネット環境があれば、以下の2サイトで模擬試験の体験が可能です。どちらのサイトも事前登録は必要ですが、無料で何度でも実際の過去問題(10回~15回分)を解くことができます。

■漢考東明盟服務中心: http://www.chinesetest-support.org/

■孔子学院遠程教育中心:http://cnhsk.org/

また、試験が終わると、作文以外は自動的に点数が表示されるので、力試しに解くのには最適です。

9.最後に

ここまでHSKについて詳細を説明してきましたが、HSK合格のために中国語力を身に付けたい方は、こちらのサイトで効率的な勉強方法についても確認してみてください。

また、中国語の勉強には「正しい勉強方法」「一定の勉強時間」「勉強の継続」という3つが必要不可欠なので、本気で中国語を学びたい方には、プロの中国語学習コーチと一緒に学ぶことをおすすめします。こちらの記事で中国語コーチングについて確認してみてください。

▼中国語コーチングについて▼


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?