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つなぐ

 祖父から聞いた昔話です。

 祖父が勤務するスーパーに、山形県にある村の方が「地元の水」を売る相談に来ました。水を買うような時代ではなく、断るつもりでその水を飲むと
「ポン ポポポン」
とでもいう音が体に響き、喉鼓するとともに、ある悩みが晴れ、つい
「試してみましょう」
との言葉を口にしたそうです。

 そして、会社の会議で「水を売る」という新事業を、物を売るだけではない生産者と消費者を「つなぐ仕事」として提案したとのことでした。

 この「月山の水」、当初の売上は微々たるものでしたが、水不足が生じた機に、他のスーパーには無い商品として、店の売上げとイメージアップに大きく貢献したとのことでした。

「縁というものを大事にしろ。情けは人と為ならずとも言う」
話を閉じる時は、いつも慈愛に満ちた笑顔でした。

 今、祖父と同じ流通業界で働きながら「縁を大切に繋ぐ心」で商品を扱わせていただいています。
 

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