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【創作SS】繁盛店の取材

 取材させて欲しいだって。仕事しながらで良ければ構わないぜ。あんたも仕事なんだろ、手ぶらで帰すのは悪いからな。
 ただ、初めに言っとくけど「名物」だの「逸品」とか持ち上げられるのは、気分が乗らないね。

 俺が豚足中心の料理を始めたのは、単に「仕入れ値が安い」からさ。今でこそ普通の食材だが、昔は捨てられるような部位だった。
 金が無い学生さんに、腹一杯、肉を味わって欲しい。それだけだった。

 けど、安いからって不味いモンを出す訳にはいかねぇ。俺にも料理人のプライドがある。
 一寸の虫ならぬ、一本の豚足に三分の魂さ。
 旨くするために、手間も工夫も惜しまなかった。手間ばかりで儲けは少ないけどな。

 ただ、卒業して社会的に成功してからも、うちに来てくれる子がいるのが嬉しいね。

 おっと、話が長くなって悪いね。で、あんたは、何が聞きたくて来たんだい。
 繁盛の秘訣?
 ウチは豚足屋だぜ、トンでもない話はできんな。
(本文ここまで)

  たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】
 今週の裏お題【三分豚足】にエントリーです。
 はい、駄洒落オチを使わせていただきました。

 なお、説明するのは書き手として恥ずかしいですが「できんな」
『変なことを聞くなら出入り禁止な』の略で『出禁な』ということになります。わかりにくくて、すいません。
 
 なお、今回のサムネ画像は地元郡山市で撮影した【放牧豚】の牧場での1枚です。こちらの農園です。

 さぁ、勘の良い方はお気づきかと思います。
#何を書いても最後は宣伝
 この農園をモデルとして書いた物語が、こちら「スプラウト」です。


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